来年4月稼働を視野に
日本薬剤師会では電子お薬手帳システム「eお薬手帳3.0」を基盤とした、公正かつ中立な薬局 DX 基盤サービス「N-Bridge(エヌブリッジ)」を、日本薬剤師会の電子お薬手帳(開発会社:株式会社ファルモ)の基盤を基本として運用する運びとなったとした。
「N-Bridge(エヌブリッジ)」は薬局に対しては、電子お薬手帳・処方箋受付・医薬品情報共有・医薬品発注等の機能を統合したシステムを提供する。
各都道府県・地域・支部薬剤師会に対しては、従来のFAXコーナーに代わる医療機関設置型の処方箋等情報送信端末「NB Station(エヌビーステーション)」を提供。これらにより、地域の薬局業務全般を支える持続可能なDX基盤を整備していく考え。
詳細について、今年度内に説明会を開催する予定という。
背景として、昨今、電子お薬手帳システムや医薬品情報共有システムが個別に提供されており、薬局がそれぞれと契約することによる経済的・管理的負担の増大が課題となっていることを挙げている。
また、FAXコーナーを撤去した医療機関やFAX コーナー未設置の医療機関が限定的運用を目的としたシステム等と契約し、端末を設置する事例も一部で見受けられるという。これらの端末は、薬剤師会等が管理してきたFAXコーナーとは異なり、特定の契約薬局が優先的に表示されるなど、患者の意思が正しく反映されない仕組みとなっている場合があり、特定の薬局への誘導につながるおそれがあるとも指摘。さらに、処方箋を応需した薬局が負担する費用が高額であるなど、薬局ひいては地域の医療提供体制に悪影響を及ぼし、患者にとっての不利益となる悪念があったと説明している。
今回の運用開始はこうした状況を踏まえたもの。
説明会に先立ち、今年10月開催の第58回日本薬剤師会学術大会において、展示ブースにて概要の一部を紹介する。