「パリエットS」(要指導医薬品)は、有効成分ラベプラゾールナトリウムを医療用と同量配合。ラベプラゾールナトリウムが、胃酸を作り出すプロトンポンプに直接作用することで、胃酸逆流によるつらい胸やけや過剰な胃酸分泌による胃痛に効果を発揮する。
要指導医薬品は、販売時に薬剤師による説明を必要とする医薬品分類。
小粒で飲みやすい錠剤で、1 日 1 回 1 錠で 24 時間効果が持続する。
「パリエットS」に配合されるラベプラゾールナトリウムは、エーザイの筑波研究所で創製された PPI で、1997 年に医療用医薬品「パリエット」として日本で発売され、現在までに、世界100 カ国以上で承認されている。
近年、食生活の乱れやストレス、ピロリ菌感染率の低下などに伴い、胃酸の分泌量が増加している人の割合が増加傾向にある。さらに、加齢に伴う下部食道括約筋の筋力低下により、胃酸の逆流に悩む人が増加している。
同社は、「OTC胃薬市場における新たな選択肢として『パリエットS』をお届けし、つらい胸やけや胃酸による不快な症状を改善することで、快適で安心な毎日を願う生活者の皆様を強力にサポートしてまいります」としている。
■「パリエット S」の詳細
https://www.eisai.jp/products/pariet/pariets
■製品概要
1.製品名:「パリエットS」(スイッチ OTC、要指導医薬品)
2.成分・分量:1 日量1錠中 ラベプラゾールナトリウム…10mg
3.添加物:酸化 Mg、タルク、ヒドロキシプロピルセルロース、D-マンニトール、エチルセルロース、カルナウバロウ、カルメロース Ca、グリセリン脂肪酸エステル、酸化チタン、三二酸化鉄、ステアリン酸 Mg、ヒプロメロースフタル酸エステル
4.効能・効果:胃痛、胸やけ、もたれ(本剤は胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬を含んでいます)
5.用法・用量:成人(15 歳以上)1回1錠を1日1回服用する。2 週間を超えて続けて服用しないこと。
6.包装、希望小売価格(税抜):包装単位 6 錠、価格:1,480 円
7.製造販売元:エーザイ株式会社
編集部コメント
PPIについては、昨年12月20日の厚生労働省薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」で承認「可」とされていたもの。
同じPPIであるそのほかの2成分も申請されていた。オメプラールS及びサトプラールと、タケプロンsだ。
オメプラールS及びサトプラールについては、佐藤製薬が申請。有効成分はオメプラゾール。
タケプロンsについてはアリナミン製薬が申請。有効成分はランソプラゾール。「タケプロンOD錠15」を要指導薬・一般用薬に転用するもの。
PPI3成分については、「むかつき」という効能効果に対して、「医療の背景がない方に“嘔吐・気持ち悪さにつながる状態を一般的には表現される”ということが理解されることであるかは疑問が残る」といった指摘などが出ており、変更の必要性があるかについて事務局やPMDAで調整していた。
また審議会の議論では「企業のPMSに任せるだけではなくて別途、厚労省で調査をするべきであり、その結果によっては処方箋医薬品に戻すことも含めて検討すべきだ」というような指摘もあった。チェックシートに基づく適正販売が販売店、薬剤師に求められるといえる。