コラム【厚労省の薬局大規模調査結果を読み解く】「処方箋1枚の所要時間13分」は処方箋40枚規定を裏付け/要指導薬のない薬局が4割/薬局薬剤師平均給与488万円

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【2021.06.07配信】厚生労働省は薬局や病院を対象に業務や勤務実態を調査した結果を公表した。「薬剤師の需給動向把握事業における調査結果概要」で、6月4日に開かれた「第9回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」で示したもの。公表された結果を紐解く。処方箋1枚の所要時間は12分41秒で、処方箋40枚規定を裏付けるものとなっているが、一方で内訳も示されており、それぞれの業務の機械化・効率化によっては40枚以上の処方箋を応需できるという議論が起こる可能性もゼロではない。


薬局では常勤薬剤師の人数が2人以下が6割超。「1人」も32.9%/地域連携の重要性浮き彫りに

 薬剤師の働き方に関する調査は、施設調査と薬剤師等調査に分かれる。
 施設調査は5564薬局に配布、1472薬局から回収、回収率26.4%。
 薬剤師等調査は3万460に配布、回収は5178。

 その結果、薬局での常勤薬剤師の人数では、「1人」が32.9%、「2人」が29.2%で、「2人以下」が62.4%と6割を超える結果となった。
 非常勤薬剤師の人数も最多が「1人」で25.1%。次いで「0人」が19.8%だった。

 小規模薬局の比率が高い状況だ。
 この状況と薬局のあり方については、地域連携の必要性がより強調されていくことになりそうだ。
 養成検討会の取りまとめ案でも、「薬局は小規模で薬剤師が少人数の施設が多いが、今後の業務の充実を考えた場合に、単独で全て対応するのは限界がある。単独ではなく地域の薬局での連携も含め薬剤師の業務を考えていく必要がある」と記載している。

調剤業務の機械化・効率化で「処方箋40枚以上可能」との議論もあり得る

 薬局業務のタイムスタディに関しては6薬局で調査した。コロナの関係で訪問箇所が限られたこともあり、平成27年度の内容も併せて解析した。

 その結果、処方箋1枚の平均所要時間は12分41秒だった。

 薬局の開局時間を8時間として、処方箋1枚の所要時間を12分として計算すると、1日に処理できる処方箋枚数は「40枚」という答えが出る。

 これをどう考えるか。
 今回の結果も、これまでの「処方箋40枚規定」の背景を裏付けたものという見方もできるだろう。
 一方で、受け付けや薬袋準備1分、計数調剤2分33秒など内訳が記載されているものとなっており、これらの業務が何らかの機械化・IT化で効率化できるとすれば、「40枚以上の処方箋が応需できるのではないか」との議論が起こる可能性も否定できない。

「OTC薬のない薬局」1割。「要指導薬のない薬局」4割

 OTC医薬品の取扱状況も公表された。

 一般用医薬品の取り扱いが50品目未満の薬局は50.6%で、一般用医薬品の取扱がない薬局も10%あった。
 
 要指導医薬品の取扱が10品目未満の薬局が67.0%で、要指導医薬品の取扱がない薬局も40.0%あった。

 検討会の取りまとめ案では、調剤以外の業務への取り組みの重要性を指摘しており、「特に薬局は、要指導医薬品・一般用医薬品の提供も前提に、処方箋に依存しない業務に取り組むべきではないか」としていた。
 要指導・一般用医薬品の取り扱いの現状は、こうした方向性に合致しておらず、何らかの政策が投じられる可能性もあるのではないか。

平均給与は病院薬剤師が高いが、最大ボリュームゾーンは薬局薬剤師の給与が高い

 薬局薬剤師の年収は「500~600万円未満」が最も多く、平均は488万円。

 病院薬剤師の年収は、「400~500万円未満」が最も多く、平均は512万円。

 平均は病院の方が高いが、最大ボリュームゾーンは薬局の方が高い。
 薬局は非常勤の割合が病院よりも高いことが影響していそうだ。

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 コロナ禍の受診抑制で経営的に大きなダメージを受けた薬局は少なくない。薬局経営者の中では「これからの薬局経営は調剤に偏重していては立ちいかなくなる」との思いが強くなっている。しかし、具体的に健康サポート機能を強化しようにも、新製品や話題の製品動向の情報収集、また“モノ”そのものの調達も簡単ではない――。そんな課題を抱える地域密着薬局から注目を集め始めているサービスが、マツモトキヨシホールディングス(以下マツモトキヨシHD)が手掛ける「調剤サポートプログラム」だ。同プログラムの有効性はいかほどなのか。業界紙記者が探る。

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