【抗原検査キットの販売実態】偽陰性の可能性説明、遵守低い結果/厚労省

【抗原検査キットの販売実態】偽陰性の可能性説明、遵守低い結果/厚労省

【2023.09.01配信】厚生労働省は9月1日、「医薬品販売制度実態把握調査」の結果を公表した。今回の令和4年度調査では、一般用新型コロナウイルス抗原定性検査キットの販売時の情報提供の状況に係る調査も実施した。同品の販売にあたっては厚労省が販売時に偽陰性の可能性があること等について特に丁寧に説明することなどの留意事項を示しているが、これらの事項について情報提供を行っていた割合は低い結果だった。


「偽陰性の可能性があること」の説明、29.4%

 抗原検査キット販売時の情報提供では、販売時に偽陰性の可能性があること等、「新型コロナウイルス感染症流行下における一般用新型コロナウイルス抗原定性検査キットの販売時における留意事項について」(令和4年8月24日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部、医薬・生活衛生局総務課、医薬・生活衛生局医療機器審査管理課、医薬・生活衛生局医薬安全対策課、医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課連名事務連絡)において販売時の留意事項として示している。これら事項について、薬局・店舗販売業の許可を得た店舗で情報提供を行っている割合は低かった。

 214件のうち、各種情報提供の有無について、
①「文書による情報提供」は、「あり」が186(91.6%)、「なし」が17(8.4%)。
②「図、動画等を用いた情報提供」は、「あり」が182(89.7%)、「なし」が21(10.3%)。
③「症状がある場合の受診勧奨」は、「あり」が53(24.8%)、「なし」が161(75.2%)。
④「陰性であっても感染対策を行うこと」は、「あり」が 26(12.1%)、「なし」が188(87.9%)。
⑤「陽性の場合の受診勧奨」は、「あり」が78(36.4%)、「なし」が136(63.6%)。
⑥「陰性証明として用いることができないこと」は、「あり」が 53(24.8%)、「なし」が161(75.2%)。
⑦「偽陰性の可能性があること」は、「あり」が63(29.4%)、「なし」が151(70.1%)。

この記事のライター

関連する投稿


【一般用抗原定性検査キット】コロナ“第11波”で薬局入手困難に

【一般用抗原定性検査キット】コロナ“第11波”で薬局入手困難に

【2024.08.29配信】新型コロナウイルス感染症の“第11波”ともいわれる感染拡大で、一般用抗原定性検査キットが不足している。日本薬剤師会は厚生労働省に対し、不足解消に向けた措置を要望した。


【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【2024.07.25配信】厚生労働省は7月25日に「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催し、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しについて議論した。その中で「研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応」を議題とした。


【抗原検査キット】取り扱い薬局リストの厚労省での公表が終了/日本薬剤師会のHPへ移行

【抗原検査キット】取り扱い薬局リストの厚労省での公表が終了/日本薬剤師会のHPへ移行

【2024.04.10配信】日本薬剤師会は4月10日に定例会見を開いた。その中で抗原検査キットの取り扱い薬局リストについて、厚労省HPでの公表が終了することに伴い、当面の間、日本薬剤師会のHPに掲載すると報告した。


【医薬品販売実態調査】濫用のおそれのある医薬品の複数購入対応で店舗の遵守率低下/厚労省

【医薬品販売実態調査】濫用のおそれのある医薬品の複数購入対応で店舗の遵守率低下/厚労省

【2023.09.01配信】厚生労働省は9月1日、「医薬品販売制度実態把握調査」の結果を公表した。店舗での販売に関する調査では、全体的な遵守率は横ばいだったが、第1類医薬品における「使用者の状況についての確認」「情報提供された内容を理解したかどうか等の確認」や「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとしたときの対応が適切であった」等の項目で遵守率が低下していた。


【コロナ禍の薬局】時間外に抗原検査キット販売協力/八戸薬剤師会(青森県)の事例/会員146薬局中62薬局が対応

【コロナ禍の薬局】時間外に抗原検査キット販売協力/八戸薬剤師会(青森県)の事例/会員146薬局中62薬局が対応

【2023.05.31配信】5類移行となったコロナ。これまでの間、薬剤師会、薬局、薬剤師はどのような活動をしてきたのか。ワクチン接種会場での協力や患者自宅への治療薬のお届けなど、その貢献は数多いが、本稿では八戸薬剤師会の事例から抗原検査キット販売協力への対応を取り上げたい。社会からの要請に応える形で、会員薬局の4割がイレギュラーな営業時間外で販売対応した。


最新の投稿


【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【2025.06.29配信】日本薬剤師会は6月28・29日に第106回定時総会を開き、その中で岩月進氏が会長演述を行った。


【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【2025.06.26配信】株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋氏)の連結子会社である医療AIカンパニー、株式会社MG-DX(本社:東京都渋谷区、代表取締役:堂前紀郎、以下「当社」)は、薬局特化型の接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」において、OTC医薬品の遠隔販売に特化した新たなシナリオを構築したと公表した。


【薬学生】薬局就職者、奨学金利用率は平均上回る39.7%/日病薬

【薬学生】薬局就職者、奨学金利用率は平均上回る39.7%/日病薬

【2025.06.25配信】日本病院薬剤師会は6月25日に定例会見を開き、薬学生の4・5・6年生を対象した調査を行った。その結果、奨学金を利用している学生は33.8%。就職活動終了者921人のうち奨学金の活用者は320人(34.7%)だった。うち、保険薬局への就職者では奨学金の利用率は39.7%で平均を上回っていた。


【クオールHD】ローソン店舗でオンライン服薬指導提供へ

【クオールHD】ローソン店舗でオンライン服薬指導提供へ

【2025.06.23配信】クオール薬局等の保険薬局を運営するクオールホールディングス株式会社(東京都港区、代表取締役社長:中村 敬氏、以下クオール)と、KDDI株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長CEO:松田浩路氏、以下KDDI)はローソン店舗にてオンライン服薬指導が受けられる新たなサービスを開始すると公表した。


【日本薬剤師会】骨太方針への見解公表

【日本薬剤師会】骨太方針への見解公表

【2025.06.20配信】日本薬剤師会は6月20日、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」及び「規制改革実施計画」等の閣議決定を受けて、見解を公表した。