電子処方箋の用法マスタをめぐっては、薬局現場からも「医療現場のマスタと紐づけがうまくいっていないためにデジタル化のメリットを十分に生かせない可能性がある」との指摘が出ていた。
電子処方箋には「毎朝朝食前服用」など、用法マスタがあるが、医療現場で特徴的な用法を指定している場合は、ダミーコードをつかって情報を付加することがある。このダミーコードを多用すると、薬局では情報がうまく取得できない可能性が出る。
この問題を解決する手法は2つある。
1つはダミーコードを用いずに済むように用法マスタを増やすこと。もう1つはダミーコードを用いずに極力標準用法マスタを用いること。いずれが正解かについては、双方の歩み寄りということになるだろう。
実際に1月20日、厚労省は用法マスタの追加し、ベンダー向けに公開。その後、1月26日には誰もが見られるホームページ上にも掲載した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
厚労省も医療現場からの要望に応じて改善を図っているということになるが、一方で、無尽蔵に用法マスタを増やすことが最善ともいえない。さまざまな解析などにおいても、一定、用法マスタが限定されていることは有用なのではないだろうか。
今後、広がっていく医療DX。これまで以上に医療現場から発信される情報が、共有され、生かされていく意識を醸成していくことも課題といえそうだ。
なお用法マスタは3000を超えるが、一度、薬局薬剤師も一読してみてもいいのではないだろうか。
【電子処方箋】用法標準マスタをHPで公開/厚労省
【2023.01.30配信】厚生労働省は、電子処方箋の用法マスタをホームページで公開した。モデル事業などを通して、マスタ追加への要望などがあり、それに対応していることを示したもの。施設で使用しているマスタと電子処方箋マスタの紐づけは、主にベンダーの作業にはなるが、一方で、医療現場においても医療DX時代に向けて、関係者が共有しやすい情報への意識も必要になってきているといえる。
関連する投稿
【厚労省】事務連絡「重複投薬チェックについて」発出/薬機法の規定根拠に薬局開設者に実施求める
【2026.07.27配信】厚生労働省は7月23日、事務連絡「電子処方箋管理サービスにおける重複投薬等チェックについて」を発出した。薬機法では薬局の開設者に「当該薬局に従事する薬剤師に、あらかじめ、他の薬剤等の使用の状況等を確認させる必要がある」と規定されていることなどから、当該薬剤師に電子処方箋管理サービスの重複投薬等チェックの実施や患者の過去の薬剤閲覧の同意を取得する体制を整備することを求める。
【2026.07.29配信】厚生労働省は薬局開設者に対し、速やかな調剤結果登録や重複投薬チェックについて、従事する薬剤師に行わせることを義務とする方向だ。省令改正へ向けて、7月28日にはパブリックコメントを開始した。すでに薬機法9条第1項に基づき施行規則が定められており、その規定に追加する。
【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。
【2025.01.20配信】厚生労働省は1月23日から、電子処方箋の院内処方登録機能のプレ運用を開始する。
「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>
【2025.01.07配信】2024年12月、厚労省は電子処方箋において処方とは異なる医薬品が薬局側で表示される事例が確認されたとして、いったん電子処方箋の発行を停止、一斉点検に入った。重大な健康被害につながる可能性のある事象だ。確認された事象は、医療機関や薬局が使っている独自コードを、電子処方箋が用いるマスタコードに紐づける際のミスで発生した。問題発生の根本には何があったのか。そして、今後、どのような施策が求められるのか。厚労省の電子処方箋等検討ワーキンググループの構成員でもあり、医療情報学の研究者である鳥飼幸太氏(群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授)に聞いた。
最新の投稿
【日薬】ロキソニンのリスク区分変更「妥当とは考えられない」/パブコメに意見提出
【2026.10.01配信】日本薬剤師会はロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)のリスク区分を指定第二類医薬品へ変更する案に対して「妥当とは考えられない」との意見を提出した。1日の定例会見で明かにした。
【スギ薬局】トライアルとリテールメディアを研究する組織立ち上げ
【2026.09.30配信】スギホールディングス株式会社(本社:愛知県大府市、代表取締役社長:杉浦 克典氏)の事業会社である株式会社スギ薬局は、株式会社トライアルホールディングス(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:永田 洋幸氏)とともに、小売企業横断のリテールメディアネットワークの構築研究する「TOKYO Retail Media Federation(東京リテールメディア研究会)」を発足した。
【東京都薬務課】“濫用薬”、「陳列場所」見ている/薬事監視で
【2026.09.29配信】東京都薬務課は9月29日に定例会見を開いた。
【アインHD】最高裁判決にコメント発表「判決の趣旨を踏まえコンプライアンス強化」
【2026.09.28配信】アインホールディングスは9月28日、同社及び同社グループ会社元取締役に対する最高裁判所の判決を受け、コメントを発表した。
【アイン敷地内薬局裁判】元取締役の新山典義被告は逆転有罪/最高裁が控訴審無罪判決を破棄
【2026.09.28配信】KKR札幌医療センターの敷地内薬局整備を巡り、アインファーマシーズの元代表取締役社長と元取締役が公契約関係競売入札妨害の罪に問われ、1審有罪、2審無罪となり札幌高検が上告していた裁判の上告審判決の言い渡しが、9月28日午前11時から最高裁第2小法廷で行われた。