同日の会議では、電子処方箋の普及状況が報告された。
令和6年9月1日現在、全国3万609施設(14.6%)で電子処方箋の運用が開始済みとなっている。内訳は病院153(1.9%)、医科診療所3645(4.5%)、歯科診療所150(0.3%)、薬局2万6661(44.6%)。薬局での健闘が目立つ。
ただ、「医療DXの推進に関する工程表」では、「2025年3月までにオンライン資格確認を導入した概ねすべての医療機関・薬局に導入することを目指して必要な支援を行う」ことを掲げてきたため、足下の状況では政策目標の達成が危ぶまれる状況だ。
事務局では導入への課題と対策について整理。
根強い「導入にかかる費用負担が重い」との意見に対しては、「導入補助金を拡充、医療DX推進体制整備加算の創設」 などを説明。
特に導入補助金に関しては、令和5年12月以降、リフィル処方箋機能などの追加機能の補助(補助上限の引上げも行ったほか、都道府県による追加導入費用の助成(補助率の引上げ)を実施している。
都道府県による追加導入費用の助成に関しては、19都府県が実施を決定し、さらに宮城県、栃木県、石川県、滋賀県、奈良県、岡山県等が実施を積極的に検討中であることが示された。追加助成に関しては、厚労省からも都道府県に対して調整を働きかけてきたものとみられる。こうした結果、今後、追加助成を決める都道府県もありそうだ。
また、阻害要因となっている「周囲の医療機関・薬局が導入していない(導入施設数が限られ、緊要性を感じない)」ことに対しては、面的な広がりを期待。公的病院・公立病院(公的病院等)を中心
に導入推進を強化していることを強調。今回、新たに、導入を予定している公的病院等一覧を開示した。
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001302363.pdf
導入予定の公的病院の動きが波及する形で、地域の医療機関でも導入が進むことを期待したい考えだ。
【電子処方箋推進会議】導入予定の公立病院名を公表/面的広がりに期待
【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。
関連する投稿
【電子処方箋推進会議】日薬「薬局では従来以上の業務負荷」/診療報酬の検討も要望
【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。
【電子処方箋推進会議】電子処方箋に“一本化”の取り組みも報告/石川県「松任石川中央病院」
【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。
【2024.08.01配信】厚生労働省は7月31日、電子処方せん対応施設を地図から検索できるよう、「電子処方せん対応医療機関・薬局のマップ」を公開した。
【2024.07.19配信】厚生労働省は、現在3年間となっている処方箋の保存期間について見直す方針を示した。「第7回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で提示した。診療録の保存期間が5年となっている中、電子処方箋については処方箋を調剤済みとなった日から5年間保存するサービスを提供しているなどの環境変化を挙げている。今後、制度部会で議題とする方針。
【デジタル推進委員】薬局の薬剤師など1万人を任命/デジタル庁
【2024.06.25配信】デジタル大臣の河野太郎氏は6月25日の会見で、デジタル推進委員に薬局の薬剤師など1万人を任命したと公表した。
最新の投稿
【2024.10.11配信】厚生労働省は10月10日、「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(流改懇)を開いた。この中で、メーカーが卸を1社に限定する「1社流通」に関して問題の指摘が相次いだ。
【中医協】認知症薬「ケサンラ」の薬価算定やコロナ治療薬「ゾコーバ」の費用対効果を議題に
【2024.10.10配信】厚生労働省は10月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)を開いた。認知症薬「ケサンラ」の薬価算定やコロナ治療薬「ゾコーバ」の費用対効果を議題とした。
【2024.10.08配信】令和6年10月1日から、薬局の在宅業務を含む訪問診療等においてマイナ資格確認アプリが利用可能となった。 アプリを利用することで、目視確認による本人確認が可能になる。
【2024.10.08配信】福岡資麿厚生労働相は10月8日、全国的な不足が指摘されている局所麻酔薬「アナペイン」の対策についてコメントした。
【日本薬剤師会_新理事の“横顔”⑦】池田里江子氏/「みんなで何かをするのが好き」、学術大会では企画班長
【2024.10.07配信】日本薬剤師会は岩月進新会長の下、6月30日の総会をもって新執行部を立ち上げた。本紙では、その中でも新たに理事になったメンバーに焦点を当てて取材、紹介する。第7回は池田里江子氏。【シリーズ最終回】