【OTC医薬品協会会見】スイッチ評価会議の“可”成分数、「不十分」

【OTC医薬品協会会見】スイッチ評価会議の“可”成分数、「不十分」

【2021.05.21配信】日本O T C医薬品協会は5月21日、2021年度の事業活動計画などに関する記者会見をオンラインで開き、新会長の上原明氏(大正製薬ホールディングス社長)が挨拶した。質疑応答の中で協会は、スイッチ検討会議への評価を聞かれると、「スイッチ可となった成分数で言えば不十分だ」とした。評価指標となる申請期間について、調査を始めているとし、申請期間の短縮について実績を問う考えも示した。


セルフメディケーション税制対象品目は現行の1800に約1500品目が追加

 新会長となった上原氏は挨拶で、「着眼大局(時代の流れ)」と「着手小局(セルフメディケーションの支援活動)」を掲げ、高齢化が進み、医療費が激増する中、医療費の効率的使用が課題になっているとの考えを示した。生活者に向けての啓発活動や生活者が実践しやすい環境づくり、またO T C医薬品が海外でも活用されていくことを支援する国際的な活動などに注力していく考えを示した。
 
 そのために、関係各所から理解と支援を得るべく、連携を重視していく考えを示した。

 協会のグランドデザインの策定も進めているとし、今年7月のセルフメディケーションの日に、外部に公表したい考えを示した。

 一方、後半の質疑応答では、セルフメディケーション税制の対象成分に関して質問が出た。協会は前日の5月20日に開かれた有識者検討会議の決定事項を報告。
(当メディア既出記事https://www.dgs-on-line.com/articles/938)。
 これまでの対象1800品目に、さらに約1500品目が加わることになるとの見解を示した。協会としては「手続きの簡素化もされている」として利用拡大を促していきたい考え。
 一方、「全てのO T C医薬品が対象となり、制度が恒久化されていくことが理想」として、検査薬の対象追加も含めて、さらなる提言を続けていく考えも示した。
なお、セルフメディケーション税制の認知度は70%強で、利用者は約3万人。
 提言に資する医療経済調査も行なっていく方針だ。

“スイッチ評価検討会介する申請“、「企業以外からの要望に限定を」

 スイッチ検討会議への協会の立場について質問も出た。

 協会は検討会議が始まってからの5年を振り返り、「承認は2成分、中間報告を見るとスイッチ可となった成分は7成分だが、7成分は既存薬効であり、以前と比べると少なく、不十分だと考えている」と話した。

 また、申請過程について、協会と厚労省で見解が分かれている。
(当メディア既出記事https://www.dgs-on-line.com/articles/836)。
 厚労省では、いずれのスイッチ申請においても、何らかの形で評価検討会議が関与する形式を提案していたが、協会は反対していた。
 こうした申請手法に関して協会は、「企業以外から要望のある申請については評価検討会議に挙げ、対応策を検討した上で開発企業を募集する形式が良いのではないか」と提案した。
製薬企業からの申請は薬機法に則り厚労大臣に行うことを原則とし、疑問が生じた場合に限って検討 会議で議論すること形式にすべきとした。
 「こうすることで実施計画、また薬機法との齟齬もなくなるのではないかと考えている」(同協会)と述べた。

 また、評価検討会議への評価については、「スイッチされる成分数」のほかに「申請期間の短縮」があるとの考えを示し、協会としても申請期間の変化について調査し、提言していくとした。

 そのほか、協会では自民党の「創薬力の強化育成に関するプロジェクトチーム」がまとめた「医薬品産業エコシステムと医薬安全保障の確立」の提言内容を評価する考えを示し、「社会環境が変化する中でセルフメディケーションの推進やスイッチ促進をすべきと記載されているのは心強い」と語った。

この記事のライター

関連する投稿


【税制大綱】セルメ税制、薬局製造販売医薬品を一部対象に

【税制大綱】セルメ税制、薬局製造販売医薬品を一部対象に

【2025.12.19配信】自民党と日本維新の会がまとめた税制大綱が公表された。セルフメディケーション税制について期限延長と対象の変更等を記載。薬局製造販売医薬品についても、税制の対象となる一般用医薬品等と同じ成分を有効成分として含有するものを対象に加える。


