【愛知県薬剤師会・岩月会長】医薬品の供給情報サイトに関する委員会創設意向/「数量までは難しくても在庫品目を○か×で」

【愛知県薬剤師会・岩月会長】医薬品の供給情報サイトに関する委員会創設意向/「数量までは難しくても在庫品目を○か×で」

【2023.02.15配信】愛知県薬剤師会会長の岩月進氏は、新年度から、地域の医薬品供給情報に関するサイト構築を検討する委員会を立ち上げたい意向を示した。医薬品の供給が不安定になる中、地域にある医薬品の情報を把握することで地域に貢献したい考え。


 医薬品の供給情報のサイト構築によって、患者、処方医に貢献したい考え。医薬品の供給が不安定になる中、地域にある医薬品の情報を把握することは地域への貢献になると同時に、薬局経営にも資するとの考えがある。
 薬局経営が厳しくなっていく中で、売上増大を目指すだけでなく、売上の7割を占める薬剤の効率化にも、これまで以上に目を向けていく必要があると指摘する。
 地域にある医薬品の情報を、地域の薬剤師が把握していないことが問題ではないか、という問題意識も根底にある。

“大手”は参画するか?

 薬局の規模によっても在庫状況に差があるとの指摘はあり、「大手が在庫状況を共有するだろうか」との疑問には、「こうした地域の取り組みに参加することに意義があると思ってもらえるかどうかだ。参加しなければいけないという意識をどう持ってもらえるかは県薬の課題でもある」と話し、参画はあくまで任意であり、協力意向の薬局だけが情報を共有するイメージを明かす。

 手法についてもNDB(レセプトに紐づくナショナルデータベース)の活用などにより、手間を軽減した手法が築けないか検討したいとする。

 「もちろん、やってみて失敗するかもしれない。逆に成功事例ができれば、そこからほかの地域にも波及できたらよい」(岩月会長)。

編集部コメント

 安定供給をめぐっては、調剤報酬上の特例措置として地域支援体制加算の時限的加算があったことも周知の通りだ。その施設基準に在庫情報の共有も含まれたため、地域での在庫情報共有のあり方については注目も集まっている。その中で、岩月氏の着眼点で特筆すべきは「薬局の経営にも資する」という点だろう。売上の7割を占める薬剤をどう効率化するかは、今後、議論が深まる観点になるだろう。

この記事のライター

関連するキーワード


供給不安 愛知県薬剤師会

関連する投稿


【愛知県薬剤師会】会長候補者選挙、岩月氏後継指名の川邉氏が大差で勝利

【愛知県薬剤師会】会長候補者選挙、岩月氏後継指名の川邉氏が大差で勝利

【2025.03.23配信】愛知県薬剤師会は3月23日に臨時総会を開催し、会長候補者選挙を行った。その結果、現職の岩月進氏が後継指名していた川邉祐子氏が勝利した。正式には6月の総会で承認、就任する。


【医薬品供給状況】不足カテゴリートップは抗生剤/株式会社イヤクル調査

【医薬品供給状況】不足カテゴリートップは抗生剤/株式会社イヤクル調査

【2024.12.03配信】株式会社イヤクル(本社:北海道、代表取締役:佐孝尚氏)は、薬剤師を対象に「医薬品供給不足に関するアンケート調査」を実施。その結果、出荷調整品のカテゴリーでは抗生剤がトップだった。


【厚労省】長生堂製造の医薬品、品質等に問題がなければ「出荷は差し支えない」

【厚労省】長生堂製造の医薬品、品質等に問題がなければ「出荷は差し支えない」

【2024.06.11配信】厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課は6月10日、事務連絡を発出した。一部の医薬品で製造販売承認書から逸脱した製造方法により医薬品の製造が行われ、出荷停止を行っている長生堂製薬。同社製造の医薬品に関して、製造販売業者により性状、品質等に問題がないことが確認された場合、出荷して差し支えないとした。


【厚労省】「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」発出

【厚労省】「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」発出

【2024.06.04配信】厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課は5月31日、各地域の衛生主管部事宛に事務連絡「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」を発出した。過剰な発注は厳に控えることなどを依頼している。


【医薬品の安定供給へ】後発薬業界ができること/東和薬品が講演

【医薬品の安定供給へ】後発薬業界ができること/東和薬品が講演

【2024.05.28配信】5月25日に名古屋で開かれた「日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 学術大会」で、東和薬品執行役員の田中俊幸氏が「ジェネリック医薬品産業のあるべき姿の構築に向けて」と題して講演した。


最新の投稿


【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本保険薬局協会は9月11日、定例会見を開いた。この中で9月10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会の「調剤について」の議論の中で病院薬剤師の不足に関して多くの意見が出たことについてコメントした。


【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本薬剤師会は9月11日に定例会見を開いた。その中で岩月進会長は、10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会で、「調剤」の議題の中で「病院薬剤師」について多くの意見が挙がったことについてコメントした。


【日本薬剤師会】薬剤師PR資材を制作/「親子で知る薬剤師のお仕事」

【日本薬剤師会】薬剤師PR資材を制作/「親子で知る薬剤師のお仕事」

【2025.09.11配信】日本薬剤師会は9月11日に定例会見を開き、その中で薬剤師PR資材「親子で知る薬剤師のお仕事」を制作したと説明した。リーフレットのほか、短編動画も制作した。


AIエージェント活用したレセコン・薬歴開発へ/三菱電機デジタルイノベーション

AIエージェント活用したレセコン・薬歴開発へ/三菱電機デジタルイノベーション

【2025.09.10配信】三菱電機デジタルイノベーション株式会社(東京都千代田区、代表取締役 取締役社長:武田 聡氏)は、「AI エージェントが生みだす新たな薬局体験」をコンセプトとし、レセプトコンピュータ(以下「レセコン」)と電子薬歴を融合した「保険薬局向けオールインワンプラットフォーム」の開発に着手したと公表した。本サービスのプロトタイプを、2025年10月12日から開催される「第58回 日本薬剤師会学術大会」に参考出展する予定。


【厚労省】緊急避妊薬のスイッチOTC薬を承認へ/改正薬機法初の「特定要指導医薬品」に指定

【厚労省】緊急避妊薬のスイッチOTC薬を承認へ/改正薬機法初の「特定要指導医薬品」に指定

【2025.08.29配信】厚生労働省は8月29日、薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」を開催。緊急避妊薬「レボノルゲストレル」(一般名、あすか製薬)のスイッチOTC化を了承した。改正薬機法で規定する「特定要指導医薬品」として初めて指定した。


ランキング


>>総合人気ランキング