【薬団連】OTC類似薬についてシンポジウム開催

【薬団連】OTC類似薬についてシンポジウム開催

【2025.11.09配信】薬局団体連絡協議会(薬団連)は11月9日に「第7回シンポジウム」を開き、「OTC類似薬」をテーマに取り上げた。参画団体共通の声明については今後の課題として、今回は策定・公表はしていない。


山村氏「OTC類似薬問題はAI活用で変わる医療アクセスの議論のスタートとして捉えられる」

 薬団連は次世代薬局研究会( 代表:武政文彦氏)、日本コミュニティファーマシー協会(代表:吉岡ゆうこ氏)、保険薬局経営者連合会(会長:山村真一氏)、地域医療薬学研究会(代表理事:鈴木順子氏)が参画している。

 特別講演では、「セルフメディケーションの推進とOTC類似薬、スイッチOTC」として武藤正樹氏(社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事/よこすか地域包括ケア推進センター長)が登壇した。

 今回、OTC類似薬に関する政策提言について、各団体共通の声明を取りまとめようという意見もあったというが「いろいろな事情があり共同声明には至らなかた」という。時間的な制約が理由の1つとした。今後も課題としている。

 OTC類似薬に関する各団体の取組状況については、次世代薬局研究会は2回勉強会を実施している状況。日本コミュニティファーマシー協会はまだ着手していないため、来年に向けて取り上げていく方針。地域医療薬学研究会は「保険の問題から出てきている話なので保険から外すか外さないかの1つの議論ではなく構造改革からやってほしい」との意見を表明した。保険薬局経営者連合会はすでに提言を公表している。「薬剤給付のアクセスの再設計をキーワードとしてアピールしたい」(山村会長)とした。

 特に保険薬局経営者連合会の山村会長は、AIやデジタル技術の進展により、生活者の受診行動や医薬品へのアクセスの形が大きく変わってくると予想し、「OTC類似薬の問題もそういった流れの中の始まりの1つと捉えられる」と提言した。

 関連して取り上げられることの多い“共用薬”の政策が進展していない状況については、保険薬局経営者連合会の山村会長が、「早く進めてほしい」と要望。「医師も処方できて、薬剤師も販売できる共用薬を国民にも薬局にもメリットがあるように進めてほしい」と話した。

この記事のライター

関連するキーワード


薬局団体連絡協議会

関連する投稿


【シンポジウム開催】「地域薬剤師会と行政との連携力」テーマに/薬局団体連絡協議会

【シンポジウム開催】「地域薬剤師会と行政との連携力」テーマに/薬局団体連絡協議会

【2024.11.13配信】薬局関連の4団体が参画する薬局団体連絡協議会は、11月17日にシンポジウムを都内で開催する。テーマに「人口減少社会!試される地域薬剤師会と行政との連携力」を掲げ、厚生労働省 医薬局総務課 薬局地域機能推進企画官の坂西義史氏などを基調講演に招く。


【コロナで薬局が変わろうとしている理由】薬局団体連絡協議会がシンポジウム

【コロナで薬局が変わろうとしている理由】薬局団体連絡協議会がシンポジウム

【2020.10.20配信】複数の薬局の団体が連携して提言と行動を目指す薬局団体連絡協議会は10月18日、都内で「第2回 国民のための薬局のあり方シンポジウム」を開催した。新型コロナウイルス感染症の拡大の中で、デジタルへの対応、公衆衛生への役割強化など、急速に変化している薬局の姿が報告された。背景には受診抑制による患者数減少で経営面では厳しい局面に置かれる中、ともすると、ITを活用した新興勢力による市場競合にさらされるとの危機感がある。


最新の投稿


【令和8年度診療報酬改定】本体+3.09%、令和8年度及び令和9年度の2年度平均として

【令和8年度診療報酬改定】本体+3.09%、令和8年度及び令和9年度の2年度平均として

【2025.12.24配信】12月24日の予算大臣折衝を踏まえて、令和8年度の診療報酬改定が決定した。令和8年度及び令和9年度の2年度平均として、本体を+3.09%とする。令和8年度+2.41%、令和9年度 +3.77%とする。


【中医協】オンライン受診施設、保険薬局内の開設に懸念

【中医協】オンライン受診施設、保険薬局内の開設に懸念

【2025.12.24配信】厚生労働省は12月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、オンライン受診施設に関して保険薬局内の開設に関する課題を提示した。委員からは、いわゆる療担規則に規定のある「経済上の利益の提供による誘引の禁止」などに照らすと懸念があるとして反対意見が相次いだ。


【日本薬剤師会】会員1671人減少、10万人切る/組織強化委員の報告書は年明け完成見込み

【日本薬剤師会】会員1671人減少、10万人切る/組織強化委員の報告書は年明け完成見込み

【2025.12.23配信】日本薬剤師会は12月23日に定例会見を開き、日本薬剤師会の全国会員数調査報告について報告した。


【税制大綱】セルメ税制、薬局製造販売医薬品を一部対象に

【税制大綱】セルメ税制、薬局製造販売医薬品を一部対象に

【2025.12.19配信】自民党と日本維新の会がまとめた税制大綱が公表された。セルフメディケーション税制について期限延長と対象の変更等を記載。薬局製造販売医薬品についても、税制の対象となる一般用医薬品等と同じ成分を有効成分として含有するものを対象に加える。


日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」新発売/第一三共ヘルスケア

日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」新発売/第一三共ヘルスケア

【2025.12.18配信】 第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:内田高広氏)は12月18日、日本初となるOTC緊急避妊薬「ノルレボ」(要指導医薬品)を2026年2月2日(月)に発売すると公表した。価格(メーカー希望小売価格)は1錠 6800円(税込み 7480円)。


ランキング


>>総合人気ランキング