【規制改革推進会議WG】リフィル処方箋の原本扱い、調剤済み以外は患者返却が原則も、場合によって薬局での「保管可能」/厚労省回答を提示

【規制改革推進会議WG】リフィル処方箋の原本扱い、調剤済み以外は患者返却が原則も、場合によって薬局での「保管可能」/厚労省回答を提示

【2022.09.26配信】政府の規制改革推進会議は9月22日、「第9回 医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」を開いた。この中で、「規制改革要望に対する照会」への厚労省の回答内容を示した。資料によると、「リフィル処方箋の原本を薬局で保管することを認めるべき」との照会に対して、「調剤済みとならない場合は患者に返却することとしている」と原則を示した上で、場合によっては「薬局側で処方箋原本を保管しておく」ことは可能としている。


 照会内容と回答は以下の通り。

■リフィル処方箋の場合のオンライン服薬指導
<照会>
 今年度から導入されたリフィル処方箋による調剤を行う際、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」では、リフィル処方箋(原本)に調剤日等を記載し、そのリフィル処方箋の原本を患者に返却する旨定められている(※)。
 この結果、患者が在宅でリフィル処方箋を利用してオンライン服薬指導及び薬剤の受領を行いたい場合、(初回調剤の際に医療機関から薬局に直接送付された)リフィル処方箋の原本を薬局から受領し、2回目以降の調剤の際にも当該原本を薬局に送付し、その後返却してもらうというやり取りが生じる。
 このような手間は患者及び薬局の双方にとって煩雑であり、結果として、リフィル処方箋を利用する際のオンライン服薬指導が利用しにくい状況となっているとの指摘がある。
 そのため、リフィル処方箋の場合のオンライン服薬指導において処方箋原本のやり取りが生じることのないよう、薬局でリフィル処方箋原本を保管することを認める必要があると考えるが、厚労省の方針を御教示願いたい。
 ※オンライン服薬指導時の処方箋原本の取扱いについては、ファクシミリ、メール等により医療機関から送付された処方箋情報を処方箋とみなして調剤等を行うことが可能であり、その後、医療機関から処方箋原本を入手する必要があると理解している。

<回答>(厚生労働省)
 服薬指導を行う手段が対面であるか、オンラインであるかに関わらず、医薬品の不正入手を防止するため、薬局の薬剤師は処方箋原本に基づき調剤をすることとしており、これはリフィル処方箋であっても同様です。
 リフィル処方箋は、当該薬局において調剤済みとならない場合は患者に返却することとしていることから、2回目以降の調剤でオンライン服薬指導を行う場合には、患者からの処方箋の郵送等により、薬局は原本を入手した上で調剤を行うことが原則となります。
 ただし、お尋ねのような場合には、薬局と患者の関係によりますが、患者又はその家族等の意向を確認し、薬局側で処方箋原本を保管しておき、同じ薬局で2回目以降も調剤及びオンライン服薬指導を行うことは可能です。
(※この時点では所有者は患者であるため、薬局では保有ではなく保管です。)

【規制改革推進会議WG事務局補足】
※ 以上の回答中「薬局と患者の関係によりますが」との記載について、事務局から厚生労働省に対しその趣旨を確認したところ、次のとおりであった。
・リフィル処方箋による調剤においては、患者の服薬状況、状態の変化、副作用の発現等を丁寧に確認し、必要に応じて受診勧奨を行わなければならないため、例えば、かかりつけの患者であるなど、リフィル処方箋により調剤を行う薬剤師が患者についてしっかりと把握できていることが必要と考えるため、このような記載を入れている。

この記事のライター

関連する投稿


【リフィル処方箋動向】2024年6月に最高値/日本システム技術の調査

【リフィル処方箋動向】2024年6月に最高値/日本システム技術の調査

【2025.02.05配信】日本システム技術は2月4日、リフィル処方箋の普及状況に関する調査結果を公表した。それによると、診療報酬改定が施行された2024年6月に医科のリフィル処方率が向上、過去最高となった。改定などの各施策に一定の効果があったことが考えられるとしている。


