【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。


 マイナ保険証の薬局での活用は、保険証の確認の意味のほか、患者同意に基づき閲覧できる情報の確認によって薬剤師業務への貢献度が想定される。

 マイナ保険証の活用による薬剤師業務への貢献度を聞いたところ、「多重受診・過剰処方の発見」への評価も高く、貢献度「非常に高い」5点、「高い」4点、「中程度」3点、「やや低い」2点、「低い」1点の選択肢への回答で回答平均点が3.64点だった。
 この項目に関しては、高齢者などでは複数の診療科を受診していることも多いものの、貢献度としてあげられていることなどを考慮すると、事務局は「例えば睡眠剤が複数の医療機関から処方されていたことの発見などがあるのではないか」と説明した。
 そのほか「お薬手帳持参なしの場合の服薬情報等の把握」や「院内処方把握により服薬情報の一元管理」などの薬剤師業務への貢献を評価する結果がみられた。

 今回の調査は、協会加盟薬局のうち「認定薬局、かつ、2025年3月1日時点において電子処方箋受付体制を有している薬局の管理薬剤師」を対象に行ったもの。認定薬局との条件を付した背景については事務局は「一定の水準を合わせたかった」と説明した。
 回答期間は2025年4月1日(火)~4月30日(水)。回答数は1006薬局。

 結果のサマリーとしては、マイナ保険証利用率は平均42.1%、電子処方箋管理サービスの理解度が高い薬局は75.5%だった。
 マイナ保険証受付時に薬物治療の質や安全性向上につながる仕組みについて患者に頻繁に説明している薬局は62.6%。
 重複・併用禁忌チェック結果等の情報確認については、全4項目で「毎回または必要時に確認」が80%以上を占め、貢献度は設けた13項目すべてで「中(3点)~非常に高い(5点)」の回答が半数を超えた。特に「服薬情報の把握」への貢献が顕著だった。
 協会では「こうした回答から薬局における積極的な医療DX活用実態がうかがえた」としている。

薬学的ケア向上も「確認工程の増加」など負担

 また、統計解析の結果、マイナ受付後の情報確認を丁寧に行っている薬局では、業務への貢献度スコアが有意に高かった(Cohen’s d = 0.58)。

 貢献度にかかわらず負担度合に差はみられず、中でも「確認工程の増加」「閲覧制限」「システム不具合」の負担度合が高かった。

 薬局薬剤師の日常業務におけるマイナ保険証受付及び患者同意に基づき閲覧できる情報確認の実践が、薬学的ケアの質向上に貢献すること、また一方で、貢献度の高低にかかわらず、薬剤師が抱える業務負担は広く共通して感じられている可能性があることが示唆されたとしている。

この記事のライター

関連する投稿


【日薬・NPhA・JACDS】3 団体共同の広告企画/薬剤師が提供する「3 つの安心」訴求

【日薬・NPhA・JACDS】3 団体共同の広告企画/薬剤師が提供する「3 つの安心」訴求

【2026.10.16配信】日本薬剤師会(日薬)、日本保険薬局協会(NPhA)、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の薬局関連3団体は10月16日、共同広告を実施すると公表した。昨年度に続き、薬剤師の専門性や役割について訴求する内容。


【日薬】薬局関連団体からの「中医協参画」要望にコメント

【日薬】薬局関連団体からの「中医協参画」要望にコメント

【2026.10.14配信】日本薬剤師会(日薬)会長の岩月進氏は10月14日に開かれた定例会見で、日本保険薬局協会など薬局関連団体が中央社会保険医療協議会(中医協)へ委員参画を求める意見を公表したことに対してコメントした。


【日本保険薬局協会】アイン敷地内薬局裁判めぐり、改めての処分「考えていない」

【日本保険薬局協会】アイン敷地内薬局裁判めぐり、改めての処分「考えていない」

【2026.10.08配信】日本保険薬局協会は10月8日に定例会見を開いた。


【日本保険薬局協会】中医協への参加要望「2号側でなく“産業”側で」

【日本保険薬局協会】中医協への参加要望「2号側でなく“産業”側で」

【2026.10.08配信】日本保険薬局協会は10月8日、定例会見を開き、骨太方針への見解を公表。この中で社会保障審議会の関係部会、および中医協への保険薬局事業者を代表する委員の参画を求めた。


【日本保険薬局協会】骨太方針へ見解表明/「治験支援薬局」にも積極的に取り組む

【日本保険薬局協会】骨太方針へ見解表明/「治験支援薬局」にも積極的に取り組む

【2026.10.08配信】日本保険薬局協会は10月8日に定例会見を開催。政府から公表された骨太方針に対する見解を表明した。


最新の投稿


【東京都薬務課】NHKスペシャルの市販薬乱用報道を注視

【東京都薬務課】NHKスペシャルの市販薬乱用報道を注視

【2026.10.27配信】東京都薬務課は10月27日に定例会見を開いた。


【東京都薬務課】医薬品成分を含有する製品の発見/ゲンノショウコ(地上部)

【東京都薬務課】医薬品成分を含有する製品の発見/ゲンノショウコ(地上部)

【2026.10.27配信】東京都薬務課は10月27日に定例会見を開き、医薬品成分を含有する製品の発見について報告した。医薬品成分であるゲンノショウコ(地上部)を含有している製品が発見された。


【日病薬】病棟薬剤業務実施加算300 点は「病院内完結型から地域連携へ発想転換した加算」/武田会長

【日病薬】病棟薬剤業務実施加算300 点は「病院内完結型から地域連携へ発想転換した加算」/武田会長

【2026.10.26配信】日本病院薬剤師会会長の武田泰生氏は、令和8年度診療報酬改定で新設された「病棟薬剤業務実施加算300点」について、「病院内完結型から、地域連携を見据えたシームレスな薬物治療管理へと診療報酬の思想そのものを転換した加算だ」との考えを示した。10月24日に開かれた地方連絡協議会の冒頭、会長演述で語ったもの。


【国会】緊急避妊薬で質疑/埼玉が地元の大島敦衆院議員が質問「人口10万人当たりの対応薬局の都道府県比較は」

【国会】緊急避妊薬で質疑/埼玉が地元の大島敦衆院議員が質問「人口10万人当たりの対応薬局の都道府県比較は」

【2026.10.25配信】10月23日に開かれた衆議院内閣委員会で、緊急避妊薬のOTC薬販売についての質疑が展開された。


【神奈川県薬】ルーキーメンバー交流会を開催/学会発表のリアルを知る★若手薬剤師向け情報★

【神奈川県薬】ルーキーメンバー交流会を開催/学会発表のリアルを知る★若手薬剤師向け情報★

【2026.10.22配信】神奈川県薬剤師会は、薬学生や薬剤師3年目までの方を対象に「ルーキーメンバー交流会」を年に1回開催している。今年度は11月8日に開催。若手が企画まで関わり、今回は学会のポスター発表を経験した先輩薬剤師から発表の「リアル」を学べる内容になっている。


ランキング


>>総合人気ランキング