【日本薬剤師会】“期中改定”でコメント公表

【日本薬剤師会】“期中改定”でコメント公表

【2024.12.26配信】日本薬剤師会は12月26日、診療報酬改定のない年の“期中改定”についてコメントを公表した。


 日本薬剤師会は期中改定に関してコメントを公表した。薬価の中間年改定についても触れている。

 前日に加藤勝信財務大臣と福岡資麿厚生労働大臣による令和7年度予算に関する折衝が行われ、令和7 年度薬価改定や中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定等を行うことが確認された。
 このことに対し、日本薬剤師会は、これまで頻回・過度な薬価改定は薬局経営ひいては患者・地域住民への安定した医薬品提供に影響を及ぼすことから、薬価中間年改定の実施には反対であると主張してきたことを改めて指摘した上で、「令和7 年度も薬価改定が実施されることは残念と言わざるを得ません」としている。

 一方、医薬品カテゴリーの性格による指標の考え方には一部賛同。「しかし、これまでの薬価中間年改定において一律に適用されてきた対象範囲の取り扱い(平均乖離率の0.625 倍を超える品目を一律に対象とすること)を見直し、令和6年12 月 20 日の3大臣合意(内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣)により、創薬イノベーションの推進や医薬品の安定供給の観点から、医薬品の品目ごとの性格に応じた対象範囲が設定されることになったことは、本会のこれまでの主張が一定程度ご理解いただけたものと受け止めています」との見解を示している。

 また、長期収載品に係る選定療養への薬局への評価が拡充されたことに対しては、謝意を示した。「薬剤師・薬局による制度の趣旨に関する内容を含めた患者への丁寧な説明・対応が行われておりますが、現場では通常の業務に加えてさらなる業務負担が生じています。このような状況を踏まえ、今回の期中の診療報酬改定として、薬局薬剤師による患者への説明など保険薬局の業務負担が更に増加していること等を踏まえた評価の見直し(特定薬剤管理指導加算3のロの増点)が検討されることについては、感謝申し上げる次第です」としている。
 ただし、今後のフォローアップが必要との見方。「国民負担の軽減と医療の質向上を同時に実現することは、引き続きの大きな課題となります。令和7年度薬価改定による関係者の経営実態、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス、安定供給、医療の質向上への影響などしっかりフォローして、今後の対応を検討していく必要があります」としている。
 日薬としても関係者と連携を図りながら、現場での取り組みが円滑に進むよう尽力していく考えを示した。

この記事のライター

関連する投稿


【日本薬剤師会】第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議開催/3月10日に

【日本薬剤師会】第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議開催/3月10日に

【2025.02.04配信】日本薬剤師会は2月4日に定例会見を開いた。この中で第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議を3月10日に開催すると報告した。


【インタビュー】厚生労働省 保険局 医療課 薬剤管理官 清原宏眞氏 

【インタビュー】厚生労働省 保険局 医療課 薬剤管理官 清原宏眞氏 

【2025.01.30配信】厚生労働省 保険局 医療課 薬剤管理官の清原宏眞氏は本紙インタビューに答えた。 


【日本薬剤師会】“零売訴訟”にコメント

【日本薬剤師会】“零売訴訟”にコメント

【2025.01.22配信】日本薬剤師会は1月22日に定例会見を開いた。この中で記者から、いわゆる“零売”に関する訴訟が起きていることへの見解を求める質問が出た。


【日本薬剤師会】薬機法とりまとめ評価/「地域医薬品提供計画」の文言は入らない見込みも「精神は理解頂けた」

【日本薬剤師会】薬機法とりまとめ評価/「地域医薬品提供計画」の文言は入らない見込みも「精神は理解頂けた」

【2025.01.22配信】日本薬剤師会は1月22日に会見を開き、次期薬機法改正に向けた厚労省制度部会のとりまとめへの見解を示した。


【令和8年度調剤報酬改定へ】「考え方」公表/日本薬剤師会

【令和8年度調剤報酬改定へ】「考え方」公表/日本薬剤師会

【2025.01.15配信】日本薬剤師会は1月15日、都道府県会長協議会を開催した。その中で、次期、令和8年度調剤報酬改定へ向けた「考え方」を公表した。


最新の投稿


【大木ヘルスケアHD】販促企画会社と業務提携

【大木ヘルスケアHD】販促企画会社と業務提携

【2025.02.14配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングスは2月12日、販促企画・運営会社と業務提携したと公表した。


【新経済連盟】薬機法法案の国会提出にコメント/引き続き主張を要望

【新経済連盟】薬機法法案の国会提出にコメント/引き続き主張を要望

【2025.02.13配信】新経済連盟(三木谷浩史代表理事)は2月13日、国会に提出された改正薬機法の法律案について、代表理事としてのコメントを公表した。


【日本保険薬局協会】マイナ保険証受付方法で要望/「在宅Web」を外来にも

【日本保険薬局協会】マイナ保険証受付方法で要望/「在宅Web」を外来にも

【2025.02.13配信】日本保険薬局協会は2月13日に会見を開き、マイナ保険証の受付方法についての要望をまとめ、公表した。現在、在宅医療現場で活用しているWeb方式を通常の外来でも活用できるようにすることなどを求めている。


【敷地内薬局めぐる裁判】検察が上告

【敷地内薬局めぐる裁判】検察が上告

【2025.02.12配信】KKR札幌医療センターの敷地内薬局の整備を巡り、アインファーマシーズ元代表取締役社長・酒井雅人被告と同社元取締役・新山典義被告が公契約関係競売入札妨害の罪に問われた裁判について、札幌高検は2月12日、札幌高裁が両被告に言い渡した控訴審の無罪判決を不服として上告したことが明らかになった。(ジャーナリスト・村上和巳)


【オンラインイベント】薬剤師のミライを考える/日本薬剤師連盟が開催へ

【オンラインイベント】薬剤師のミライを考える/日本薬剤師連盟が開催へ

【2025.02.10配信】日本薬剤師連盟は3月4日に、「薬剤師のミライを考える~1000 人大会議!」と題したオンラインイベントを開催する。薬剤師・薬学生が主な対象で参加費は無料。参議院議員の本田顕子氏とも意見を交わす機会としている。