【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。


電子処方箋の新目標「電子カルテを整備するすべての医療機関への導入を目指す」

 電子処方箋に関しては、「医療DXの推進に関する工程表」(2023年6月2日)において、 「概ね全国の医療機関・薬局に対し、2025年3月までに普及させる」こととしていた。
 一方、2025年6月時点で運用開始済の薬局は8割を超えており、薬局については今夏には概ね全ての薬局での導入が見込まれるものの、医療機関への導入は1割程度に留まる。

 こうした状況を受け、今回の新目標では、「医療機関において電子処方箋の導入を進めるにあたっては電子カルテが導入されていることが重要である」ことを前提とし、「電子カルテ/共有サービスと一体的な導入を進める」こととした。「患者の医療情報を共有するための電子カルテを整備するすべての医療機関への導入を目指す」とした。
 なお、電子カルテの普及率は、医科診療所約55%、一般病院約65%(2023年医療施設調査)。

2026年夏までに、電子カルテ/共有サービスの具体的な普及計画を策定

 同様に電子カルテについては「工程表」では、「遅くとも2030年には概ねすべての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す」こととしていた。
 この目標達成に向け、オンプレ型で、かつ、カスタマイズしている現行の電子カルテから、いわゆるクラウドネイティブを基本とする廉価なものへと移行することを図りつつ、① 電子カルテ導入済の医療機関(医科診療所/病院)には、次回更改時に、共有サービス/電子処方箋に対応するシステム改修等の実施、② 電子カルテ未導入の医療機関(医科診療所/病院)には、共有サービス/電子処方箋に対応できる標準化された電子カルテの導入を進める。

 標準型電子カルテ(デジタル庁で開発中)について、本格運用の具体的内容を2025年度中に示した上で、必要な支援策の具体化を検討するとともに、2026年度中目途の完成を目指す。
 併せて、標準型電子カルテの要件を参考として、医科診療所向け電子カルテの標準仕様(基本要件)を2025年度中に策定する。
 標準型電子カルテの要件では、小規模な医療機関でも過度な負担なく導入が可能となるよう、①共有サービス・電子処方箋管理サービスへの対応、②ガバメントクラウドへの対応が可能となり、かつ、1つの
システムを複数の医療機関で共同利用することで廉価なサービス提供が可能となるマルチテナント方式(いわゆるSaaS型)のクラウド型サービスとする、③関係システムへの標準APIを搭載する、④データ引き継ぎが可能な互換性を確保すること等を要件とする方向。
 2026年夏までに、電子カルテ/共有サービスの具体的な普及計画を策定する。

電子処方箋新目標に「概ねすべての調剤結果が電子処方箋管理サービスに登録されることを目指す」事項も

 なお、電子処方箋の新目標としては、調剤に関わる「保険制度下における処方箋について、速やかに概ねすべての調剤結果が電子処方箋管理サービスに登録されることを目指す」ことも明記された。

この記事のライター

関連するキーワード


電子処方箋

関連する投稿


【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【2025.01.20配信】厚生労働省は1月23日から、電子処方箋の院内処方登録機能のプレ運用を開始する。


「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>

「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>

【2025.01.07配信】2024年12月、厚労省は電子処方箋において処方とは異なる医薬品が薬局側で表示される事例が確認されたとして、いったん電子処方箋の発行を停止、一斉点検に入った。重大な健康被害につながる可能性のある事象だ。確認された事象は、医療機関や薬局が使っている独自コードを、電子処方箋が用いるマスタコードに紐づける際のミスで発生した。問題発生の根本には何があったのか。そして、今後、どのような施策が求められるのか。厚労省の電子処方箋等検討ワーキンググループの構成員でもあり、医療情報学の研究者である鳥飼幸太氏(群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授)に聞いた。


【重要】電子処方箋で処方と異なる医薬品表示事例/マスタ設定の間違い原因

【重要】電子処方箋で処方と異なる医薬品表示事例/マスタ設定の間違い原因

【2024.12.12配信】電子処方箋において処方とは異なる医薬品が薬局側で表示される事例が確認されたとして、厚労省は注意喚起している。医療機関・薬局における医薬品マスタの設定が適切に行われていない場合に起こる可能性があるという。医療機関等向け総合ポータルサイト上で厚生労働省からの重要なお知らせとして、掲載した。


【厚労省】薬局の電子処方箋導入のきっかけを公開/奈良県大和郡山市、香川県東かがわ市、熊本県菊池市

【厚労省】薬局の電子処方箋導入のきっかけを公開/奈良県大和郡山市、香川県東かがわ市、熊本県菊池市

【2024.10.28配信】厚生労働省は10月25日、「地域における薬局の電子処方箋導入拡大によるメリット」をまとめ、HPに公開した。今回は、薬局において電子処方箋の導入が進んでいる地域のうち、奈良県大和郡山市、香川県東かがわ市、熊本県菊池市の3地域をピックアップし、導入拡大のきっかけや薬局で感じるメリットなどについて聞いた。


【電子処方箋推進会議】導入予定の公立病院名を公表/面的広がりに期待

【電子処方箋推進会議】導入予定の公立病院名を公表/面的広がりに期待

【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。


最新の投稿


【大木ヘルスケアHD】アフターピルの情報「しっかり届ける」/慎重な対応強調

【大木ヘルスケアHD】アフターピルの情報「しっかり届ける」/慎重な対応強調

【2026.02.13配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス(代表取締役社長:松井秀正氏)は2月13日にメディア向け説明会を開いた。その中で、アフターピルの情報提供について触れ、慎重な対応を強調。ただ、メーカー資材を中心として「必要な時に必要な情報を届けられるようにすることも仕事」とし、取り組んでいることを説明した。


【答申】新・地域支援加算、おおむね3点減点か

【答申】新・地域支援加算、おおむね3点減点か

【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。後発薬調剤体制や供給体制、地域支援の要件を求める「地域支援・医薬品供給対応体制加算」はこれら要件の旧来の点数の合算から考えると3点の減点ともいえる。


【答申】調剤管理料「2区分」化では「7日以下」では増点の結果

【答申】調剤管理料「2区分」化では「7日以下」では増点の結果

【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。調剤管理料(内服薬)では、「長期処方」(28日分以上)以外は10点となる。長期処方は60点。


【答申】調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点

【答申】調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点

【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点する。


【日本保険薬局協会】門前薬局“減算”、「到底受け入れられない」/三木田会長

【日本保険薬局協会】門前薬局“減算”、「到底受け入れられない」/三木田会長

【2026.02.12配信】日本保険薬局協会は2月12日に定例会見を開いた。この中で会長の三木田慎也氏は、次期調剤報酬改定の項目、いわゆる“短冊”について触れ、「門前薬局等立地依存減算」について「到底、受け入れらない」と強調した。「患者さんの動向、患者の志向、いわゆるマーケットインの発想が調剤報酬をつくる側に全く意識されていない結果」と述べた。