【規制改革推進会議WG】訪看ステーションへの薬剤配置、輸液以外も再検討を/日本訪問看護財団

【規制改革推進会議WG】訪看ステーションへの薬剤配置、輸液以外も再検討を/日本訪問看護財団

【2025.03.14配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」が3月14日に開かれた。


 日本訪問看護財団がプレゼンした。

 同財団は、厚労省「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」において、訪問看護ステーションの配置薬剤の拡充が地域の実情に応じた選択肢となるという結論が示されたことに対しては、「現場にとって朗報」と評価。
 一方で、輸液と同様に実態調査において現場にニーズがあるとされていた解熱鎮痛剤、軟膏(非ステロイド系消炎外用薬)、下剤、感冒薬が対象医薬品とならなかったことについては再度、検討が必要だとした。
 一定期間、制度を運用した後の評価及び対象医薬品等の見直しを求めた。

 さらに、訪問看護ステーションが新たに配置を認められた薬剤を適切に活用できるよう、実施する際の論点及び現場運用の案を提示。
 実施に当たって必要とされている都道府県や地域の関係団体等への報告及び実施状況の共有の方法並びに報告・共有が必要な事項として、 以下の明示が必要ではないかとした。
 本制度は在宅療養中の患者の急な状態の変化時(在宅療養を継続する程度の状態の変化に限る)において、臨時的に対応するための方策であるため、患者の状態に応じて、医師の指示の下で、看護師が迅速に対応できる運用とすることが求められる。その上で、
・患者、医師、薬剤師、訪問看護師の合意があれば足るとする理解でよいのか?
・訪問看護ステーションから、二次医療圏単位の行政機関(保健所)への事前共有・実績の報告を求めるのか?
・上記、報告・連絡・相談の流れや必要な事項(様式等)を明確化すべきではないか?
ーーなどを挙げた。

 加えて、当該薬剤の入手方法(輸液投与に必要な針や点滴ライン、固定用テープ等を含む)や保管・管理方法、留意事項、医療保険上の対応の明示も必要との考え。

 さらに、円滑な運用及び効果的な対応としていくためには、訪問看護ステーションが必要時に、卸売販売業者から必要な薬剤を円滑に入手できるよう、卸売販売業者への周知や、必要時に薬剤が在宅療養をする患者の症状緩和に使用できるよう、医師、看護師、薬剤師等の在宅医療に従事する職種への周知も必要だとした。

この記事のライター

関連する投稿


【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【2025.05.01配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ(第5回)」が5月1日、開催された。その中で令和7年3月14日に開催された「第2回健康・医療・介護 WG」に関する委員・専門委員からの追加質疑・意見に対する厚生労働省の回答を公表した。


【厚労省_薬局検討会】「議論のとりまとめ」公表/在宅医療における薬剤提供で

【厚労省_薬局検討会】「議論のとりまとめ」公表/在宅医療における薬剤提供で

【2025.03.31配信】厚生労働省の「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」は3月31日、「これまでの議論のまとめ」 を公表した。「在宅医療における薬剤提供のあり方について」に関するものとなっている。 同検討会は2024年9月にも「地域における薬局・薬剤師のあり方に関するテーマで議論のとりまとめを公表している。今回は、同検討会でのとりまとめ第2弾となり、「在宅医療における薬剤提供のあり方について」に関するものとなっている。


【地域における医薬品提供】岩手県薬剤師会の視点/畑澤博巳会長に聞く「“リスト化”は次のステップへの基盤づくり」

【地域における医薬品提供】岩手県薬剤師会の視点/畑澤博巳会長に聞く「“リスト化”は次のステップへの基盤づくり」

【2025.03.24配信】在宅領域など、地域への医薬品提供に課題があるのではないかとの指摘が社会から挙がっている。こうした中、地域薬剤師会や都道府県薬剤師会では地域ごとの薬局の体制について「リスト化」し地域に向けて公表している。進行する取り組みに各地の薬剤師会はどのように考えているのか。岩手県薬剤師会会長の畑澤博巳氏に聞いた。


【厚労省_中医協】訪問看護への「指導要領」改定/不適切な請求事案受け

【厚労省_中医協】訪問看護への「指導要領」改定/不適切な請求事案受け

【2025.03.12配信】厚生労働省は3月12日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、訪問看護ステーションの指導要領の改定を了承した。昨今の不適切な請求事案の報道を受けた対応。


【規制改革推進会議WG】提案「調剤前に薬局で登録医師の確認が必要な医薬品の確認方法の統一」

【規制改革推進会議WG】提案「調剤前に薬局で登録医師の確認が必要な医薬品の確認方法の統一」

【2025.03.06配信】3月6日に規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」が開催された。その中で、規制改革ホットラインの提案事項、およびそれに対する令和6年10月18日から令和6年12月16日までの関係省庁の回答、加えてWGとしての処理方針が報告された。


最新の投稿


【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ

【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ

【2025.07.02配信】奈良県議会は7月2日、奈良県議会本会議において「薬価制度の抜本的改正を求める意見書」を会派全会一致で採決した。


【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。


【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【2025.06.29配信】日本薬剤師会は6月28・29日に第106回定時総会を開き、その中で岩月進氏が会長演述を行った。


【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【2025.06.26配信】株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋氏)の連結子会社である医療AIカンパニー、株式会社MG-DX(本社:東京都渋谷区、代表取締役:堂前紀郎、以下「当社」)は、薬局特化型の接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」において、OTC医薬品の遠隔販売に特化した新たなシナリオを構築したと公表した。


【薬学生】薬局就職者、奨学金利用率は平均上回る39.7%/日病薬

【薬学生】薬局就職者、奨学金利用率は平均上回る39.7%/日病薬

【2025.06.25配信】日本病院薬剤師会は6月25日に定例会見を開き、薬学生の4・5・6年生を対象した調査を行った。その結果、奨学金を利用している学生は33.8%。就職活動終了者921人のうち奨学金の活用者は320人(34.7%)だった。うち、保険薬局への就職者では奨学金の利用率は39.7%で平均を上回っていた。