介護施設入所者等への実施も評価へ
コロナに対する診療報酬上の特例では、調剤においては、「自宅・宿泊療養患者に緊急に薬剤を配送した上で対面/電話等による服薬指導した場合に対面500点、電話等200点を算定できることを明確化」したことがある。
事務局は案として、「薬剤師によるコロナ確定患者への緊急の医薬品の提供・服薬指導等については、来局患者への対応も考慮しつつ、引き続き評価する」とし、おおむね了承された格好。
ただし、点数については事務局案では明記されておらず、特例の延長にあたって点数が何点になるかは未定。
加えて、「薬剤師による緊急の医薬品の提供・服薬指導等について、介護施設入所者等の患者に実施した場合についても評価する」こととした。介護施設への緊急服薬指導等の点数も未定。
特例を継続した場合はいつまでの措置になるのかという質問が委員から出たが、事務局は時期について現時点では明言できないとの考えを示した一方、「夏までに医療提供体制や感染状況を見極めて、その後に必要な措置を検討したい」と述べた。
従前の調剤報酬項目である在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料については当然のことながら、変更はない。
なお、同日の資料によると、「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料(電話等又は家族等)」の特例の算定回数は令和4年2月で約12万回だった。令和4年6月には4万回までに減っている。「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料(対面による場合)」の算定回数についてはそれぞれ約2万回、約1万回だった。
支払い側「秋口には原則、すべての特例廃止を」
コロナの5類移行に伴い、診療報酬上の特例をどうするかが議論になっていた。
同日の議論では、移行後は医療の質を担保する項目に特例継続を限定すべきとする支払い側の意見と、移行後も現場の対策や負担に変わりはないため継続を求める診療側委員の意見が割れた。
支払い側委員である健康保険組合連合会理事の松本真人氏は、「政府からも段階的な見直しの考え方が示されているため、すべての特例を一気に廃止することはないことは理解している」と述べる一方、「質を担保するための措置に限定すべき」とするとともに、見直しは5月から速やかに適用した上で、「令和6年改定に向けた議論が本格化する前に中医協で議論し、遅くとも秋口、9月頃には原則、すべての特例を廃止することも視野に入れるるべきだと強く主張する」と述べた。