【規制改革推進会議】規制緩和求めた「住田町」 / “町唯一の”薬局「夜間休日対応、連携で可能」

【規制改革推進会議】規制緩和求めた「住田町」 / “町唯一の”薬局「夜間休日対応、連携で可能」

【2024.05.08配信】4月26日に開かれた内閣府の規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG) では、「在宅医療における円滑な薬物治療の提供について」が議題の1つとなり、岩手県気仙郡住田町の町長から訪問看護ステーションへの薬剤ストックの提案がされた。同町で唯一である薬局が本紙取材に応えた。


 4月26日では、岩手県気仙郡住田町の神田謙一町長が登場。人材の少なさを理由に、タスクシフトを進めないと地域の医療提供が継続できないとし、訪問看護ステーション(訪看ST)への薬剤ストックを求めた。輸液が処方されたが、薬局の営業時間が終わっていたために翌朝まで待つしかなかったという具体的な事例も添えられていた。要望内容はWGで繰り返されてきたものだが、問題は、この町には薬局が1軒しかないこと。薬局が特定された状態で、薬局における夜間・休日対応が困難であると指摘された格好だ。

 その薬局とは、総合メディカルが運営する「そうごう薬局住田店」で、地域支援体制加算2を算定している。事実なら、同加算算定薬局では少なくとも夜間・休日対応はできるという厚労省の説明も崩れることになる。

 しかし、同社関係者によると、「少なくともここ1〜2年の間に夜間・休日対応の依頼があったことはない」というのだ。依頼がないので、断ったという事実もない。「WGでの発表を受けて、前任の薬局長にまで遡って確認したが、対応を依頼されたという事実は確認できなかった」(同社)という。実際は同店では夜間・休日のオンコール実績がある。

 町長からこのような報告があったことに対しては、「さまざまな意見があると思うので、考え方は否定するものではない」とした上で、「当社としても周知不足という反省点はある。今後、お声をかけていただき、協力していけるようにしたい」(同)とする。現在も参加している「在宅医療連絡会議」等において情報提供していきたいとする。当該薬局に事前にすり合わせがなく発表があったのは残念な事例となった。

 一方、課題も指摘できる。例えば同店関係者に「住田町にがんで在宅療養している方はいるのか?」と聞くと、「自局の患者以外を把握するのは簡単ではない。前掲の連絡会議等などで情報共有する仕組みが必要」という回答。地域の医療ニーズの共有は課題となろう。厚労省の「薬局機能検討会」においても、日薬は、普段からの訪看と薬局の連携を促す政策が必要と訴えている。処方箋や在宅医療という接点に限らず、医療のニーズをともに共有し、薬局の対応を検討できる素地がこれからは必要になってくるだろう。

 思わぬ形で取り上げられることになった同社に、「今後、どのような解決策があると思うか」と問うと、夜間・休日対応や無菌製剤についても隣町にある同社薬局と連携してローテーションを組んでおり、これらの周知も必要との見方を示す。「訪看STに薬剤を置けば解決、という単純なことではなく、その前に連携によりできることはあるのではないか」と話した。今回の発表を受け、さっそく町長や訪看に面会し、引き続き連携を図りたいとする。調剤報酬改定で在宅対応薬局への評価が見直されるなどの政策も進んでいることから、対応を拡充したい考えだ。

この記事のライター

関連する投稿


【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【2025.05.01配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ(第5回)」が5月1日、開催された。その中で令和7年3月14日に開催された「第2回健康・医療・介護 WG」に関する委員・専門委員からの追加質疑・意見に対する厚生労働省の回答を公表した。


【厚労省_薬局検討会】「議論のとりまとめ」公表/在宅医療における薬剤提供で

【厚労省_薬局検討会】「議論のとりまとめ」公表/在宅医療における薬剤提供で

【2025.03.31配信】厚生労働省の「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」は3月31日、「これまでの議論のまとめ」 を公表した。「在宅医療における薬剤提供のあり方について」に関するものとなっている。 同検討会は2024年9月にも「地域における薬局・薬剤師のあり方に関するテーマで議論のとりまとめを公表している。今回は、同検討会でのとりまとめ第2弾となり、「在宅医療における薬剤提供のあり方について」に関するものとなっている。


