セルフメディケーション税制対象品目は現行の1800に約1500品目が追加
新会長となった上原氏は挨拶で、「着眼大局(時代の流れ)」と「着手小局(セルフメディケーションの支援活動)」を掲げ、高齢化が進み、医療費が激増する中、医療費の効率的使用が課題になっているとの考えを示した。生活者に向けての啓発活動や生活者が実践しやすい環境づくり、またO T C医薬品が海外でも活用されていくことを支援する国際的な活動などに注力していく考えを示した。
そのために、関係各所から理解と支援を得るべく、連携を重視していく考えを示した。
協会のグランドデザインの策定も進めているとし、今年7月のセルフメディケーションの日に、外部に公表したい考えを示した。
一方、後半の質疑応答では、セルフメディケーション税制の対象成分に関して質問が出た。協会は前日の5月20日に開かれた有識者検討会議の決定事項を報告。
(当メディア既出記事https://www.dgs-on-line.com/articles/938)。
これまでの対象1800品目に、さらに約1500品目が加わることになるとの見解を示した。協会としては「手続きの簡素化もされている」として利用拡大を促していきたい考え。
一方、「全てのO T C医薬品が対象となり、制度が恒久化されていくことが理想」として、検査薬の対象追加も含めて、さらなる提言を続けていく考えも示した。
なお、セルフメディケーション税制の認知度は70%強で、利用者は約3万人。
提言に資する医療経済調査も行なっていく方針だ。
“スイッチ評価検討会介する申請“、「企業以外からの要望に限定を」
スイッチ検討会議への協会の立場について質問も出た。
協会は検討会議が始まってからの5年を振り返り、「承認は2成分、中間報告を見るとスイッチ可となった成分は7成分だが、7成分は既存薬効であり、以前と比べると少なく、不十分だと考えている」と話した。
また、申請過程について、協会と厚労省で見解が分かれている。
(当メディア既出記事https://www.dgs-on-line.com/articles/836)。
厚労省では、いずれのスイッチ申請においても、何らかの形で評価検討会議が関与する形式を提案していたが、協会は反対していた。
こうした申請手法に関して協会は、「企業以外から要望のある申請については評価検討会議に挙げ、対応策を検討した上で開発企業を募集する形式が良いのではないか」と提案した。
製薬企業からの申請は薬機法に則り厚労大臣に行うことを原則とし、疑問が生じた場合に限って検討 会議で議論すること形式にすべきとした。
「こうすることで実施計画、また薬機法との齟齬もなくなるのではないかと考えている」(同協会)と述べた。
また、評価検討会議への評価については、「スイッチされる成分数」のほかに「申請期間の短縮」があるとの考えを示し、協会としても申請期間の変化について調査し、提言していくとした。
そのほか、協会では自民党の「創薬力の強化育成に関するプロジェクトチーム」がまとめた「医薬品産業エコシステムと医薬安全保障の確立」の提言内容を評価する考えを示し、「社会環境が変化する中でセルフメディケーションの推進やスイッチ促進をすべきと記載されているのは心強い」と語った。