【電子処方箋推進会議】日薬「薬局では従来以上の業務負荷」/診療報酬の検討も要望

【電子処方箋推進会議】日薬「薬局では従来以上の業務負荷」/診療報酬の検討も要望

【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。


 この中で、日本薬剤師会(日薬)常務理事の田中千尋氏は、薬局では紙の処方箋に比べて業務が増加するとの認識を示した。

 田中氏は、電子処方箋に関しては医療情報の共有により医療安全が向上するものとして、日薬としても「継続的に進めていきたい」との考えを示した上で、「一方で、紙の処方箋に比べて手間が増えることも間違いない」と言及。電子処方箋のデータ確認作業のほか、薬局では調剤結果の登録作業が必要になる。

 電子処方箋の導入に対しては経済的な費用負担の問題も指摘する声が大きい中、田中氏は「導入については補助金はあるものの、追加機能も五月雨式であり、改修が何回も必要になっている。導入時だけでなく毎月の維持費がかかっていることも現実の話ではある」と述べた。
 日薬としては普及推進の立場であるものの、現実的な障壁があることも改めて示した格好。田中氏は電子処方箋対応にあたり、薬局薬剤師が多くの労力を必要とすることから、「この場でいうのが正しいかはわからないが、診療報酬上の対応も考えていただきたい」と要望した。

この記事のライター

関連するキーワード


電子処方箋 医療DX

関連する投稿


【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。


【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。


【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【2025.02.19配信】東和薬品とTISは2月18日、両社共同でシステム「ヘルスケアパスポート」を邦大学医療センター佐倉病院に導入したと公表した。同システムはTISが提供しているもので、PHRを含む地域医療連携システムであり、同社は「外来がん化学療法の副作用症状の報告負担を軽減することで薬局・病院の薬剤師によるタイムリーな連携と患者さんに寄り添ったケアの実現」に資するものとしている。


【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【2025.01.20配信】厚生労働省は1月23日から、電子処方箋の院内処方登録機能のプレ運用を開始する。


「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>

「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>

【2025.01.07配信】2024年12月、厚労省は電子処方箋において処方とは異なる医薬品が薬局側で表示される事例が確認されたとして、いったん電子処方箋の発行を停止、一斉点検に入った。重大な健康被害につながる可能性のある事象だ。確認された事象は、医療機関や薬局が使っている独自コードを、電子処方箋が用いるマスタコードに紐づける際のミスで発生した。問題発生の根本には何があったのか。そして、今後、どのような施策が求められるのか。厚労省の電子処方箋等検討ワーキンググループの構成員でもあり、医療情報学の研究者である鳥飼幸太氏(群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授)に聞いた。


最新の投稿


【日本病院薬剤師会】高市政権に「期待」

【日本病院薬剤師会】高市政権に「期待」

【2025.10.22配信】日本病院薬剤師会は10月22日に定例会見を開き、高市政権に関して「期待している」とコメントした。


【日本薬剤師会】京都学術大会のオンデマンド配信を追加募集/PECS付与対象

【日本薬剤師会】京都学術大会のオンデマンド配信を追加募集/PECS付与対象

【2025.10.22配信】日本薬剤師会(日薬)は10月22日に定例会見を開き、先ごろ終了した日薬学術大会の「京都大会」のオンデマンド配信を追加募集すると説明した。PECS付与対象となる。


【緊急避妊薬のスイッチOTC】承認取得/あすか製薬、販売元は第一三共HC

【緊急避妊薬のスイッチOTC】承認取得/あすか製薬、販売元は第一三共HC

【2025.10.20配信】あすか製薬ホールディングスは10月20日、子会社のあすか製薬が緊急避妊薬「ノルレボ」の製造販売承認を取得したと公表した。承認取得を受け、第一三共ヘルスケアが同品の販売元として、発売に向けた情報提供体制の整備を進めるという。


【厚労省_疑義解釈】保険薬局との「特別な関係」で/総合入院体制加算及び急性期充実体制加算施設基準

【厚労省_疑義解釈】保険薬局との「特別な関係」で/総合入院体制加算及び急性期充実体制加算施設基準

【2025.10.20配信】厚生労働省は10月20日、令和6年度診療報酬改定に関する「疑義解釈(その30)」を発出した。総合入院体制加算及び急性期充実体制加算の施設基準においては、病院が特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係があれば、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合でも、「特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係がない」に該当しないとした。


【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【2025.10.17配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月17日に定例会見を開き、調剤報酬改定における「300店舗区分」の見直しを求める声明を公表した。