メディカルシステムネットワーク子会社のファーマシフトは、「デジタルの力を用いて調剤薬局のあり方、ひいては医療のバリューチェーン全体を、調剤薬局を起点にアップデートし、新たな医薬プラットフォームを構築すること」を目的として、調剤薬局各社と「デジタル薬局コンソーシアム」を結成する。
現在「デジタル薬局コンソーシアム」には 7 社 750 店舗の参画が決定しており、この全ての店舗において LINE 公式アカウントを活用した「かかりつけ薬局化支援サービス」を導入していく。
ファーマシフトは、デジタル時代の「新たな医薬プラットフォーム」の創造を目的として設立されたメディカルシステムネットワークとオプトの合弁会社。
今回、ファーマシフトが開発した LINE 公式アカウントを活用した「かかりつけ薬局化支援サービス」は、患者と薬局がLINE公式アカウントを活用してつながるための新たなコミュニケーションツール。このツールにより、薬局の「かかりつけ」機能の強化を支援し、患者自身で服薬情報を一元管理することができる。
同社では、「かかりつけ薬局化支援サービスは患者と薬局の双方にとって大きなメリットがある」として、早期普及とプラットフォーム化を目指す。デジタル薬局コンソーシアムは、本サービスのファースト・ユーザーとして 3 月以降順次サービスを導入するとともに、全国の薬局に対する普及・利用促進と、サービス導入企業全体の店舗網を活かした新規事業の開発を行っていく。
すでに参画が決定している企業は、株式会社サノ・ファーマシー(本社:秋田県秋田市、代表取締役社長:佐野 元彦氏)、株式会社はいやく(本社:静岡県榛原郡、代表取締役社長:原 匡氏)、株式会社パル・オネスト(本社:埼玉県富士見市、代表取締役:齋藤 裕之氏)、株式会社フォーラル(本社:東京都江東区、代表取締役社長:松村 達氏)、株式会社メディックス(本社:東京都調布市、代表取締役:松村 有里子氏)、薬樹株式会社(本社:神奈川県大和市、代表取締役:入江 充氏)、株式会社メディカルシステムネットワーク。
近年、薬局が果たすべき役割は対物業務から対人業務へとシフトし、昨年の薬機法改正により薬の服用期間中は薬局からのフォローアップが義務付けられるなど、薬局には「かかりつけ薬局」としてのさらなる機能強化が求められている。このような状況において、従来の薬局の店頭での対応や薬剤師からの電話連絡に加えて、患者と薬局が「つながる」ための新たなコミュニケーションツールが必要とされている。そこで、今回、薬局の「かかりつけ」機能の強化を支援し、患者自身による服薬情報の一元管理を実現するサービスとして LINE 公式アカウントを活用した「かかりつけ薬局化支援サービス」を開発したという。
「かかりつけ薬局化支援サービス」は、LINE 公式アカウントを活用し、患者と薬局が “つながりやすい環境”を提供することで「かかりつけ薬局」としての機能を強化できるサービス。ファーマシフトの LINE 公式アカウントに友だち登録すると、かかりつけの薬局をはじめ、利用している薬局を複数登録でき、患者は各薬局の利用状況を一元管理することができる。登録可能な薬局は、本サービスを導入している薬局に限られる。
以下の各機能の他、薬履歴の管理や服薬フォロー等が利用できる。
①トーク画面 :リッチメニューから様々な機能を利用可能。
②処方箋送信 :病院で受け取った処方箋を、希望する薬局に LINE から簡単に送信可能。
③問診 :紙の問診票に替わり、患者自身の携帯で問診に回答可能。
メディカルシステムネットワークグループが展開する「なの花薬局」10 店舗で本サービスのテスト導入を行ったところ、来局者(LINE 利用を問わず)のうち約 3 人に 1 人、LINE 利用者に限っては約半数が LINE 公式アカウントの友だち登録を行い、登録者数は 5,000 名を突破(2021 年 1 月末現在)。現在も登録者数は増加しているという。
今後は、デジタル薬局コンソーシアム各社と協力し、LINE 公式アカウントを活用した「かかりつ
け薬局化支援サービス」を全国の薬局で利用してもらい、薬局業界共通のプラットフォームとすることを目指していくとする。2021 年末に2,000 店舗、2023年末に15,000 店舗の利用を目標とする。
【デジタル薬局コンソーシアム結成】メディカルシステムネットワーク主導、薬樹やフォーラルが参画
【202q1.02.08配信】メディカルシステムネットワーク子会社のファーマシフトは調剤薬局のデジタル化を実現する「デジタル薬局コンソーシアム」を結成する。薬樹やフォーラルなどの7 社750 店舗にLINE 公式アカウントを活用した「かかりつけ薬局化支援サービス」の導入が決定している。
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