【ジェネリック学会OTC分科会】生活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書公表

【ジェネリック学会OTC分科会】生活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書公表

【2025.10.13配信】日本ジェネリック・バイオシミラー学会のOTC医薬品分科会(分科会⾧・武藤正樹氏)はこのほど、活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書を公表した。10月11日に盛岡市で開催された「日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 第19回学術総会」「OTC医薬品分科会」のシンポジウムの場で示したもの。シンポジウムは日本OTC医薬品協会当の共催。


【厚労省】セルメ税制の対象薬拡大を議論/胃腸薬を追加方針

【厚労省】セルメ税制の対象薬拡大を議論/胃腸薬を追加方針

【2025.05.26配信】厚生労働省は5月26日、「第3回セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会」を開き、セルフメディケーション税制の在り方についてを議論し、現在は対象となっていない胃腸薬などを対象とする方向が示された。


【OTC類似薬の保険給付の見直し】日本OTC医薬品協会理事長・磯部総一郎氏に聞く/ 「保険適用除外は必ずしもセルフメディケーションにつながらない」

【OTC類似薬の保険給付の見直し】日本OTC医薬品協会理事長・磯部総一郎氏に聞く/ 「保険適用除外は必ずしもセルフメディケーションにつながらない」

【2025.04.08配信】日本OTC医薬品協会(OTC薬協)理事長の磯部総一郎氏はOTC類似薬の保険給付見直しに関して本紙の取材に答えた。


【セルメ税制】OTC薬協、全てのOTC薬への対象拡大要望

【セルメ税制】OTC薬協、全てのOTC薬への対象拡大要望

【2025.03.24配信】日本OTC医薬品協会はセルフメディケーション税制について、対象を全てのOTC医薬品やOTC検査薬に拡大することや、控除上限額を20万円まで引き上げることなどを要望した。3月24日に厚生労働省が開いた「セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会」で表明したもの。同検討会は夏までに同税制見直しに関するとりまとめを行う予定。


最新の投稿


【大木ヘルスケアHD】アフターピルの情報「しっかり届ける」/慎重な対応強調

【大木ヘルスケアHD】アフターピルの情報「しっかり届ける」/慎重な対応強調

【2026.02.13配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス(代表取締役社長:松井秀正氏)は2月13日にメディア向け説明会を開いた。その中で、アフターピルの情報提供について触れ、慎重な対応を強調。ただ、メーカー資材を中心として「必要な時に必要な情報を届けられるようにすることも仕事」とし、取り組んでいることを説明した。


【答申】新・地域支援加算、おおむね3点減点か

【答申】新・地域支援加算、おおむね3点減点か

【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。後発薬調剤体制や供給体制、地域支援の要件を求める「地域支援・医薬品供給対応体制加算」はこれら要件の旧来の点数の合算から考えると3点の減点ともいえる。


【答申】調剤管理料「2区分」化では「7日以下」では増点の結果

【答申】調剤管理料「2区分」化では「7日以下」では増点の結果

【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。調剤管理料(内服薬)では、「長期処方」(28日分以上)以外は10点となる。長期処方は60点。


【答申】調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点

【答申】調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点

【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点する。


【日本保険薬局協会】門前薬局“減算”、「到底受け入れられない」/三木田会長

【日本保険薬局協会】門前薬局“減算”、「到底受け入れられない」/三木田会長

【2026.02.12配信】日本保険薬局協会は2月12日に定例会見を開いた。この中で会長の三木田慎也氏は、次期調剤報酬改定の項目、いわゆる“短冊”について触れ、「門前薬局等立地依存減算」について「到底、受け入れらない」と強調した。「患者さんの動向、患者の志向、いわゆるマーケットインの発想が調剤報酬をつくる側に全く意識されていない結果」と述べた。