同日の会議では、市民団体の「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」共同代表代表の染矢明日香氏や、日本産婦人科医会および日本家族計画協会所属の北村邦夫氏が意見陳述した。
議論の最後に笠貫宏座長(早稲田大学総長室参与 医療レギュラトリーサイエンス研究所顧問)は、同評価検討会議では「議論は出尽くした」と述べ、評価検討会議の議論は終結することを表明した。
同評価検討会議は現在、スイッチ化の可否を決める場ではなく、課題や解決策の提示が役割となっている。評価検討会議での意見をとりまとめ、公表ののちに、可否を審議する薬事審議会(要指導・一般用医薬品部会)に提出される見通し。笠貫座長は、「意見の違いは両論併記という形で評価検討会議から意見書として整備して」、承認申請をする薬事審議会に提出する形で進める方針を示した。
承認申請については、あすか製薬がすでにスイッチOTCとしての緊急避妊薬を令和6年6月に申請したことを公表している。事務局は現在、医薬品医療機器総合機構において審査が進められており、今後、薬事審議会(要指導・一般用医薬品部会)でその承認の可否等について審議される予定と説明した。
同日の議論では「面前服用」の観点では意見の相違があったものの、年齢制限は必要なく、保護者の同意も必要ないことも意見の一致がみられた。市民団体からは面前服用にプレッシャーを感じる人もいるといった意見が示されたが、北村氏からは面前服用の有効性が提示された。ただ、双方ともまずはスイッチ化した上で、継続的に課題の検討を継続することについては理解を示す意見が出ていた。
市民団体は要望事項を示したものの、「これらが一度にすべてかなわない、すべて求める限りOTCができないというのであれば、非常に残念ではあるが、今すぐすべての要求を満たさずともここまで長い間、議論され尽くされている緊急避妊薬のまずは一刻も早いOTC化を求める。そして緊急避妊薬が必要とするすべての人にすぐに平等に届く社会に向けてこの会議がその一歩となり、検討が次の段階に進むことをOTC化されたあとにもアクセス改善のための取り組みがなされ続けることを切に求めます」(緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト共同代表・福田和子氏)と述べた。
緊急避妊薬のスイッチOTC化をめぐっては、今国会の改正薬機法の議論でも論点となり薬局での恒久的な販売に関連する事項について衆参で附帯決議が採択されていた。