【ドラッグストアに問い合わせ急増】パルスオキシメーター

【ドラッグストアに問い合わせ急増】パルスオキシメーター

【2021.01.20配信】新型コロナウイルス感染症の軽症患者において、肺炎の早期発見にパルスオキシメーターが用いられることがメディアで報道されたことを契機に、ドラッグストアへの問い合わせが増えている。操作は簡単でも判断には知識が必要であり、何よりも、まずは必要な人への供給が優先されることなどの情報提供が店頭からも求められそうだ。


マスクや消毒薬の品薄も

 新型コロナウイルス感染症の拡大と緊急事態宣言発令などによって、感染予防への意識が高まる中、マスクや消毒薬の一部品薄状態が再び生じ始めている。

 ツルハではホームページで「マスク等入荷状況の店頭・お電話でのお問い合わせにつきまして」を
掲載。
 マスク等の感染予防対策関連商品が店頭で一部品薄となっていることを謝罪した上で、商品の供給が不安定な状態になっており、入荷の見通しを立てることが難しいことを説明。
 こうした需要が高まっている一連の商品において、同社として入荷に全力を尽くしていく方針であるものの、「商品の在庫状況」「販売開始時間」等の店頭や電話・メールでの問い合わせに関して回答ができないことへの理解を求めている。

 約1年前の混乱まではいかないまでも、似たような状況が店頭で起こり始めている。

本当に必要な人への供給が優先

 また、今回の緊急事態宣言下で、マスクや消毒薬に加えて、問い合わせが急増しているのがパルスオキシメーターだ。

 パルスオキシメーターは血中の酸素の飽和度を測る機器。新型コロナウイルス感染症にかかった人においても、肺炎の早期発見に有効なツールとして軽症者宿泊施設での活用も始まっている。活用を促進する自治体の動きが報道されたことで、家庭用を購入したいという生活者の問い合わせが増えている。

 しかし、パルスオキシメーターは、医療機器であり、簡単な操作であるものの、測定値をどのように判断するかには一定の知識が必要だ。さらには本当に必要としている人への供給が確保される必要がある。メーカーには増産要請も出ている。
 また関係者は、パルスオキシメーターが何を測るの機器なのかの理解が薄いまま、「新型コロナウイルス感染症の予防に使える」といった間違った認識が広まっていくことに警戒感も示している。
 店頭からはこうした状況の説明が必要になりそうだ。

 一方、現実的には家庭用も販売されている実態がある。現在は欠品中であるものの、大手通販サイトでも販売されている。ニーズが急激に高まると、一定期間後にそのニーズを狙った粗悪品が出回ることは多く見られる現象だ。パルスオキシメーターは医療機器のため、医療機器認証番号等で偽造品かどうかの判別は比較的しやすいとしても、粗悪品流通への警戒が必要になるだろう。また、高度管理医療機器販売業の資格を持った店舗でしか販売ができないことも、生活者は確認することが求められる。
 パルスオキシメーターを展開するコニカミノルタのホームページでは以下の注意を促している。

 厚生労働省では、「新生児以外の者であって入院治療の必要がないものに対して、動脈血酸素飽和度を測定するため、パルスオキシメーターを装着すること」を医行為ではないとする解釈を示しています。(平成17年7月26日厚生労働省医政局長発信 医政発第0726005号)。しかし、これはあくまで「装着」するという行為までであり、測定値の判断や測定値に基づく行動までは含まれていません。
SpO2はその人が持つ様々な要因によりその意味が異なりますので、あくまで医療専門家の判断をもって使用していく必要があります。

※写真はコニカミノルタのホームページより
https://www.konicaminolta.com/jp-ja/newsroom/topics/2020/0424-01-01.html

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