パリエットのスイッチはエーザイが申請
この日の部会では、①パリエットS及びパリエット10、②オメプラールS及びサトプラール、③タケプロンsーーを議論した。いずれもPPI(プロトンポンプ阻害薬)。
①パリエットS及びパリエット10については、エーザイが申請。
有効成分はラベプラゾールナトリウム。
効能効果は胃痛、胸やけ、もたれ、むかつき(本剤は胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬を含んでいます)。
承認については可となった。要指導医薬品として指定する。
承認条件としては、承認後少なくとも3年間の安全性等に関する製造販売後調査(PMS)の実施が課せられている。
対応する医療用医薬品には「パリエット錠10mg」があり、これを要指導薬、一般用薬に転用するものとなる。海外ではイギリスやオーストラリア、ロシアにおいて一般用薬として承認されている。
タケプロンはOD錠を転用、アリナミン製薬が申請
②オメプラールS及びサトプラールについては、佐藤製薬が申請。
③タケプロンsについてはアリナミン製薬が申請。
②についてはオメプラゾール、③についてはランソプラゾールが有効成分。
効能効果は胃痛、胸やけ、もたれ、むかつき(本剤は胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬を含んでいます)。
承認については可。要指導薬に指定。PMS3年。
対応する医療薬として、オメプラール錠10があり、これを要指導薬・一般用薬に転用するもの。
海外ではアメリカ、イギリスなど約30カ国において一般用薬として承認されている。
③タケプロンについては、「タケプロンOD錠15」を要指導薬・一般用薬に転用するもの。
海外ではアメリカ、オーストラリア等の8カ国において一般用薬として承認販売されている。
PPI3成分については、「むかつき」という効能効果に対して、「医療の背景がない方に“嘔吐・気持ち悪さにつながる状態を一般的には表現される”ということが理解されることであるかは疑問が残る」といった指摘などが出た。この指摘に対しては、変更の必要性があるかについて事務局やPMDAで調整する方向。
また「企業のPMSに任せるだけではなくて別途、厚労省で調査をするべきであり、その結果によっては処方箋医薬品に戻すことも含めて検討すべきだ」というような指摘もあった。チェックシートに基づく適正販売が販売店、薬剤師に求められるといえる。
タケプロンSについてはOD錠であることもあり、用法用量の中に「口内で溶かして」という表現があるが、これについては「口内で崩壊させて」という表現が適切との指摘があり、その表現に変更するように企業と調整をしていく方針。
片頭痛薬のミグリステンはゼリア新薬工業、シオノギヘルスケアが申請
上記はPPI3成分の承認となるが、それ以外に同日の部会では④マイフェミン、ミグリステン、⑤ロゼレムSについても承認「可」となった。
④マイフェミン、ミグリステンSについてはゼリア新薬工業、シオノギヘルスケアが申請。
有効成分はジメトチアジンメシル酸塩。
効能効果は片頭痛・緊張型頭痛における頭痛発作の発症抑制及び症状緩和 (以前に医師の診断・治療を受けた人に限る)。
承認については可。要指導薬に指定する。PMS3年。
対応する医療用医薬品ミグリステン錠20を要指導医薬品・一般用医薬品に転用するもの。
ロゼレムはアリナミン製薬が申請
⑤ロゼレムSはアリナミン製薬が申請。
有効成分名はラメルテオン。
効能効果は「一時的な不眠の次の症状の緩和:寝つきが悪い」。
承認は可。要指導医薬品に指定。PMS3年。
対応する医療薬「ロゼレム錠8mg」を要指導薬・一般用薬に転用するもの。
2週間を服用の上限としているものの、「服用し効果を感じた使用者が2週間で服用をやめることは難しいと考えている」「複数の場所で購入された場合2週間の規定は形骸化する可能性がある」「眠りの悩みは高齢者が抱えやすく高齢者は転倒骨折リスクが高いため、本剤の連用には大変な懸念がある。関係学会との協議の上、対応を検討すべき」といった指摘が出たという。事務局は省内の高齢者関連を所管している部署とも情報共有して、対応について検討する方針。