【厚労省】コロナ5類移行に伴う調剤報酬の取り扱いで事務連絡発出/オンライン服薬指導の“0410通知”のコロナ特例は令和5年7月31日で終了

【厚労省】コロナ5類移行に伴う調剤報酬の取り扱いで事務連絡発出/オンライン服薬指導の“0410通知”のコロナ特例は令和5年7月31日で終了

【2023.04.03配信】厚生労働省は3月31日、事務連絡「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」を発出した。調剤報酬関連では、コロナ患者への調剤に関わるものでは「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1」(500 点)を継続するほか、店頭でのコロナ薬調剤では「服薬管理指導料」について2倍とする内容を記載。また高齢者施設においても「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1」が算定できる内容。加えて、オンライン服薬指導については、いわゆる“0410通知”の特例を令和5年7月 31 日をもって終了するとした。


取り扱いは5月8日以降、今後は今夏までの医療提供体制の状況等を検証しながら必要な見直し

 事務連絡では令和5年5月8日以降の取扱いについて示した。
 これらの取扱いについては、冬の感染拡大に先立ち、今夏までの医療提供体制の状況等を検証しながら、必要な見直しを行い、その上で、令和6年4月の診療報酬・介護報酬の同時改定において、恒常的な感染症対応への見直しを行うこととしている点に留意を求めている。
 施設基準に関する特例の取扱い等については、別途事務連絡を発出する予定。

「調剤報酬点数表関係」

 事務連絡の中で、「調剤報酬点数表関係」箇所は以下の通り。

【通則】
○ 本事務連絡において、「新型コロナウイルス感染症患者」とは、新型コロナウイルス感染症と診断された患者(新型コロナウイルス感染症から回復した患者を除く。)をいう。
○ 本事務連絡に掲載する算定区分及び診療報酬点数については、診療報酬の算定方法別表第三調剤報酬点数表による。ただし、以下の項目の点数については、令和4年診療報酬改定による改定前の点数を算定する。
・薬剤服用歴管理指導料 43 点、57 点

【調剤報酬点数表に関する特例】

1.新型コロナウイルス感染症患者等に対する調剤に係る特例
① 保険薬局において、患家で療養する新型コロナウイルス感染症患者に対して発行された処方箋に基づき調剤する場合において、処方箋を発行した医師の指示により、当該保険薬局の薬剤師が患家を緊急に訪問し、当該患者に対して対面による服薬指導その他の必要な薬学的管理指導を実施し、薬剤を交付した場合には、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1(500 点)を算定できる。
 また、上記の処方箋に基づく調剤において、緊急に訪問し薬剤を交付した場合であって、対面による服薬指導を実施する代わりに情報通信機器を用いた服薬指導を実施した場合、又は当該患者の家族等に対して対面若しくは情報通信機器による服薬指導を実施した場合には、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(200 点)を算定できる。
 なお、これらの場合にあっては服薬管理指導料及びかかりつけ薬剤師指導料等は併算定できない。また、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料に係る加算は算定できないが、算定要件を満たしていれば服薬管理指導料に係る加算を算定することができる。
② 新型コロナウイルス感染症患者について、保険医療機関から情報提供の求めがあった場合において、当該患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、残薬を含めた当該患者の服薬状況等について確認し、当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に、服薬情報等提供料1(30 点)を算定できる。なお、この場合、月1回の上限を超えて算定できる。
③ 保険薬局において、新型コロナウイルス感染症患者に対して新型コロナウイルス感染症治療薬を交付するに当たり、副作用、併用禁忌等の当該医薬品の特性を踏まえ、当該医薬品に係る医薬品リスク管理計画(RMP)を理解し、RMP に基づく情報提供資材を活用するなどし、当該患者に対して当該薬剤の有効性及び安全性に関する情報を十分に説明した上で、残薬の有無を確認し指導するなど当該薬剤に関する指導を行った場合には、服薬管理指導料の「1」又は「2」の 100 分の200 に相当する点数(118 点、90 点)を算定できる。

