保険料は1店舗あたり年間9000円
日本薬剤師会は「クレーム対応費用保険」の取扱いを2025年2月15日より開始する。
悪質なクレームやインターネット・SNS等、ソーシャルネットワークを介した一方的な情報発宿や、セクシャルハラスメントなど、薬局利用者や近隣住民等の第三者から過大な要求(クレーム行為)を受けた場合に備える保険を希望する声を受け、日本薬剤師会のオリジナルの保険として新たに設計したもの。
会員へは、2025年1月14日頃、加入対象となる薬局へ薬師賠償責任保険等の募集案内として送付する予定。詳細は、2025年1月上旬に日本薬剤師会HPに「薬師賠償責任保険サイバー保険 クレーム対応費用保険」のパンフレットを掲載予定。
商品名は「クレーム対応費用保険」。
加入者は、薬局開設者(法人代表者)、および管理薬剤師。
薬剤師賠償責任保険の加入が条件となる。万が一、クレームの原因に薬局側の過失があった場合は、薬剤師賠償責任保険で対応することになるため。
補償対象者は、薬局開設者・法人代表者・管理薬剤師並びにその役職員、業務の補助者。業務に起因するクレームのみが対象となる。
保険の概要は、補償対象者が利用者(患者)や近隣住民等の第三者から過大な要求(クレーム行為)を受けた場合に、法律に則った円満解決を支援するもの。補償対象者は、保険会社設置の専門相談窓口「クレームコンシェル」による無料相談、アドバイス等のサービスを受けることができる。
「クレームコンシェル」で解決しなかった場合は、保険会社の承認のもと、弁護士による法的対応を行う。その際に、補償対象者が負担する弁護士費用を保険金として支払う。
対象となるクレーム行為は、補償対象者に対して行われる過大な要求や各種妨害行為(暴行・脅迫・強要・威力・セクシャルハラスメント・不退去・計・風説の流布)および類する行為。
保険金の支払対象となる費用は、弁護士への相談料、着手金、報酬金、手数料、訴訟費用等。
補償期間は2025年2月15日から2026年2月15日まで(中途加入は申し込み翌日から2024年2月15日)。
保険料は1店舗あたり年間9000円(薬剤師賠償責任保険 薬局契約加入店舗単位)。
対象となるクレーム行為は、補償対象者並びに施設に対して行われる「暴力・脅迫・強要・威力・セクシャルハラスメント・不退去・偽計、風説の流布の以下の行為を指す。
(クレーム:具体例)
・暴行:殴る、蹴る、つばをかける、胸ぐらをつかむ、髪の毛を切断する等の行為
・脅迫:補償対象者またはその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対し害を加えることを告知する行為
・強要:補償対象者またはその施設の生命・身体・自由・名誉・財産に対しを害を加えることを告知して脅迫、または暴行を用い、義務のないことを行わせ、または行う権利を妨害すること。
・威力:威力をもって社会的活動を妨害する行為。 例えば、店内で業務を妨害する目的で大声を長時間発する、等
・セクハラ:
①性的欲求に基づく要求、性的な関係の強要、必要なく身体にさわること、わいせつな図画を配布することその他 類似の性的欲求に基づく行動または相手が性的嫌悪感を抱くような行動(以下「性的な行動」といいます。)をとること。
②性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報を意図的に流布することその他類似の性的欲求に基づく発言 または相手が性的嫌悪感を抱くような発言(以下「性的な内容の発言」といいます。)をすること。
③雇用行為に影響を与えることを明示または示唆したうえで、性的な行動をとることまたは性的な内容の発言をすること。
④職務遂行を妨害する性的な行動をとることまたは性的な内容の発言をすること。
・不退去:要求を受けたにもかかわらず店舗等から退去しないこと。
・偽計・風説の流布:風説を流布したり偽計を用いて、人の信用を毀損した場合が対象。 例えば「〇〇薬局で調した薬剤に異物が混入していた」旨の虚の事実をインターネット上で申告する等。