【医薬品供給状況】不足カテゴリートップは抗生剤/株式会社イヤクル調査

【医薬品供給状況】不足カテゴリートップは抗生剤/株式会社イヤクル調査

【2024.12.03配信】株式会社イヤクル(本社:北海道、代表取締役:佐孝尚氏)は、薬剤師を対象に「医薬品供給不足に関するアンケート調査」を実施。その結果、出荷調整品のカテゴリーでは抗生剤がトップだった。


 調査は薬剤師54人を対象に行った。
 調査期間は2024年10月21日~2024年11月5日。

 その結果、出荷調整のカテゴリーでは抗生剤の回答が28.3%でトップ。次いで鎮咳・去痰18.9%と続いた。

 イヤクル社では、「抗生物質の供給は非常に深刻な問題」とするとともに、「小児用抗生剤(ワイドシリン、メイアクトなど)も含まれている」と説明している。

 特に抗生物質に関しては、「感染症治療の要となるこのカテゴリーで、最も深刻な供給困難が報告されています。サワシリン、メイアクト、フロモックスなど、幅広い抗生物質が影響を受け、医療現場に大きな混乱をもたらしています」(イヤクル社)と分析している。
 小児用医薬品の供給問題についても、「深刻な社会的影響を秘めている」とし、「シロップ類や小児用抗生剤DS(ドライシロップ)の供給が著しく制限されており、子どもたちの健康に直接的な影響を及ぼす危険性がある」(イヤクル社)とする。

 加えて、供給問題は特定のカテゴリーにとどまらず、点眼薬や降圧剤といった、医薬品群でも同様の供給調整が発生していると指摘している。「ヒアルロン酸点眼液、ディオバン、バルサルタンなど、多岐にわたる医薬品が影響を受けており、その範囲の広さが際立っている」とする。

 なお、株式会社イヤクルは同社開発のスマホアプリ「イヤクル」で、薬局間で不動在庫医薬品を直接取引できるマッチングサービスを提供している。

この記事のライター

関連するキーワード


供給不安

関連する投稿


【厚労省】長生堂製造の医薬品、品質等に問題がなければ「出荷は差し支えない」

【厚労省】長生堂製造の医薬品、品質等に問題がなければ「出荷は差し支えない」

【2024.06.11配信】厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課は6月10日、事務連絡を発出した。一部の医薬品で製造販売承認書から逸脱した製造方法により医薬品の製造が行われ、出荷停止を行っている長生堂製薬。同社製造の医薬品に関して、製造販売業者により性状、品質等に問題がないことが確認された場合、出荷して差し支えないとした。


【厚労省】「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」発出

【厚労省】「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」発出

【2024.06.04配信】厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課は5月31日、各地域の衛生主管部事宛に事務連絡「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」を発出した。過剰な発注は厳に控えることなどを依頼している。


【医薬品の安定供給へ】後発薬業界ができること/東和薬品が講演

【医薬品の安定供給へ】後発薬業界ができること/東和薬品が講演

【2024.05.28配信】5月25日に名古屋で開かれた「日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 学術大会」で、東和薬品執行役員の田中俊幸氏が「ジェネリック医薬品産業のあるべき姿の構築に向けて」と題して講演した。


【八戸薬剤師会】調剤実績情報の共有サービスを開始へ/薬局間医薬品融通スムーズに

【八戸薬剤師会】調剤実績情報の共有サービスを開始へ/薬局間医薬品融通スムーズに

【2024.04.17配信】八戸薬剤師会(青森県)は4月17日の夜、八戸市内のホテルで「薬局会員間の調剤実績共有サービスの導入について」との説明会を会員薬局・薬剤師向けに開催した。同サービスは調剤実績情報を共有することで薬局間の医薬品融通をスムーズにすることを目的とするもの。同薬剤師会は会員薬局数149薬局だが、説明会には100名以上が参加し、関心の高さがうかがえた。


【厚労省】変更調剤で事務連絡/後発→先発の変更調剤も可能に/供給不安で

【厚労省】変更調剤で事務連絡/後発→先発の変更調剤も可能に/供給不安で

【2024.03.16配信】厚生労働省は3月15日、事務連絡「現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて」を発出した。医薬品の入手が限定されること等により薬局で必要量が用意できないようなやむを得ない状況においては、後発品から先発品への変更調剤を認めることとした。後発医薬品の銘柄処方において「変更可」の処方箋については、患者から同意を得ることで、先発医薬品を調剤することができるとした。


最新の投稿


【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【2025.09.30配信】このほど、抗血小板剤「エフィエント錠3.75㎎」のPTPシートに印字されたGS1コード(調剤包装単位コード)に誤りがあったとして、製造販売元の第一三共より報告がされている。それを受け、日本薬剤師会でも注意喚起の文書を発出した。


【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【2025.09.30配信】医薬品の流通を担う社会インフラ企業であるアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福神雄介氏)は、2025年10月12日(日)~13日(月・祝)に国立京都国際会館にて開催される「第58回日本薬剤師会学術大会」に出展する。「かかりつけ薬剤師の新たな挑戦!健康・生活を支える商品と信頼」をテーマに、医療現場の業務効率化と患者様の満足度向上に貢献するソリューションを紹介する予定。


【日本薬剤師連盟】神谷まさゆき氏を組織内統一候補に選任

【日本薬剤師連盟】神谷まさゆき氏を組織内統一候補に選任

【2025.09.26配信】日本薬剤師連盟は9月25日に開催した臨時評議員会で、組織内統一候補に神谷まさゆき参議院議員を選任した。神谷氏が自身のSNSで報告した。


【健保連】OTC薬に代替可能な薬や簡易な検査「保険給付から除外」を/『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』

【健保連】OTC薬に代替可能な薬や簡易な検査「保険給付から除外」を/『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』

【2025.09.25配信】健康保険組合連合会は9月25日、新たな提言『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』を公表した。OTC医薬品に代替可能な医療用医薬品や簡易な検査などについて、保険給付から除外あるいは給付割合の見直しを図ることなどを提言している。同種同効の医薬品のうち、正当な理由なく、より高額な医薬品を選択する場合に自己負担を増加させる選定療養の活用も提案している。


【日薬】緊急避妊薬のスイッチ化でパブコメ提出/「賛成」

【日薬】緊急避妊薬のスイッチ化でパブコメ提出/「賛成」

【2025.09.25配信】日本薬剤師会は9月25日、定例会見を開き、緊急避妊薬のスイッチOTC化に関して、パブコメを提出したことを説明した。


ランキング


>>総合人気ランキング