【経団連】オンライン服薬指導の要件緩和要望/「処方箋電送でも調剤を可能に」

【経団連】オンライン服薬指導の要件緩和要望/「処方箋電送でも調剤を可能に」

【2023.09.13配信】日本経済団体連合会(経団連)は9月12日、提言書「2023年度規制改革要望ー日本経済にダイナミズムを取り戻すー」をまとめ、公表した。この中で「オンライン服薬指導の要件緩和」を要望。電送された処方内容に基づいて行う薬剤の調製等も、薬剤師による訪問確認を前提とせず、「オンライン服薬指導後、薬剤師以外の従業員や配送員が患家を訪問し、処方箋を受領・内容を確認することにより、薬剤師本人による当該処方箋原本の受領・確認なしでも、遡って当該処方箋による薬局での調剤とみなす」こととすべきであるとしている。


 該当の要望箇所は以下の通り。

No. 49. オンライン服薬指導の要件緩和

<要望内容・要望理由>
 患者がオンライン服薬指導を希望する場合、医療機関は、患者に処方箋原本を渡さずに、患者希望に沿った調剤薬局に対して処方情報の送付や処方箋原本を郵送する必要がある。しかし、患者の希望に沿って薬局が選定されるため、医療機関によっては、時間的・人的コスト増により、その管理ができず、患者要望に沿うことができないケースが発生している。
 一方、患者希望に沿った調剤薬局へ医療機関経由で処方箋原本を送付する以外で、仮に患者が処方箋を受領した後にオンライン服薬指導を実施するためには、患者が処方箋原本を薬局に持参あるいは事前に郵送する必要があるため、オンライン服薬指導のメリットを十分生かすことができない。令和5年1月26日より運用が開始された電子処方箋を活用することで、本課題は解消され得るが、その普及率は依然として低い水準にあるため、患者希望に沿ったオンライン服薬指導を促進するためには、電子処方箋の普及過渡期において、それを補完する対応が必要である。
 また、処方箋原本を薬局が回収する手法についても課題が残る。来局困難な患者や遠隔診療の場合においては、薬剤師が患者宅を訪問して処方箋原本を受領し、内容を確認することにより、遡って当該処方箋による薬局での調剤とみなされる。このとき、調剤される薬剤が前回と同一であるために薬剤師が対面により情報提供を行う必要がないと判断し、「ファクシミリを利用した処方せん受入体制と患家での薬剤の受渡しについて」に規定された患者健康状態等を含めた特定条件を全て満たした場合には、電送された処方内容に基づいて行う薬剤の調製等は、(薬剤師以外の)配達を行った従業者が回収した処方箋原本を当該薬剤師が受領して内容を確認することにより、遡って当該処方箋による薬局での調剤とみなされる。つまり、いずれの場合においても薬剤師による処方箋原本の確認が求められている状況である。
 一方で、現在では、情報通信技術等の進展により遠隔でも処方箋が電送されたものと同一であることは確認可能であり、処方箋原本が改ざんされたものでないことを確認することは可能である。

 そこで、患者あるいはその介護者から処方箋情報を電送したときも、オンライン服薬指導を経て調剤薬の販売・交付ができるようにすべきである。また、上述の特定条件を満たした場合において、電送された処方内容に基づいて行う薬剤の調製等も、薬剤師による訪問確認を前提とせず、「オンライン服薬指導後、薬剤師以外の従業員や配送員が患家を訪問し、処方箋を受領・内容を確認することにより、薬剤師本人による当該処方箋原本の受領・確認なしでも、遡って当該処方箋による薬局での調剤とみなす」こととすべきである。

 これにより、医療機関の負担軽減や患者要望に沿ったオンライン服薬指導をより多く実施することに繋がる。

<根拠法令等>
「オンライン服薬指導における処方箋の取扱いについて」の改定について(令和4年3月31日付事務連絡 令和4年9月30日最終改正 厚生労働省医薬・生活衛生局総務課・厚生労働省医政局医事課 通知)
ファクシミリを利用した処方せん受入体制と患家での薬剤の受渡しについて(平成10年12月25日付 医薬企第90号 各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省医薬安全局企画課長通知)

