【令和8年度診療報酬改定】本体+3.09%、令和8年度及び令和9年度の2年度平均として

【令和8年度診療報酬改定】本体+3.09%、令和8年度及び令和9年度の2年度平均として

【2025.12.24配信】12月24日の予算大臣折衝を踏まえて、令和8年度の診療報酬改定が決定した。令和8年度及び令和9年度の2年度平均として、本体を+3.09%とする。令和8年度+2.41%、令和9年度 +3.77%とする。


 改定内容は以下の通り。

 令和8年度診療報酬改定は、当初予算段階から所要の歳出歳入を可能な限り織り込む運営への質的転換を図る観点に立ち、令和7年度補正予算における「医療・介護等支援パッケージ」による措置に引き続き、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」(令和7年6月 13 日閣議決定)及び「「強い経済」を実現する総合経済対策」(令和7年 11月 21 日閣議決定)に基づき、施設類型ごとの費用構造や経営実態を踏まえて経営の改善や従事者の処遇改善につながる的確な対応を行う。あわせて、現役世代の保険料負担の抑制のため、後発医薬品への置換えの進展を踏まえた対応、適切な在宅医療の推進のための対応、調剤報酬の適正化、長期処方・リフィル処方の取組強化などを行う。
 具体的には、以下のとおりとし、その際、令和6年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急的な対応その他の特例的な措置を図ることとする。

1.診療報酬
+3.09%(令和8年度及び令和9年度の2年度平均。令和8年度
+2.41%(国費 2,348 億円程度(令和8年度予算額。以下同じ。))、令和9年度 +3.77%)
(注)令和8年6月施行

※1 うち、賃上げ分 +1.70%(令和8年度及び令和9年度の2年度平均。令和8年度 +1.23%、令和9年度 +2.18%)。
 医療現場での生産性向上の取組と併せ、令和8年度及び令和9年度において、それぞれ+3.2%分のベースアップ実現を支援するための措置(看護補助者及び事務職員についてはそれぞれ 5.7%)を講じ、施設類型ごとの職員の規模や構成に応じた配分となるよう措置する。
 賃上げ分+1.70%のうち+0.28%については、医療機関等の賃上げ余力が足元で乏しくなっている中で、今回の改定から、令和6年度診療報酬改定においてベースアップ評価料の対象とされた職種に加えて、入院基本料等で措置することとされた職種の賃上げについても、後述する賃上げの実効性確保の取組と併せて賃上げ分として措置することとすることも踏まえ、医療機関等における賃上げ余力の回復・確保を図りつつ幅広い医療関係職種での賃上げを確実にすべく、賃上げ対応拡充時の特例的な対応として措置することとし、今後の関係調査等において実績等を検証し、所要の対応を図る。


※2 うち、物価対応分 +0.76%(令和8年度及び令和9年度の2年度平均。令和8年度 +0.55%、令和9年度 +0.97%)。
 特に、令和8年度以降の物価上昇への対応としては、+0.62%(令和8年度 +0.41%、令和9年度 +0.82%)を充て、診療報酬に特別な項目を設定することにより対応することとし、それぞれの施設類型ごとの費用関係データに基づき、以下の配分とする。さらに、病院の中でも、その担う医療機能に応じた配分を行う。
病院 +0.49%
医科診療所 +0.10%
歯科診療所 +0.02%
保険薬局 +0.01%
 また、我が国経済が新たな「成長型経済」に移行する段階を迎え、賃金と物価がともに緩やかに上昇していくメカニズムが維持されるとの認識の下、今回の改定から本格的な物価対応を講じることとする中で、特に、高度機能医療を担う病院(大学病院を含む。)については、医療技術の高度化等の進展の影響を先行的に受けやすい一方で、汎用性が低く、価格競争原理の働きにくい医療機器等を調達する必要性から物価高の
影響を受けやすいこと等を踏まえ、+0.14%を物価対応本格導入時の特例的な対応として措置することとする。今後の関係調査において実績等を検証し、所要の対応を図る。


※3 うち、食費・光熱水費分 +0.09%。
 入院時の食費基準額の引上げ(40 円/食)(患者負担については、原則 40 円/食、低所得者については所得区分等に応じて 20 円~30 円/食)及び光熱水費基準額の引上げ(60 円/日)(患者負担については、原則 60 円/日、指定難病患者等については据え置き)の措置を講じることとする。


※4 うち、令和6年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分 +0.44%。
 配分に当たっては、令和7年度補正予算の効果を減じることのないよう、施設類型ごとのメリハリを維持することとする。
病院 +0.40%
医科診療所 +0.02%
歯科診療所 +0.01%
保険薬局 +0.01%


※5 うち、後発医薬品への置換えの進展を踏まえた処方や調剤に係る評価の適正化、実態を踏まえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、長期処方・リフィル処方の取組強化等による効率化 ▲0.15%


