4月に部局横断的な担当室を厚労省に設置
会議は非公開だが、会議後に事務局が記者ブリーフィングを行った。
大まかな流れは昨年閣議決定されている「一般用医薬品(スイッチOTC)選択肢の拡大について」の項目について、進捗を確認する内容だった。
例えば、「厚労省内に部局横断的な体制構築を検討する」に関して、厚労省は「4月にセルフメディケーションの促進策を部局横断的に検討する担当室を設置予定」と回答した。厚労省は2月3日に「セルフメディケーション推進に関する有識者会議」を立ち上げたことを報告。現在、セルフメディケーション税制の対象範囲を検討していることや4月以降には税制以外の施策も検討する予定であると説明した。
また、「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」の見直しに関しては、中間とりまとめの内容を報告。同会議は「意見として提示することとし、可否の決定は行わないこと」や「評価会議に要望を提出することなく製造販売承認申請を行うことが可能であることを明確化した」ことなどを説明した。
「一般用検査薬の転用の促進」に関しては、薬食審医療機器・体外診断用医薬品部会で検討を開始したことを報告した。
河野大臣「実績を出してください」
こうした厚労省の報告に対し、規制改革会議の委員からは、KPIの検討がいまだ進んでいないことに不満が出たようだ。
「評価検討会議でスイッチを促進していただくことを期待しているわけではなく、そもそもKPIに沿ったロードアップを定め、そのロードマップに応じた個々の対応をするという建てつけになっている」として、委員からは「KPIの設定をしっかり進めてください」という意見が出たようだ。
国会の関係で短時間の出席となった河野太郎行革大臣もスイッチOTC促進に関連し、「今の体制では実績が上がっていないので体制を整えて、しっかり実績を出してください」と要請したという。
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規制改革推進会議の委員が「KPI」や「実績」について言及したように、厚労省の説明では「実績につながるのか」が見えにくい。
評価検討会議が意見の場となっても、薬食審の場でスイッチOTCがしっかり促進されなければ、何の意味もないだろう。部署横断的な体制で、環境を整備したとしても然りだ。
「KPIに基づくロードマップがあって、その下に個別の対策があるべき」という規制改革推進会議委員の意見も、その通りだろう。
重要なのはKPIを定めることと、どのようなKPIを定めるかだ。
ジェネリック医薬品で数値目標を定めたことが引き合いに出されることは多く、同日の会議でも、そのことに触れられる場面があったという。
数値目標ありきではなく、これから適切な指標が検討されるというが、実効性ある指標を期待したい。
KPIの議論については、新設された「セルフメディケーション推進に関する有識者会議」の場が検討されているという。
同有識者会議の役割は極めて大きなものになりそうだ。