この記事のライター

関連する投稿


【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。


【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【PHRを含めた地域連携システム】東邦大学医療センター佐倉病院に導入/東和薬品とTIS

【2025.02.19配信】東和薬品とTISは2月18日、両社共同でシステム「ヘルスケアパスポート」を邦大学医療センター佐倉病院に導入したと公表した。同システムはTISが提供しているもので、PHRを含む地域医療連携システムであり、同社は「外来がん化学療法の副作用症状の報告負担を軽減することで薬局・病院の薬剤師によるタイムリーな連携と患者さんに寄り添ったケアの実現」に資するものとしている。


【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【2025.01.20配信】厚生労働省は1月23日から、電子処方箋の院内処方登録機能のプレ運用を開始する。


【電子処方箋推進会議】導入予定の公立病院名を公表/面的広がりに期待

【電子処方箋推進会議】導入予定の公立病院名を公表/面的広がりに期待

【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。


【電子処方箋推進会議】日薬「薬局では従来以上の業務負荷」/診療報酬の検討も要望

【電子処方箋推進会議】日薬「薬局では従来以上の業務負荷」/診療報酬の検討も要望

【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。


最新の投稿


【東京都薬剤師会】「実務実習におけるハラスメント防止のためのチェックリスト」作成

【2026.06.05配信】東京都薬剤師会(都薬)は6月5日に定例会見を開いた。その中で「実務実習におけるハラスメント防止のためのチェックリスト」を作成したことを説明。活用してほしいと促した。


【内閣府_地方分権改革】へき地等でのモバイルファーマシーの活用を提案/福井県、三重県

【内閣府_地方分権改革】へき地等でのモバイルファーマシーの活用を提案/福井県、三重県

【2026.06.04配信】内閣府地方分権改革推進室は6月3日、令和8年2月2日から令和8年4月21日までの間に応募があった地方分権改革に関する提案を公表した。福井県、三重県からはへき地等でのモバイルファーマシーの活用が提案された。


【大木ヘルスケアHD】“門前薬局減算”に備える売り場充足を提案

【大木ヘルスケアHD】“門前薬局減算”に備える売り場充足を提案

【2026.06.04配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス(代表取締役社長:松井秀正氏)は6月4日、6月16・17日に開催を予定している「2026秋冬カテゴリー提案商談会」の事前説明会を開催した。今回の調剤報酬改定で新設された「門前薬局等立地依存減算」(調剤基本料の15点マイナス)を取り上げ、減算に備える売り場充足を提案するとした。


【厚労省】コルヒチン製剤の用法及び用量を一部変更

【厚労省】コルヒチン製剤の用法及び用量を一部変更

【2026.06.03配信】厚生労働省は6月2日、コルヒチン製剤の医薬品医療機器法上の用法及び用量の一部変更について通知を発出した。「用法及び用量」について、「〈痛風発作の緩解〉通常、成人にはコルヒチンとして 1 回 0.5~1.0mg を 1 日 1 回又は 2 回経口投与する。ただし、1 日の総投与量は 1.5mg を超えないこと」とした。


【調剤報酬通知訂正】在総加算2イ100点を施設でも一部算定可能に/要介護3以上の状態など

【調剤報酬通知訂正】在総加算2イ100点を施設でも一部算定可能に/要介護3以上の状態など

【2026.05.29配信】厚生労働省は5月29日、「令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について」を発出した。調剤報酬では、個人宅の在宅訪問時を想定して新設した「在宅薬学総合体制加算2」イ100点について、要介護3以上の状態の患者などの要件を満たせば施設患者であっても算定可とした。令和8年度調剤報酬改定では「在宅薬学総合体制加算1」を30点に増点するとともに、「在宅薬学総合体制加算2」について、 単一建物診療患者が1人又は単一建物居住者が1人の場合「イ」を新設し、 100点とした。またイ以外の場合で50点を設けていた。


ランキング


>>総合人気ランキング