【厚労省 電子処方箋の運用通知発出】電子版お薬手帳との連携不可欠/患者自身が医薬品による体の変化も記録し活用を

【厚労省 電子処方箋の運用通知発出】電子版お薬手帳との連携不可欠/患者自身が医薬品による体の変化も記録し活用を

【2022.10.28配信】厚生労働省は10月28日、電子処方箋の運用に関わる通知を発出した。電子版お薬手帳との連携が不可欠とし、処方や調剤情報が記録できる電子処方箋に加え、患者自身がOTC医薬品や医薬品による体の変化について記録できる電子版お薬手帳を活用することは有効な薬物治療につながるものだとしている。


 通知は50ページにわたる広範な内容を網羅しているが、中でも注目されるのは、電子処方箋と電子版お薬手帳の連携は不可欠としていることだ。
 
 通知では、処方箋について「医師・歯科医師から薬剤師への処方内容の伝達だけでなく、医師・歯科医師から患者に交付され、患者自らが処方内容を知ることができる、患者にとって最も身近な医療情報の一つといえる」とした上で、処方箋の電子化に関しては「医療機関と薬局の連携や服薬管理の効率化等に資するだけでなく、電子版お薬手帳等との連携等により、患者自らが服薬等の医療情報の履歴を電子的に管理し、健康増進への活用(ポータルサービス)の第一歩になる」など、多くのメリットがあるとした。
 できるだけ早く国民がそのメリットを享受できるようにするためにも、運用ルールや医療情報等を連携するためのネットワーク整備・普及等を進める必要を記載している。

 フリーアクセスを確保し、患者が自身の服用する薬剤について知ることを担保したうえで、2023 年1月より、全国的な電子処方箋の仕組みが整備されることとなったとする。

 中でも電子版お薬手帳等との連携については不可欠と明記。「処方箋の電子化は、医療機関・薬局の連携や処方内容の一元的・継続的把握の効率化等に資するが、患者が電子化された処方や調剤の内容等を可視化して知り、活用するためには、マイナポータルや電子版お薬手帳等との連携等が不可欠」とした。
 
 電子処方箋の処方・調剤情報はリアルタイムでマイナポータルにおいて閲覧できる仕組みである一方、当該情報を API(Application Programming Interface)連携により電子版お薬手帳にダウンロードできる仕様となる。

 加えて、通知ではお薬手帳について、「患者本人のものである」と整理。電子処方箋にはない「患者個人の健康情報や要指導・一般用医薬品の服薬情報など」について連携することで、情報の電子化のメリットを患者が享受できるようにすることが重要としている。

 お薬手帳の意義と役割については、「患者自身が、自分の服用している薬剤について把握するとともに正しく理解し、服用したときに気づいた副作用や薬剤の効果等の体の変化や服用したかどうか
等を記録することで、自らの薬物療法に対する意識を高める」ことに資するしている。


 そのほか、通知ではフリーアクセスを確保するため、患者が電子処方箋に対応していない薬局で調
剤を受けることを希望する場合や電子処方箋を望まない場合には、紙の処方箋を交付することも記載した。

■厚労省通知
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001006251.pdf

■以下サイトの中ほど「電子処方箋の運用通知」「電子処方箋管理サービスの運用について(令和4年10月28日)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html

■編集部コメント
 服薬履歴が確認できるオンライン資格確認や電子処方箋が登場することによって、「お薬手帳はいらなくなるのではないか」との声を聞くことがある。
 しかし、オンライン資格確認は月に一度アップデートされるレセプト情報であるためにタイムラグが生じること、電子処方箋はリアルタイム確認ができるが保存期間が100日間と限定されるなど、それぞれが特徴のあるものであり、これらを患者本人の情報として有機的に管理するためには電子版お薬手帳と連携していくことは非常に有用だろう。
 加えて、いうまでもなくOTC薬や健康食品の情報などは電子処方箋などには含まれないため、重複投薬確認や飲み合わせのチェックにはお薬手帳は有効だ。
 さらには、それだけでなく、服薬後のフォローアップが義務化されている中、そういった医薬品を飲んだあとの体の変化についても記録していくことは患者状態に応じた効果的な薬物療法の実践になるほか、医薬品の価値を最大化していく“育薬”への貢献にもなる知見構築につながる可能性があるといえるだろう。

