【規制改革】薬局の処方箋40枚規定、「再検討」を厚労省に要望

【規制改革】薬局の処方箋40枚規定、「再検討」を厚労省に要望

【2024.09.30配信】内閣府規制改革推進会議「第1回 健康・医療・介護ワーキング・グループ」が9月30日に開かれた。この中で、規制改革ホットライン処理方針 (令和6年3月16日から令和6年7月19日までの回答)が報告され、「薬局に係る40枚規制」について 厚労省に再検討を要請するとした。厚労省サイドは「検討を予定」と回答しつつも、「慎重に検討する必要がある」としている。


 「薬局に係る40枚規制」については、民間企業から、「40枚規制(「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令」の第一条第一項第二号関係)を撤廃していただきたい」との要望が出ていた。提案理由としては、「薬剤師業務に係る技術は日々発展し、また、薬剤師の働き方改革も進む中、40枚規制によって調剤の質を担保するという考え方は合理的ではない状況であるため、40枚規制を撤廃いただきたい。40枚規制のような古色蒼然とした規制ではなく、デジタル技術の活用やタスクシェア等により薬剤師業務の効率化及び質向上を目指す改革を推進することが必要であると考える」というもの。

 これに対し所管省庁である厚生労働省は、制度の現状として、「薬局において調剤に従事する薬剤師の員数については、薬局における薬剤師の業務の実態を踏まえ、また、患者等との対話、薬歴管理、服薬指導、疑義照会などの薬剤師としての業務量を織り込んで、最低基準を定めています」と説明。
 「対応の分類」としては、「検討を予定」と回答。
 厚労省は、薬局における調剤に従事する薬剤師の員数について、令和4年7月の「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループのとりまとめ」を引用。とりまとめでは、「現状の診療報酬の体系が処方箋受付時の評価が中心であることを踏まえれば、単純に40枚規制を撤廃又は緩和すると、処方箋の応需枚数を増やすために、処方箋受付時の対人業務(服薬指導等)が軽視される危険性がある。このため、処方箋の40枚規制の見直しを検討する場合は、厚生労働省においては、診療報酬における評価等も含めて、対人業務の充実の方向性に逆行しないように慎重に行うべきである」と提言されていた。厚労省としては、「この提言を踏まえ、慎重に検討する必要があると考えています」としている。

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