【財政審_建議】「リフィル処方を短期的に強力に推進」

【財政審_建議】「リフィル処方を短期的に強力に推進」

【2024.11.29配信】財務省の財政制度等審議会は11月29日、「令和7年度予算の編成等に関する建議」を公表した。


【厚労省】リフィル処方箋、具体的な指標の設定を検討/経済・財政一体改革推進委員会のWGで改めて記載

【厚労省】リフィル処方箋、具体的な指標の設定を検討/経済・財政一体改革推進委員会のWGで改めて記載

【2024.11.07配信】内閣府は11月5日に「経済・財政一体改革推進委員会」社会保障ワーキング・グループを開催した。厚労省は提出資料の中で、リフィル処方箋の具体的な指標の設定を検討することを改めて表明。リフィル処方箋については、第4期医療費適正化基本方針において、今後、具体的な指標の設定を検討し、必要な対応を速やかに行うこととされていた。


【規制改革】薬局の処方箋40枚規定、「再検討」を厚労省に要望

【規制改革】薬局の処方箋40枚規定、「再検討」を厚労省に要望

【2024.09.30配信】内閣府規制改革推進会議「第1回 健康・医療・介護ワーキング・グループ」が9月30日に開かれた。この中で、規制改革ホットライン処理方針 (令和6年3月16日から令和6年7月19日までの回答)が報告され、「薬局に係る40枚規制」について 厚労省に再検討を要請するとした。厚労省サイドは「検討を予定」と回答しつつも、「慎重に検討する必要がある」としている。


【デジタル行財政改革会議】リフィル処方箋、保険者による通知などで周知を/取りまとめ2024

【デジタル行財政改革会議】リフィル処方箋、保険者による通知などで周知を/取りまとめ2024

【2024.06.18配信】政府のデジタル行財政改革会議は6月18日、「デジタル行財政改革 取りまとめ2024」を公表した。医療分野では医療保険者による加入者に対する個別の周知などによってリフィル処方箋の周知・広報を行うとした。


最新の投稿


【東京都薬剤師会】緊急避妊薬調査事業、協力医療機関数が250に

【東京都薬剤師会】緊急避妊薬調査事業、協力医療機関数が250に

【2025.02.07配信】東京都薬剤師会は2月7日に定例会見を開いた。この中で、緊急避妊薬販売にかかる環境整備のためのモデル的調査事業の協力医療機関リストを公開した。250の医療機関から協力を得た。


【日本総研】レポート「零売規制の妥当性を問う」公表

【日本総研】レポート「零売規制の妥当性を問う」公表

【2025.02.05配信】日本総研は2月5日、レポート「医薬品『零売』規制の妥当性を問う」を公表した。「処方箋医薬品以外の医薬品はOTC医薬品として薬局で薬剤師が堂々と販売できるようにする」ことが求められているとしている。


【リフィル処方箋動向】2024年6月に最高値/日本システム技術の調査

【リフィル処方箋動向】2024年6月に最高値/日本システム技術の調査

【2025.02.05配信】日本システム技術は2月4日、リフィル処方箋の普及状況に関する調査結果を公表した。それによると、診療報酬改定が施行された2024年6月に医科のリフィル処方率が向上、過去最高となった。改定などの各施策に一定の効果があったことが考えられるとしている。


【日本薬剤師会】第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議開催/3月10日に

【日本薬剤師会】第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議開催/3月10日に

【2025.02.04配信】日本薬剤師会は2月4日に定例会見を開いた。この中で第1回「大学教員薬剤師部会」全国会議を3月10日に開催すると報告した。


【大正製薬】4月から値上げ/10~20%アップ/目薬「アイリス」シリーズで

【大正製薬】4月から値上げ/10~20%アップ/目薬「アイリス」シリーズで

【2025.02.03配信】大正製薬株式会社(本社東京都豊島区、上原茂社長)は、2025年4月1日出荷分から一部製品の希望小売価格を改定すると公表した。