【緊急避妊薬のスイッチOTC】承認取得/あすか製薬、販売元は第一三共HC

【緊急避妊薬のスイッチOTC】承認取得/あすか製薬、販売元は第一三共HC

【2025.10.20配信】あすか製薬ホールディングスは10月20日、子会社のあすか製薬が緊急避妊薬「ノルレボ」の製造販売承認を取得したと公表した。承認取得を受け、第一三共ヘルスケアが同品の販売元として、発売に向けた情報提供体制の整備を進めるという。


 緊急避妊薬のスイッチOTC化については、2016年に「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」に緊急避妊薬のスイッチOTC化に係る要望書が提出されたことから検討が始まり、2023年には「緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業」(緊急避妊薬の試験販売)が開始された。
 このような状況下において、あすか製薬では様々な要望に対応できる体制を整えるため、昨年、製造販売承認申請を行い今般スイッチOTC医薬品(要指導医薬品)として承認を取得したとしている。

 また、第一三共ヘルスケアでは、これまでスイッチOTC医薬品の販売を通じて培ってきた知見を踏まえ、同品においても、より安全に使用されるよう、適正販売・適正使用の推進に努めていく方針。
 なお、製品の仕様および発売時期等に関しては、改めて公表する予定。

緊急避妊薬「ノルレボ」(一般名:レボノルゲストレル)について

 「ノルレボ」は、国内で初めて承認された緊急避妊薬である「ノルレボ錠」を要指導医薬品へスイッチしたもの。
 「ノルレボ錠」は、あすか製薬がフランスのLaboratoire HRA Pharma社(現Perrigo社)から導入し、2011年5月に医療用医薬品として発売した。望まない妊娠を防ぐための医薬品で“アフターピル”とも呼ばれており、性交から72時間以内に1回服用することで、妊娠を防ぐことができる(妊娠阻止率 81%)。同剤は性交後に服用することで、「排卵を抑える」作用の他、「受精を防ぐ」「子宮への受精卵の着床を阻止する」作用があるとされ、妊娠後の中絶とは異なり、妊娠そのものを防ぐ。

 レボノルゲストレル製剤(経口剤)は、世界保健機関(WHO)により「必須医薬品」に指定されており、世界では約90の国・地域で、処方箋なしで購入することが可能。今般、日本においても、令和7年度第2回薬事審議会要指導・一般用医薬品部会にて、緊急避妊薬の要指導医薬品としての製造販売承認が了承された。

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