【中医協総会】地域支援体制加算の要件経過措置は3月末で終了。ただし、新要件の基準として令和元年の実績使用可能

【中医協総会】地域支援体制加算の要件経過措置は3月末で終了。ただし、新要件の基準として令和元年の実績使用可能

【2021.03.10配信】厚生労働省は3月10日に、中央社会保険医療協議会(中医協)を開催し、調剤報酬の地域体制加算の経過措置に関して質疑応答がなされた。


 同日の中医協では、「新型コロナウイルス感染症への対応とその影響等を踏まえた診療報酬上の取扱いについて」が確認された。

 現在の取扱いでは、経過措置のうち、令和2年9月30日を期限とするもので、患者の診療実績に係る要件については、新型コロナウイルス感染症による各医療機関への影響等を考慮し、令和3年3月31日までは令和2年3月31日時点で届け出ていた区分を引き続き届け出てよいなど、経過措置を令和3年3月31日まで延長している算定項目があった。

 調剤報酬では、「地域体制加算」が、令和3年3月31日まで延長されていた。

 この「地域支援体制加算」の算定の考え方について日本薬剤師会常務理事の有澤賢二氏が質問した。
 
 これに対し、事務局は、以下のように回答した。
 「地域支援体制加算の調剤基本料1を算定する保険薬局に適用される実績要件は令和2年改定で要件の見直しがあったが、令和3年3月までは従前の要件で良いとしていた。この措置に関しては令和3年3月31日までで終了となる。そのため、令和3年4月からは改めて、令和2年改定に定めた要件とした上で、その要件の実績に関しては令和元年分も使用することができる」

 令和2年分では、新型コロナウイルス感染症の影響により、通常ではない実績となることで算定要件を満たさなくなることが考えられるための措置となる。
 この日の中医協では、令和3年9月30日まで令和元年(平成31年)の実績値で判定可能とすることが了承された。運用の詳細に関しては、今後、事務連絡が発出される見通し。令和3年後半に関しても、引き続き検討していくことが確認されている。

 有澤氏は、「薬局では感染拡大防止策を講じたり、患者対応を行っている。厚労省でも、引き続き慎重な対応をお願いしたい」と要望した。

この記事のライター

関連する投稿


【一般用抗原定性検査キット】コロナ“第11波”で薬局入手困難に

【一般用抗原定性検査キット】コロナ“第11波”で薬局入手困難に

【2024.08.29配信】新型コロナウイルス感染症の“第11波”ともいわれる感染拡大で、一般用抗原定性検査キットが不足している。日本薬剤師会は厚生労働省に対し、不足解消に向けた措置を要望した。


【財政審】調剤報酬の適正化の文言、ほぼなし/「春の建議」

【財政審】調剤報酬の適正化の文言、ほぼなし/「春の建議」

【2024.05.21配信】財務省の財政制度等審議会が5月21日に開かれ、“春の建議”となる「我が国の財政運営の進むべき方向」を公表した。その中で調剤報酬の適正化に関わる文言はほぼ書き込まれなかった。


【夜間休日リスト】道薬、非会員情報収集を開始/副会長の山田武志氏、リスト化は「薬局体制の見える化の契機」

【夜間休日リスト】道薬、非会員情報収集を開始/副会長の山田武志氏、リスト化は「薬局体制の見える化の契機」

【2024.05.14配信】6月の調剤報酬改定施行を控えて、都道府県薬剤師会での夜間・休日対応リスト構築が急ピッチで進んでいる。北海道薬剤師会(道薬)では直接、道内の薬局の情報をGoogleフォームなどを活用して収集。非会員の情報収集も開始している。


【日本薬剤師会】夜間・休日対応で通知/5月9日までに都道府県薬の対応状況を回答

【日本薬剤師会】夜間・休日対応で通知/5月9日までに都道府県薬の対応状況を回答

【2024.04.27配信】日本薬剤師会は都道府県薬剤師会担当役員宛てに「地域における夜間・休日の医薬品提供体制(在宅含む)の構築、 リスト化及び周知等について【重要】(その5)」を発出した。5月2日の算定に係る届出開始、6月の施行を踏まえ、日薬として全国的な準備状況について確認するため、5月9日までのアンケート回答を依頼している。


【ウエルシアHD】調剤、地域⽀援体制加算の経過措置終了も粗利率維持/各種加算の取り組みにより

【ウエルシアHD】調剤、地域⽀援体制加算の経過措置終了も粗利率維持/各種加算の取り組みにより

【2023.07.10配信】ウエルシアホールディングスは7月10日、2024年2月期 第1四半期連結業績(2023年3月1日~2023年5月31日)を公表した。調剤報酬においては地域支援体制加算の経過措置の終了があったが、同社調剤事業では、各種加算の取り組みにより粗利率は維持したという。


最新の投稿


【厚労省_令和6年度医薬品販売制度実態把握調査】“濫用薬”販売方法で改善みられる

【厚労省_令和6年度医薬品販売制度実態把握調査】“濫用薬”販売方法で改善みられる

【2025.08.26配信】厚生労働省は8月22日、「令和6年度医薬品販売制度実態把握調査」の結果を公表した。同調査は、薬局・店舗販売業の許可を得た店舗が医薬品の販売に際し、店舗やインターネットで消費者に適切に説明を行っているかどうか等について調べたもの。令和6年度の調査は、前年度に引き続き一般用医薬品のインターネットでの販売状況や要指導医薬品の店舗での販売状況を含めた調査を実施した。


【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【スギHD】セキ薬品の株式の取得/持分法適用会社化

【2025.08.19配信】スギホールディングス株式会社は8月19日、埼玉県を中心に調剤併設型ドラッグストアを展開する株式会社セキ薬品の株式(3万7929株、持株比率 34.8%)を取得し、持分法適用会社とすることについて決定し、同日、株式譲渡契約を締結したと公表した。


【薬局DXコンソーシアム】病院が新たに加盟/社会医療法人 仁厚会

【薬局DXコンソーシアム】病院が新たに加盟/社会医療法人 仁厚会

【2025.08.19配信】薬局DXコンソーシアムに病院が加盟した。社会医療法人 仁厚会が会員となった。


【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【2025.08.08配信】日本薬剤師会が公表した「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト」。このうちの1つの事項である「地域の医薬品情報の把握・共有の取組」。この実践へ向けて情報共有のためのシステム選定の動きも活発化してきた。こうした中、メディカルシステムネットワーク(MSNW)では、もともと地域薬剤師会と共に開発を進めてきた「LINCLEちいき版」の提案を強化している。すでに10以上の都道府県薬剤師会への提案を進行中だという。


【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【2025.08.08配信】厚生労働省はこのほど、保険調剤「確認事項」(令和7年度改訂版)を公表した。2枚処方箋を受け付けることにより、投薬期間上限を超えるなどの不適切事例を指摘している。