【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【2025.02.19配信】東和薬品とTISは2月18日、両社共同でシステム「ヘルスケアパスポート」を邦大学医療センター佐倉病院に導入したと公表した。同システムはTISが提供しているもので、PHRを含む地域医療連携システムであり、同社は「外来がん化学療法の副作用症状の報告負担を軽減することで薬局・病院の薬剤師によるタイムリーな連携と患者さんに寄り添ったケアの実現」に資するものとしている。


 東邦大学医療センター佐倉病院(所在地:千葉県佐倉市、病院長:鈴木 啓悦氏)に、TIS が提供する「ヘルスケアパスポート」を導入した。患者ケアに活用されている。外来がん化学療法の患者が「ヘルスケアパスポート」を通じて無理なく副作用症状を報告することで、薬剤師が自宅療養期間中の患者さんの服薬状況や体調変化をスムーズに把握することができ、より患者さんに寄り添ったケアを実施できるようになったという。

 同システムは、生活者の健康・医療情報を医療従事者や家族と共有できる PHR基盤サービス。生活者による情報共有の意思表示(オプトイン)に従って、健康・医療情報を安全かつ双方向に共有できる仕組みをサービス利用型で提供している。
 東和薬品と TIS は、2021 年に「ヘルスケアパスポート」の協業販売に向けたアライアンス契約を締結し、「ヘルスケアパスポート」の普及、サービスの最適化を進め、持続可能な地域医療連携の実現の後押しを目的として活動している。個人の健康データの基盤づくりに貢献するため、TIS はヘルスケアデータを適切に一元化・共有するシステムの開発・運営を担い、東和薬品は、幅広い販売網を通じて「ヘルスケアパスポート」の普及を担っている。

 佐倉病院では、かかりつけ薬局の薬剤師と連携(薬薬連携)し、服薬状況や体調変化をモニタリングしている。2020 年に、がん薬薬連携関連の加算新設や、専門医療機関連携薬局(がん)の認定、薬局の服薬フォローアップが法律で義務化されたこともあり、患者さんの体調を管理するうえで薬局の役割は非常に大きくなっている。
 病院薬剤師は、抗がん剤の調製や服薬指導等に加え、医師が決定した抗がん剤の治療方針に従って、適切な治療薬・副作用を抑える薬を医師に処方提案。患者は外来で点滴等の治療を受け、自宅療養へ移行後は、薬局薬剤師が処方箋に基づき患者に薬を提供し、自宅療養期間中のフォローを担当する。
 薬局薬剤師はバイタル情報・副作用症状を確認するため、抗がん剤投与 1 週間後を目途に患者さん宅に電話をかけ、ヒアリングを行っていたが、断片的な情報しか得られないことや、副作用に合わせた適切なタイミングでのフォローが難しいことなどの課題もあった。また、体調が悪く会話すること自体がつらい患者さんも少なくないことから、患者さんが無理なく正確な状況を伝えられる新たな手段を検討することとした。
 
 「ヘルスケアパスポート」が評価されたポイントは以下の通りという。
・血圧や体温といった基本的なバイタル情報だけでなく、『吐き気』『嘔吐』といった副作用症状を柔軟にカスタマイズできる点
・プラットフォーム型で、病院と薬局が同じ報告内容を見ながら初期対応について相談できる点
・チャット形式ではない方法で、患者さんと医療従事者双方の負担を軽減しながら双方向のコミュニケーションができる点
・TIS はセキュリティ要求の厳しい金融業界でのシステム実績が豊富であり、技術面で信頼できる点

 2022 年後半より、門前薬局である専門医療機関連携薬局のあやめ薬局下志津店と約 1 年をかけて症状報告画面のカスタマイズと技術検証を実施。抗がん剤による副作用症状として、重症度別に入力可能な 12 項目をカスタマイズで追加し、5 段階から選択し記録できる『体調』の項目や、どれにも該当しない症状をフリーフォーマットで記録できる『気づいたこと』の項目も追加され、患者さんがより簡単に詳しく状況を報告できるようになった。
 また、カスタマイズの作業と並行して、「ヘルスケアパスポート」の「施設間連携メモ」機能を利用し、共通基盤の中で情報を共有するテストも実施。このテストでは、病院薬剤師と薬局薬剤師が、患者さんが報告した同じデータを見ながらチャットで初期対応の相談等ができること、薬局から病院に提出する副作用状況報告書(トレーシングレポート)の PDF が安全性を保ちつつ送信できることが確認された。 
 このようにして、2024年1月から抗がん剤治療患者さんに向けた「ヘルスケアパスポート」のアプリ導入勧奨をスタートし、約10カ月で延べ50人程度が利用している。患者からは、「入力が簡単だから続けやすい」という声や、つらい副作用症状を報告した時に薬局から電話やメッセージで助言を行ったり、病院への受診を促したりすることで「安心して治療に臨めた」「治療に役立った」という声も挙げられていルトいう。

 「ヘルスケアパスポート」導入以前は薬局薬剤師が電話で、トレーシングレポートに記載されたすべての症状をヒアリングしていたためかなりの時間を要していましたが、導入後は適切なタイミングで、患者が特につらく感じる症状を重点的にヒアリングし、その改善に集中できるようになったという。

「ヘルスケアパスポート」詳細
https://www.tis.jp/service_solution/healthcare-passport/

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