合格率は大きく上下しないか
第111回薬剤師国家試験が2月21日(土)、22日(日)に実施されました。メディセレの自己採点システムから、受験生のデータを分析しますと、平均点は230.8点です(345点満点:2月27日現在)。
今回の国試は問題が3ページにも及ぶ問題が出たり、アンサングシンデレラに出てきた症例が出されたり、刑事ドラマや漫画の題材になるスイレンの毒が聞かれたりと、様々な工夫が見られました。必須問題(1日目午前)の難易度は例年並みでしたので、109回のように必須の足切りで不合格となる子は減ると思います。理論問題(1日目午後)は例年難しいのですが、今年は少しマシなほうで、その代わり、実践(2日目)が例年より難しくなりました。
科目別でいくと物理・化学・生物の難易度は相変わらずの難しさでした。今年は計算問題が多く、学生は驚いたのではないでしょうか。昔は「計算問題は捨てる!」という方策を取ってもいけましたが、今は捨てられない、越えなければいけない壁になったと改めて感じました。問題各所に「考えさせる工夫」が凝らされており、過去問題を覚えていれば解けるレベルではなく、過去問題を理解し、自分のものにして、応用が利くところまで持っていかなければならず、単なる暗記では通用しなくなってきています。様々な言い方をされてもわかるような応用力を付けることが課題となります。
国家試験は満点を取る必要はありません。相対評価になった今、一つの指標が平均点と正答率60%以上の問題数です。今回、正答率60%以上の問題数が232問ありました(メディセレ自己採点システム調べ)。これは106回の国試と同じ数です。この時の合格ラインは215点でしたので、気になる合格ラインは215点前後と予想します。106回の特徴は合格率が極端に上下しにくく、点数分布がきれい(=ボーダー調整しやすい)なため「実力通り」の合否になりやすかったといわれています。今回もこの傾向と似る可能性があるといえるでしょう。とはいえ、厚労省が薬剤師の人数を何人にするのかというところを発表されていませんので、蓋をあけなければわからないです。
国家試験は知識の試験ですが、肉体的にも精神的にも大変な試験ですので、頑張った薬学生が身近にいたら、ねぎらってあげてください。そして、実習での出題も増えてきますので、現場の薬剤師の方々も国家試験問題を見ていただいて、ともに知識を広げていけたらと思います。
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