【地域における医薬品提供】岩手県薬剤師会の視点/畑澤博巳会長に聞く「“リスト化”は次のステップへの基盤づくり」

【地域における医薬品提供】岩手県薬剤師会の視点/畑澤博巳会長に聞く「“リスト化”は次のステップへの基盤づくり」

【2025.03.24配信】在宅領域など、地域への医薬品提供に課題があるのではないかとの指摘が社会から挙がっている。こうした中、地域薬剤師会や都道府県薬剤師会では地域ごとの薬局の体制について「リスト化」し地域に向けて公表している。進行する取り組みに各地の薬剤師会はどのように考えているのか。岩手県薬剤師会会長の畑澤博巳氏に聞いた。


【規制改革推進会議WG】訪看ステーションへの薬剤配置、輸液以外も再検討を/日本訪問看護財団

【規制改革推進会議WG】訪看ステーションへの薬剤配置、輸液以外も再検討を/日本訪問看護財団

【2025.03.14配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」が3月14日に開かれた。


【厚労省_中医協】訪問看護への「指導要領」改定/不適切な請求事案受け

【厚労省_中医協】訪問看護への「指導要領」改定/不適切な請求事案受け

【2025.03.12配信】厚生労働省は3月12日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、訪問看護ステーションの指導要領の改定を了承した。昨今の不適切な請求事案の報道を受けた対応。


最新の投稿


【広島市安佐地区】市民病院参画し地域フォーミュラリ作成

【2026.06.26配信】広島市安佐地区で地域フォーミュラリ作成が始動した。院内フォーミュラリを基に三師会が協力、地域で作成していくのが特徴。6月25日には安佐医師会館にて、周知の目的も兼ねた「安佐地区地域フォーミュラリ講演会」を開催。登壇者からは広島市で始動する意義などが指摘された。診療報酬改定や国の意向も影響し、動きが活発化している。


【薬剤師のキャリア形成プログラム】懇談会新設へ、日病薬も参加・協力

【薬剤師のキャリア形成プログラム】懇談会新設へ、日病薬も参加・協力

【2026.06.24配信】薬剤師のキャリア形成プログラムを検討する懇談会が新設される見込みだ。厚労省幹部が講演の中で明らかにしていたほか、日本病院薬剤師会(日病薬)も参加、協力したい意向を示した。来月、7月にも第1回の場が設けられる見込み。


【中医協】日本薬剤師会森昌平副会長が委員退任挨拶

【中医協】日本薬剤師会森昌平副会長が委員退任挨拶

【2026.06.24配信】厚生労働省は6月24、中央社会保険医療協議会(中医協)を開いた。この中で、同日付けで委員を退任する日本薬剤師会副会長の森昌平氏が退任に際し挨拶をした。


【厚労省】高齢者施設の配薬カート、薬局負担は療担規則違反に

【厚労省】高齢者施設の配薬カート、薬局負担は療担規則違反に

【2026.06.23配信】厚生労働省は6月23日、 事務連絡「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第2条の3の2第2項に規定する経済上の利益の提供による誘引の禁止について」を発出した。


【厚労省】調剤ポイント“二重付与”で「1%超」は指導対象/療担規則で事務連絡

【厚労省】調剤ポイント“二重付与”で「1%超」は指導対象/療担規則で事務連絡

【2026.06.24配信】厚生労働省は6月23日、事務連絡「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第2条の3の2第1項に規定する経済上の利益の提供による誘引の禁止について」を発出。調剤ポイントに関して、クレジットカードに加えて独自ポイントなどを二重で付与することによりポイントが「1%」を超える場合は指導対象であることを明確化した。処方箋受付サイトにおける「アンケート回答」名目などでも患者への金銭払い戻しも“誘導”にあたるとした。


ランキング


>>総合人気ランキング