日本薬剤師会は、厚労省に対し、新型コロナウイルス感染症に係る一般用抗原定性検査キット等の在庫逼迫に伴う対応について依頼を出していた。
「第11波」ともいわれる新型コロナウイルス感染症の感染拡大が進む中、一般用抗原定性検査キット(一般用キット)が薬局で入手困難になっていることを訴えたもの。
多数の製品で限定出荷となっていて、卸会社が注文を受けていない、あるいは納品時期が⻑期・未定であったり、複数の製品が販売中止となっている、販売中止製品の市場在庫が一部あるものの使用期限が極端に短い、卸在庫の地域偏在が生じているーーといった事象が確認されているという。
多くの薬局で入手できないことで、その結果、一般用キットを必要とする来局者・地域住⺠に提供することができないという状況に陥っているとしていた。
そのため、厚労省に対しては、一般用検査キットの製造販売業および業界団体等に対し、緊急の増産要請および流通対応を求めるなど、供給不足解消に向けた措置を求めた。併せて、一般用検査キットの入手困難が解消されるまでの間に限り、新型コロナウイルス感染症流行下における薬局での医療用抗原定性検査キットの取扱いを再度可能とするなどを求めていた。
これに対し、厚労省からは、現時点において比較的在庫に余裕がある製品及び取扱い卸に関して情報提供があった。
日薬としては、今回情報提供を受けた一般用キットについては取扱い卸が限られた商品ではあるものの、一般用キットの購入にあたり必要に応じて参照してもらいたいとして、会員に周知した。

【一般用抗原定性検査キット】コロナ“第11波”で薬局入手困難に
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