【OTC類似薬】“処方箋医薬品以外の医療用薬”7000品目800成分のうちOTCあるのは130成分1900品目/田村まみ氏(国民民主党)

【OTC類似薬】“処方箋医薬品以外の医療用薬”7000品目800成分のうちOTCあるのは130成分1900品目/田村まみ氏(国民民主党)

【2025.03.14配信】3月13日に参議院予算委員会公聴会が開かれた。この中で国民民主党の田村まみ氏は、「“処方箋医薬品以外の医療用薬”7000品目800成分のうちOTCあるのは130成分1900品目」だと指摘した。


 公聴会では、日本維新の会が推薦した日本総合研究所の成瀬道紀主任研究員が考えを述べていた。

 これに対し、国民民主党の田村まみ氏が質問したもの。やりとりは以下の通り。

 田村まみ氏「2019年に初当選して、初めて年末の臨時国会での法改正が薬機法の改正でした。そこの縁で、実はこの5年半、医薬品関係の課題については取り組んできました。その中で、私自身も医療全体の適正化の中で、薬剤師の皆さんの活躍ということは重要なポイントだというふうに思っております。
 一方で、素人だった私がこの世界でいろんな話を聞く中で、やはり医薬品の扱いというところには相当慎重な行動も必要だなというふうに思っています。
 本日提案いただきました厚労省が作った資料の中で、処方箋医薬品以外の医療用医薬品、お話しいただいているOTC類似薬のところが、7000品目800成分というふうに言われておりますけれども、実は、いまOTC医薬品として使われている共通の成分は、たった130成分1900しかないというような状況なんですね。
 そう考えたときに、今、自己判断で我々OTCにはアクセスはしているんですけれども、それ以外の分野を薬剤師の皆さんが6年制になったから、というところおっしゃっていますけれども、6年制になったところの教育というところも医師が処方箋を出すという前提でありましたし、やっぱり今の社会の中での個人のセルフメディケーションの問題というところは、今もずっと話があったところです。
 そうなった時に、自己判断の結果で、自見(はなこ)議員は薬剤師の皆さんの責任のところをお話しいただきましたけれども、自己判断の結果なので、実際に疾病と異なる服薬で薬害が出た時に無過失の責任となって、何の保障もないっていうふうになるんですよね。
 OTCを一気に、全面的に解禁した時の薬害の責任というところはどのようにお考えでしょうか」

 成瀬公述人「まずOTC類似薬の中にはOTC医薬品にない成分もたくさんあるんじゃないかということなんですけれども、ただ考え方からすると、あくまでリスクが低い有効成分であるということが処方箋薬かどうかということで、処方箋医薬品でないということは相対的にリスクが低い医薬品と考えられているということはまず申し上げておきたいと思います。
 それからなぜOTC医薬品にない成分があるかというと、やはり我が国であんまりセルフメディケーションが進んでいないものですから、OTC医薬品として開発してもなかなか製薬企業が採算がとれないという状況があって、OTC医薬品として出てこない成分もたくさんあるという状況がございます。
 必ずしもOTC類似薬はOTC医薬品よりもリスクが高いということではないというふうに思います。
 そうしたことから考えますと、薬害の責任というと法律的にどうなるのかというのは私も十分勉強してない部分があるんですが、専門家として適正な常識的な判断を行ったのであれば、それ以上の責任が問われるというものではないのだろうなと考えるところはございますが、ちょっと法律の専門家の方等々、ご議論いただく必要があるかと思います」

 田村まみ氏「あと、低廉だという主張もされているんですけれども、実際には今、保険適用だからそういう価格がついているだけで、一気に保険適用がなくなれば、好きな値段をつけていい、製薬メーカーが好きな値段を付けていいということなので、今のスイッチOTCにしている価格と同じ価格になる可能性、私はゼロではないというふうに思っていますし、実際に今回の法改正の中で、私、今条文まで読んでいるんですけれども、原則の中でされている方には大きな影響がない改正だというふうに見受けているんですけれども、具体的に、今、原則の中で零売薬局をされている方で、じゃあ本当に今回の改正で何が困るのか。今回も正当な理由があったら販売できるというのがあるんですけれど、どうしても入れといた方が良いというところあれば一言お願いします」

 成瀬公述人「やむを得ない場合を除き、処方箋が必要ということですので、これは医療機関が開いているのであれば、受診してください、ということになって医療機関が閉まっている時に必要最低限の量をやるということは今後も認められるというふうになると思うんですけれども、それでは患者としては必ず医療機関を受診、その後に受診するということになってしまいますから、薬剤師で対応できるところも必ず医療機関を受診するというような対応になってしまうということだと思います」

 田村まみ氏「病院がない過疎地などでは相当活躍できる分野だというふうに思いますので、慎重に議論していきます。ありがとうございました」

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