【選定療養の影響調査】ヒルドイドの調剤額が4割超減/インテージリアルワールド社

【選定療養の影響調査】ヒルドイドの調剤額が4割超減/インテージリアルワールド社

【2024.11.15配信】株式会社インテージリアルワールドはこのほど、長期品の選定療養導入による後発医薬品への切替の影響を調査した。その結果、選定療養対象薬剤の推計調剤金額トップ10の薬剤のうち、ヒルドイド、プログラフ、グリベック、シムビコート、ネキシウム、アジルバなど、6製品において調剤金額が前月比で3割以上減少していた。ヒルドイドでは4割超減少している。同社データベース Cross Fact の2024年10 月データを基に、院外調剤市場における医療用医薬品の動きを見たもの。


院外調剤市場における選定療養対象薬剤の推計調剤金額トップはヒルドイド約23億円

 医療情報分析サービスを手がける株式会社インテージリアルワールド(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:佐藤 暢章氏)は、独自に運用する統合医療データベース Cross Fact の 2024 年 10 月データを基に、医療用医薬品の処方動向を調査・分析した。

 2024年10月1日より「後発医薬品がある先発医薬品(長期収載品)の選定療養」がスタート。これは医療保険制度上の仕組みのひとつで、医療上の必要性がある場合を除いて患者の希望により先発医薬品の調剤を受ける場合には、「特別料金」の負担が必要となるもの。医療上の必要性がないにも関わらず、患者が使用感など薬の有効性に関係のない理由で先発医薬品を希望する場合には、先発医薬品と後発医薬品の薬価の差額の4分の1相当を患者が負担することになる。
 2023年9月時点での全国の後発医薬品の使用割合は 80%を超えているが、選定療養の導入はどの程度先発医薬品の調剤に影響を与えているのか、院外調剤市場における医療用医薬品の動きを見た。

 その結果、2024年9月の院外調剤市場における選定療養対象薬剤の推計調剤金額はヒルドイドが最も高く約 23 億円、10 位のアジルバで約 4 億円だった。10 月に選定療養が導入されると多くの薬剤で調剤金額が減り、上位10製品のうち6製品が3割以上減少していた。
 10月は9月に比べ平日が多く、診療日が多いことから調剤量が多くなりやすいことを考えると、選定療養の影響はもっと大きい可能性もある。

2024年10月の治療薬変更患者数は前年同月比55%増/選定療養導入で後発薬への切替進展が明らか

 次に、選定療養が導入されることで薬剤を変更する患者がどの程度増えているかを、患者数の多い高血圧治療薬市場の治療薬変更患者数の動きで見た。
 高血圧治療薬は院外調剤市場で毎月 60 万人前後の患者が治療薬を変更している。2023年7月には患者数が急増し 110 万人(前年同月比 77%増)を超えているが、これはアジルバの後発医薬品が2023年6月に発売となり、先発医薬品から後発医薬品への切替が急激に進んだ影響だ。2024年10月の治療薬変更患者数は100万人(前年同月比 55%増)を超え、後発医薬品発売に匹敵する規模で切替が進んだことが見受けられる。

 患者の自己負担が増える仕組みを導入することにより、先発医薬品から後発医薬品への切替が進んだことが明らかになった。
 今後も切替は進んでいくのかについて、同社では、慢性疾患治療薬の場合1~3カ月分の処方をもらうことが多いため、選定療養導入前の来院患者の多くは12月までに再来院することが想定される中で、後発医薬品は発売後 3 ヵ月程で変更患者数が落ち着く傾向にあり、選定療養導入による後発医薬品への切替も同じような期間で落ち着くことも想定されるとしている。

この記事のライター

関連するキーワード


選定療養 後発医薬品

関連する投稿


【厚労省】長期収載品の選定療養「患者負担2分の1以上」提案/中医協

【厚労省】長期収載品の選定療養「患者負担2分の1以上」提案/中医協

【2025.12.17配信】厚生労働省は12月17日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、長期収載品の選定療養についてを議題とし、「患者負担2分の1以上」を提案した。


【長期品の選定療養】「同一性への固執」による「医療上の必要性」認める

【長期品の選定療養】「同一性への固執」による「医療上の必要性」認める

【2025.03.18配信】厚生労働省は3月14日、「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その4)」を発出した。


【長期品の選定療養】患者が負担する「特別の料金」、医療費控除の対象/厚労省疑義解釈

【長期品の選定療養】患者が負担する「特別の料金」、医療費控除の対象/厚労省疑義解釈

【2025.03.18配信】厚生労働省は3月14日、「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その4)」を発出した。


【東京都薬剤師会_カスハラ調査結果】「漂白剤かけられた」/事件性疑われる事例も複数確認

【東京都薬剤師会_カスハラ調査結果】「漂白剤かけられた」/事件性疑われる事例も複数確認

【2025.01.10】東京都薬剤師会(都薬)は1月10日に定例会見を開いた。その中で都薬が進めていたカスハラに関する調査結果を公表した。「ハイターをかけられた」などの事件性が疑われる案件も複数明らかとなり、薬局・薬剤師が苦しめられている状況がわかった。一方で、医療従事者として我慢して対応している薬剤師の姿も浮かび上がった。また、きっかけに医薬品不足や選定療養などの社会環境や制度変更もあった。


【日本薬剤師会】“期中改定”でコメント公表

【日本薬剤師会】“期中改定”でコメント公表

【2024.12.26配信】日本薬剤師会は12月26日、診療報酬改定のない年の“期中改定”についてコメントを公表した。


最新の投稿


【中医協】短冊修正点/服用薬剤調整支援料2の研修について追記

【中医協】短冊修正点/服用薬剤調整支援料2の研修について追記

【2026.01.30配信】厚生労働省は1月30日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、次期調剤報酬改定の個別改定項目、いわゆる短冊の修正点を議題とした。調剤報酬に関しては、服用薬剤調整支援料2の研修について追記した。


【厚労省】調剤の一部外部委託で検討会開催

【厚労省】調剤の一部外部委託で検討会開催

【2026.01.26配信】厚生労働省は1月26日、改正薬機法で規定された調剤の一部外部委託について検討会を開く。


【中医協】後発薬調剤体制加算を廃止、医薬品の安定供給体制評価を新設

【中医協】後発薬調剤体制加算を廃止、医薬品の安定供給体制評価を新設

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。後発薬調剤体制加算を廃止し、医薬品の安定供給体制評価を新設するとした。


【中医協】オンライン診療施設を設置する薬局は「敷地内薬局」

【中医協】オンライン診療施設を設置する薬局は「敷地内薬局」

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。保険薬局と同一敷地内においてオンライン診療受診施設を設置する場合、当該保険薬局は敷地内薬局が算定する「特別調剤基本料A」を算定するとした。


【中医協】敷地内薬局“ただし書き”削除/遡求は「当面の間」適用外

【中医協】敷地内薬局“ただし書き”削除/遡求は「当面の間」適用外

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。敷地内薬局(調剤基本料の特別調剤基本料A)の除外規定である「建物内に診療所にが所在している場合を除く」との“ただし書き”規定を削除する。遡求適用については「当面の間」、該当しないとした。