日本薬剤師会は期中改定に関してコメントを公表した。薬価の中間年改定についても触れている。
前日に加藤勝信財務大臣と福岡資麿厚生労働大臣による令和7年度予算に関する折衝が行われ、令和7 年度薬価改定や中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定等を行うことが確認された。
このことに対し、日本薬剤師会は、これまで頻回・過度な薬価改定は薬局経営ひいては患者・地域住民への安定した医薬品提供に影響を及ぼすことから、薬価中間年改定の実施には反対であると主張してきたことを改めて指摘した上で、「令和7 年度も薬価改定が実施されることは残念と言わざるを得ません」としている。
一方、医薬品カテゴリーの性格による指標の考え方には一部賛同。「しかし、これまでの薬価中間年改定において一律に適用されてきた対象範囲の取り扱い(平均乖離率の0.625 倍を超える品目を一律に対象とすること)を見直し、令和6年12 月 20 日の3大臣合意(内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣)により、創薬イノベーションの推進や医薬品の安定供給の観点から、医薬品の品目ごとの性格に応じた対象範囲が設定されることになったことは、本会のこれまでの主張が一定程度ご理解いただけたものと受け止めています」との見解を示している。
また、長期収載品に係る選定療養への薬局への評価が拡充されたことに対しては、謝意を示した。「薬剤師・薬局による制度の趣旨に関する内容を含めた患者への丁寧な説明・対応が行われておりますが、現場では通常の業務に加えてさらなる業務負担が生じています。このような状況を踏まえ、今回の期中の診療報酬改定として、薬局薬剤師による患者への説明など保険薬局の業務負担が更に増加していること等を踏まえた評価の見直し(特定薬剤管理指導加算3のロの増点)が検討されることについては、感謝申し上げる次第です」としている。
ただし、今後のフォローアップが必要との見方。「国民負担の軽減と医療の質向上を同時に実現することは、引き続きの大きな課題となります。令和7年度薬価改定による関係者の経営実態、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス、安定供給、医療の質向上への影響などしっかりフォローして、今後の対応を検討していく必要があります」としている。
日薬としても関係者と連携を図りながら、現場での取り組みが円滑に進むよう尽力していく考えを示した。
【日本薬剤師会】“期中改定”でコメント公表
【2024.12.26配信】日本薬剤師会は12月26日、診療報酬改定のない年の“期中改定”についてコメントを公表した。
関連する投稿
【日本薬剤師会】財政審の改革提言に反論、「薬局増えても調剤報酬増えない」
【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に会見を開いた。この中で、同日公表された財政制度等審議会(財政審)財政制度分科会の提言に対し反論した。
【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に定例会見を開いた。その中で、岩月進会長が中医協での敷地内薬局をめぐる議論に対してコメントした。
【日本薬剤師会】京都学術大会のオンデマンド配信を追加募集/PECS付与対象
【2025.10.22配信】日本薬剤師会(日薬)は10月22日に定例会見を開き、先ごろ終了した日薬学術大会の「京都大会」のオンデマンド配信を追加募集すると説明した。PECS付与対象となる。
【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表
【2025.10.17配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月17日に定例会見を開き、調剤報酬改定における「300店舗区分」の見直しを求める声明を公表した。
【日薬】医薬品情報共有「N-Bridge」運用開始/薬剤師会に対しては従来のFAXコーナーから切り替え
【2025.10.08配信】日本薬剤師会は10月8日に定例会見を開き、医薬品情報共有機能を含めた薬局DX基盤サービス「N-Bridge」の運用を開始すると説明した。薬局に対しては、電子お薬手帳・処方箋受付・医薬品情報共有・医薬品発注等の機能を統合したシステムを提供する。電子お薬手帳システム等を続合し、各都道府県・地域・支部 薬剤師会に対して従来のFAXコーナーから切り替えを行う見込み。
最新の投稿
【日本薬剤師会】財政審の改革提言に反論、「薬局増えても調剤報酬増えない」
【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に会見を開いた。この中で、同日公表された財政制度等審議会(財政審)財政制度分科会の提言に対し反論した。
【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に定例会見を開いた。その中で、岩月進会長が中医協での敷地内薬局をめぐる議論に対してコメントした。
【石川県薬剤師会】モバイルファーマシー「お披露目式」/スターリンクを搭載でDX対応
【2025.10.31配信】石川県薬剤師会は10月31日、モバイルファーマシーお披露目式を開催した。
【東京都・厚労省】11月24日に「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」
【2025.10.29配信】東京都薬務課は10月29日に定例会見を開き、令和7年11月24日(月曜日・祝日)13時30分から15時45分まで、令和7年度「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」を開催することを説明した。今年は2年に一度の厚労省との共催年で、広い層に関心を持ってもらうため、多彩なタレントを招聘している。
【東京都薬務課】試買で指定薬物検出/前年9品目増の11物品から
【2025.10.29配信】東京都薬務課は10月29日、定例会見を開き、試買検査によって11物品から危険ドラッグを検出したことを説明した。9月29日に公表済み。前回公表の昨年11月の検査結果では2物品からの検出であり、薬務課では「11物品からの検出は多く驚いている」としている。今回の結果を受け、今後の試買を適切に行っていく方針。