※6 うち、※1~5を除く改定分 +0.25%
各科改定率
医科 +0.28%
歯科 +0.31%
調剤 +0.08%


2.薬価等
薬価 ▲0.86%(国費▲1,052 億円程度)
材料価格 ▲0.01%(国費▲11 億円程度)
合計 ▲0.87%(国費▲1,063 億円程度)
(注)令和8年4月施行(ただし、材料価格は令和8年6月施行)


3.診療報酬制度関連事項
① 令和9年度における更なる調整及び令和 10 年度以降の経済・物価動向等への対応の検討
 実際の経済・物価の動向が令和8年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、上記2.(1)※1~※3(特例的な対応を除く。)について、令和9年度予算編成において加減算を含め更なる必要な調整を行う。そのために必要な足元の情報を正確に把握するため、令和8年度の医療機関の経営状況等について調査を実施する。なお、令和 10 年度以降の診療報酬改定における実際の経済・物価の動向や経営状況等を踏まえた対応(上記2.(1)※1~※3(特例的な対応を除く。))のあり方についても、あわせて検討を深めることとする。

② 賃上げの実効性確保のための対応
 今回の賃上げ措置は、幅広い医療関係職種において物価上昇を超える賃上げを実現するためのものであり、さらに、看護補助者と事務職員に対しては、他産業との人材獲得競争に直面していることも踏まえた上乗せ措置を講じるものである。こうした政策目的が確実に果たされるよう、令和6年度改定で入院基本料や初・再診料により賃上げ原資が配分された職種(40 歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者)についても、令和6年度改定でベースアップ評価料の対象とされた職種(看護職員、リハビリテーションを担う職員、病院薬剤師その他の医療関係職種(上記の入院基本料等で措置される職種を除く。))と同様に、実際に支給される給与(賞与を含む。)に係る賃上げ措置の実効性が確保される仕組みを構築する。これにより、賃上げ実績の迅速かつ詳細な把握を行うこととする。

③ 医師偏在対策のための対応
 改正医療法に基づき、外来医師過多区域において無床診療所の新規開業者が都道府県知事からの要請に従わない場合には、診療報酬上の減算措置を講じることで、医師偏在対策の実効性を高めることとする。加えて、医師多数区域での診療報酬上での更なるディスインセンティブ措置の在り方や、重点医師偏在対策支援区域における医師手当事業に関する診療報酬での財源確保の在り方については、令和 10 年度診療報酬改定において結論を得ることとする。

④ 更なる経営情報の見える化のための対応
 今回の診療報酬改定から、医療法人の経営情報のデータベース(MCDB)等の活用が可能となっており、データ分析をより精緻化させ、保険料や税を負担する国民が納得できるよう、さらにエビデンスに基づく改定が実施されていく必要がある。例えば、診療所の費用項目には「その他の医業費用」の占める割合が高いが、その実態は把握できず、また、職種別の給与・人数については法人によるデータ提出が任意となっている。
 令和 10 年度以降の診療報酬改定に向けては、「その他の医業費用」の内容も含め、医療機関の経営実態がより詳細に把握可能となるようなMCDB及び医療経済実態調査の報告様式の精緻化に向けた検討を行う。
 MCDBにおける職種別の給与・人数の報告の義務化を含め、報告のあり方や内容について検討し、令和8年中に必要な見直しについて結論を得る。
 さらに、医療法人以外の設置主体による経営情報との連携、データの分析・公表の在り方等について、必要な対応を検討する。

4.薬価制度関連事項
① 令和8年度薬価制度改革及び令和9年度の薬価改定の実施
 令和8年度薬価制度改革において、イノベーションの推進について、製薬企業の予見可能性を高める観点から、市場拡大再算定の類似品の薬価引下げ(いわゆる共連れ)を廃止し、薬価改定以外の機会も含め、自品の販売額による市場拡大再算定の対象とすることとするほか、要件の明確化を行う。また、医薬品の安定供給の確保の観点から、最低薬価について物価動向を踏まえた対応等を行う。さらに、上記2.(3)①を踏まえ、令和9年度の薬価改定を着実に実施する。その際の対象品目の範囲や適用される各種ルールの在り方については、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減といった要請についてバランス良く対応するとの基本的な考え方を踏まえて検討する。

② 費用対効果評価制度の更なる活用
 医療保険制度の運営の中で費用対効果評価を推進する観点から、費用対効果評価制度の更なる活用のため、令和8年中に、同制度の客観的な検証も踏まえ、既存の比較対照技術と比べて追加的な有用性がなく、単に費用増加となる医薬品に係る価格調整範囲の拡大を図る。引き続き、同制度における適切な評価手法の確立や実施体制の強化を進める中で、対象品目や価格調整の範囲の拡大、診療ガイドラインへの反映を含めた医療現場での普及など、同制度の発展に向けた更なる見直しについて具体的な検討を進め、令和9年度の薬価改定の中で一定の結論を出す。

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