新経済連盟は、現在、議論の進んでいる市販薬のネット販売にビデオ通話を義務付ける厚生労働省の案に対し、撤回を求めると主張。購入履歴の管理をした上で、従来のネット販売の継続を認めるべきだとしている。
その上で、案では改正目的を十分に達成できないなどとして、オンライン署名を開始するとしている。
撤回を求める詳細な理由は以下の通り(新経済連盟リリースより)。
(1)改正目的を十分に達成できません。
入手経路の大半を占める実店舗での対面販売における有効な対応策(履歴管理等)が見送りをされており、今回の法律改正の動きの背景になっているオーバードーズ対策そのものの実効性を欠いています。
(2)適正使用者の医薬品アクセスを合理的な理由なく著しく制限することになり、国民の健康確保に支障を生じさせます。
ネット販売におけるビデオ通話の実施には新たな設備投資が必要である上、ビデオ通話の予約システム等の導入により購入ステップも販売事業者のシステムも複雑になることから、きわめてハードルが高く、非対面での提供が事実上困難になるおそれがあります。非対面での購入による適正使用者の利便性を合理性がないまま著しく制限することになってしまいます。
(例)
・大学生や社会人で一人暮らしの若者が20歳未満だとネットで風邪薬などを一切買えなくなります。
・大容量の定義次第で、身体不自由なお年寄りや大家族で20歳以上も風邪薬などをネットで一切買えなくなります。
・近隣に実店舗がない地方住民等でネットでの購入という手段を使わざるをえない人にとっては、死活問題です。
なお、オンライン署名は以下から可能としている。
https://chng.it/XY8Ltkb6w6
厚生労働省は、現在、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会で、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の一部改正案を2025年の通常国会に提出することを想定して検討中。若者を中心とする市販薬の濫用が社会問題化したことを踏まえ、濫用等のおそれのある医薬品の販売方法について案を作成中だ。
【新経済連盟】市販薬ネット通販規制に関するオンライン署名開始
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