この記事のライター

関連するキーワード


電子処方箋 電子版お薬手帳

関連する投稿


【厚労省】マイナ保険証・電子処方箋でセミナー/高利用率&支援金ゲットのメソッドをテーマに

【厚労省】マイナ保険証・電子処方箋でセミナー/高利用率&支援金ゲットのメソッドをテーマに

【2024.03.15配信】厚生労働省は令和6年3月22日(金)18:00~19:00、マイナ保険証移行・電子処方箋導入への医療機関・薬局向けセミナーを開催する。サブタイトルは「高利用率&支援金ゲットのメソッドをお伝えします」。開催方法はYouTubeライブ配信。


【電子処方箋】医療現場の活用事例を相次ぎHPに掲載/医療DXの価値やメリット共有へ

【電子処方箋】医療現場の活用事例を相次ぎHPに掲載/医療DXの価値やメリット共有へ

【2023.10.19配信】厚生労働省医薬局総務課電子処方箋サービス推進室は、電子処方箋の活用事例を相次いでホームページに掲載している。これまでは「医療機関等向け総合ポータルサイト」で導入事例紹介を掲載してきたが、厚労省内HPにも「電子処方箋の活用事例」ページを追加。最近では10月13日に公立岩瀬病院(福島県)の事例を紹介。より多くの患者の目に留めてもらうためには、自施設の患者動線を意識して周知広報物を配置すると効果的であることなどを紹介している。


【厚労省電子処方箋WG】リフィル処方箋機能を今年12月〜来年1月に後ろ倒し

【厚労省電子処方箋WG】リフィル処方箋機能を今年12月〜来年1月に後ろ倒し

【2023.09.27配信】厚生労働省は9月27日、第2回電子処方箋等検討ワーキンググループ(WG)を開催した。その中で、10月に中央側システムのリリースを予定していたリフィル処方箋の追加機能について、本年12月~来年1月を目途に リリースすることとすると報告した。


【日本調剤】自社電子お薬手帳、電子処方箋情報取り込み開始

【日本調剤】自社電子お薬手帳、電子処方箋情報取り込み開始

【2023.08.29配信】日本調剤は自社の電子版お薬手帳である「お薬手帳プラス」に関して、マイナポータルとの連携機能を拡張し、新たに電子処方箋の処方情報・調剤情報を取り込みが可能になたと公表した。


【日本調剤】電子処方箋対応を636薬局に拡大

【日本調剤】電子処方箋対応を636薬局に拡大

【2023.07.18配信】日本調剤株式会社(本社所在地:東京都千代田区丸の内、代表取締役社長:三津原 庸介氏)は7月18日、電子処方箋対応薬局を拡大し、2023年7月18日より636薬局で対応を開始したと公表した。


最新の投稿


【日登協】組織名変更、「日本医薬品登録販売者会」/職能団体としての位置づけを強化

【日登協】組織名変更、「日本医薬品登録販売者会」/職能団体としての位置づけを強化

【2024.06.14配信】日本医薬品登録販売者協会は6月14日に会見を開き、組織名を「日本医薬品登録販売者会」に変更すると公表した。職能団体としての位置づけを強化する。略称は「日登会」とする。


【日薬次期理事案】書面決議は可決、総会での信任投票へ/飯島氏、徳吉氏を削除した候補者議案の書面決議

【日薬次期理事案】書面決議は可決、総会での信任投票へ/飯島氏、徳吉氏を削除した候補者議案の書面決議

【2024.06.14配信】日本薬剤師会の次期理事候補者変更案について行われていた現執行部による書面決議が、このほど全員賛成で承認された。このあと、30日の総会で代議員による信任投票が行われる見通し。


【中医協】賃上げにかかる調査・検証について把握方法を提示

【中医協】賃上げにかかる調査・検証について把握方法を提示

【2024.06.14配信】厚生労働省は6月14日、中央社会保険医療協議会(中医協)診療報酬調査専門組織(入院・外来医療等の調査・評価分科会)を開催した。その中で賃上げにかかる調査・検証について把握方法を提示した。


【医薬品供給不安】安定確保薬の定期的な見直しを/日本医学会連合が提言

【医薬品供給不安】安定確保薬の定期的な見直しを/日本医学会連合が提言

【2024.06.14配信】日本医学会連合は6月12日、厚労省に「医薬品安定供給に関する提言を提出した。我が国の健康に関する安全保障上、国民の生命を守るため、切れ目のない医療供給のために必要で、安定確保について特に配慮が必要とされる医薬品である「安定確保医薬品」については、リストの定期的な見直しとその周知、政策への反映を求めている。


【チェーンドラッグストア協会】「調剤報酬委員会」常設に

【チェーンドラッグストア協会】「調剤報酬委員会」常設に

【2024.06.13配信】日本チェーンドラッグストア協会は6月12日、通常総会を開き、2024年度の組織人事並びに事業計画が承認された。


ランキング


>>総合人気ランキング