2.高齢者施設等における調剤の特例
① 保険薬局において、介護療養病床等に入院している者又は介護医療院若しくは介護老人保健施設に入所する新型コロナウイルス感染症患者に対して、保険医療機関から発行された処方箋に基づき調剤する場合において、処方箋を発行した医師の指示により、当該保険薬局の薬剤師が当該施設を緊急に訪問し、当該患者又は現にその看護に当たっている者に対して対面による服薬指導その他の必要な薬学的管理指導を実施し、薬剤の交付した場合には、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1(500 点)及び薬剤料を算定できる。
 また、上記の処方箋に基づく調剤において、緊急に訪問し薬剤を交付した場合であって、対面による服薬指導を実施する代わりに情報通信機器を用いた服薬指導を実施した場合には、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(200 点)及び薬剤料を算定できる。
 なお、これらの場合にあっては在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料に係る加算は算定できないが、算定要件を満たしていれば服薬管理指導料に係る加算を算定することができる。
② 保険薬局において、地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設に入所する新型コロナウイルス感染症患者に対して、保険医療機関から発行された処方箋に基づき調剤する場合において、処方箋を発行した医師の指示により、当該保険薬局の薬剤師が当該施設を緊急に訪問し、当該患者又は現にその看護に当たっている者に対して対面による服薬指導その他の必要な薬学的管理指導を実施し、薬剤を交付した場合には、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1(500 点)を算定できる。
 また、上記の処方箋に基づく調剤において、緊急に訪問し薬剤を交付した場合であって、対面による服薬指導を実施する代わりに情報通信機器を用いた服薬指導を実施した場合には、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(200 点)を算定できる。
 なお、これらの場合にあっては服薬管理指導料及びかかりつけ薬剤師指導料等は併算定できない。また、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料に係る加算は算定できないが、算定要件を満たしていれば服薬管理指導料に係る加算を算定することができる。

3.電話や情報通信機器を用いた服薬指導等に係る特例
(1)電話や情報通信機器を用いた診療等に係る特例の期限について
 電話を用いた服薬指導等に関する特例については、以下(2)のとおりであり、当該特例については、令和5年7月 31 日をもって終了する。
(2)服薬管理指導料等に係る特例について
① 患者が、保険薬局において電話による情報の提供及び指導(以下「服薬指導等」という。)を希望する場合であって、「新型コロナウイルスの感染拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(令和2年4月 10 日厚生労働省医政局医事課、医薬・生活衛生局総務課事務連絡)又は「歯科診療における新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(令和2年4月 24 日厚生労働省医政局歯科保健課、医薬・生活衛生局総務課事務連絡)2.(1)に基づき調剤を実施した場合、調剤技術料、薬剤料、及び特定保険医療材料料を算定することができ、さらに同事務連絡2.(2)に従って電話による服薬指導等を行った場合、対面によるとされる要件以外の算定要件を満たせば薬学管理料を算定することができる。ただし、服薬管理指導料については、これに代えて薬剤服用歴管理指導料(注に規定する加算(注5に規定する加算を除く。)を含む。)に掲げる点数(43 点、57 点)を算定すること。
② 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定していた患者に対して、薬学的管理指導計画に基づいた定期的な訪問薬剤管理指導を予定していたが、新型コロナウイルスへの感染を懸念した患者等からの要望等があり、かつ、患者又はその家族等に十分に説明し同意が得られている場合、訪問の代わりに電話により必要な服薬指導を実施し、対面によるとされる要件以外の算定要件を満たせば、在宅患者訪問薬剤管理指導料に代えて、薬剤服用歴管理指導料の「1」(注に規定する加算(注5に規定する加算を除く。)を含む。)に掲げる点数(43 点)を算定することができる。
 なお、この場合において、「薬剤服用歴管理指導料」の点数については、在宅患者訪問薬剤管理指導料と合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)まで算定することができる。
③ 居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者について、当月において、新型コロナウイルスへの感染を懸念した患者等からの要望等があり、かつ、患者又はその家族等に十分に説明し同意が得られている場合、訪問の代わりに電話により必要な服薬指導を実施し、対面によるとされる要件以外の算定要件を満たせば、薬剤服用歴管理指導料の「1」(注に規定する加算(注5に規定する加算を除く。)を含む。)に掲げる点数(43 点)を算定することができる。ただし、前月に居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を1回以上算定している患者に限ること。
 なお、この場合において、「薬剤服用歴管理指導料」の点数については、月4回(末期の悪性腫瘍の患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)まで算定することができる。
④ 1①並びに2①及び②において、情報通信機器に代えて電話を用いた服薬指導を実施した場合であっても、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(200 点)を算定することができる。

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