【規制改革会議】一般用医薬品販売の「2分の1ルール」今年度中に結論

【規制改革会議】一般用医薬品販売の「2分の1ルール」今年度中に結論

【2020.12.23配信】政府の規制改革推進会議は12月21日に「第48回国家戦略特別区域諮問会議 第2回 規制改革推進会議 議長・座長会合」を開き、「当面の規制改革の実施事項」をまとめた。その中で一般用医薬品販売に求められている「2分の1ルール」(医薬品の販売時間を営業時間の2分の1以上にすることを求める規定)見直しに関し令和2年度中に結論を出し、「結論を得次第速やかに措置」とした。また、情報通信機器の活用に関して、店舗販売業の管理体制・情報提供のあり方を令和2年度中に検討開始、早期に結論とした。


 一般用医薬品の販売ルール見直しについては、当メディアで既報の通り、コンビニエンスストア業界の日本フランチャイズチェーン協会が10月21日、規制改革推進会議医療・介護ワーキング・グループに対して、長時間営業のコンビニエンスストアでも一般用医薬品が販売しやすい規制緩和を求めたことに端を発している。

 要望内容は2つだった。
 
 1つが、営業時間内の2分の1という比率で医薬品販売の時間を定める規制を緩和し、例えば6時間以上といったように、営業時間に関わらず販売時間を一定とすることで、営業時間の長い形態の店舗でも販売を可能にする「24時間営業店舗での柔軟な販売の実現」だ。
 これが今回の実施事項の「2分の1ルール」緩和に当たる。

 実施事項では、「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(昭和39 年厚生省令第3号)における一般用医薬品の販売時間規制(一般用医薬品の販売時間が当該店舗の開店時間の一週間の総和の2分の1以上)を廃止する」と記載された。

 「2分の1ルール」の緩和については、「令和2年度結論、結論を得次第速やかに措置」とされたため、来年、令和3年4月にも実施される可能性がある。

 もう1つのコンビニ業界の要望が、遠隔システムを活用し、受付センターにいる資格保有者とコミュニケーションを取った上で、一般用医薬品の販売を行い、在庫のある最寄り店舗で同一商品の受け取りを可能にするなどの「資格保有者による遠隔管理販売」。
 こちらが実施事項の「店舗販売業の管理体制・情報提供のあり方の見直し」に当たる。

 実施事項では、「一般用医薬品の販売に関して、情報通信機器を活用した店舗販売業における一般用医薬品の管理及び販売・情報提供について、薬剤師又は登録販売者が一般用医薬品の区分に応じて実施すべき事項や、店舗販売業者の責任において販売することなどを前提に、薬剤師又は登録販売者による情報通信機器を活用した管理体制・情報提供のあり方について検討した上で、必要な措置をとる」と記載された。
 表現がまどろこしいが、要は医薬品の実地「管理」と本部センターのような遠隔の「情報提供」の責任体制が分離することをどう考えるか、ということだ。

 現在はネット販売であっても、管理と情報提供は一体的に運用されており、分離を認めていない。
この点に関して、規制緩和の影響を大きく受ける可能性のある日本チェーンドラッグストア協会は問題があるとして、厚生労働副大臣の山本博司氏に文書を提出するなど、ロビー活動を活発化している。

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 今後の見通しを予測したい。
 まず、「2分の1ルール」廃止に関しては、来年4月に実施されるであろう。
 厚生労働省も見直しを明言しており、日本チェーンドラッグストア業界内でも「唯一譲れるところ」との声がある。
 
 なぜなら、この緩和は、あくまで専門家が店舗にいなければ医薬品の販売ができないことには何の変りもなく、生活者が24時間中に例えば6時間しか医薬品の販売をしていない店舗に「医薬品が買えるところ」というイメージを抱くかどうか、すなわちコンビニ業界が一般用医薬品の主力の販売先になるのかは疑問視されるからだ。

 一方で、ドラッグストア業界が譲れないのは、「管理と情報提供の分離」である。
 
 ここは、「2分の1ルール」よりも上段に位置する「専門家の常駐」を揺るがす部分となる。これが緩和されれば、場合によっては専門家が店舗にはいないのに、本部センターにいる専門家とのテレビ電話相談によって医薬品の販売が可能になるようなビジネスモデルを許すことになる。低コストで長時間の医薬品販売が可能となり、ドラッグストア業界とコンビニ業界の構図を大きく変える可能性をはらんでいる。ドラッグストア業界が絶対に譲れない部分だ。ただ、制度的にも薬機法改正が必要であり、検討会の立ち上げや法改正が必要となる部分だ。規制の見直しは簡単ではないだろう。
 
 日本医薬品登録販売者協会も、登録販売者の雇用を大きく揺るがすとして反対を表明し、厚生労働省に要望書を提出している。

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 一般用医薬品の販売は、単なる販売ではなく、購入者の生活背景や家族関係、健康上の問題点を知る貴重な契機の一つだ。労働力不足で医療のリソースが限られる中、“取りこぼしのない”地域完結型の医療を推進するには、その一体的な活動として地域の薬局や店舗販売業が一般用医薬品の販売を行うことが望ましいのではないだろうか。国が進める地域包括ケアシステムの中で一般用医薬品は重要な位置づけにあることを見失わないでほしい。

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