これまで実質的にスイッチOTC化の可否を審議してきた「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」の運用方針が変わってから初めての薬食審一般薬部会となる。
「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」では、2月2日に「中間とりまとめ」を行い、「スイッチ OTC 化の可否の決定までは行わないこととなる」としていた。実際の個別成分の審議は薬食審一般薬部会で行われることになる。
3月3日に審議されるのは、イラクナ(有効成分:イトプリド塩酸塩)、バップフォーレディ、ユリレス(有効成分:プロピベリン塩酸塩)、ナシビンメディ(有効成分:オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩)の3つ。
イトプリド塩酸塩の医療用薬の効能又は効果は、慢性胃炎における消化器症状(腹部膨満感、上腹部痛、食欲不振、胸やけ、悪心、嘔吐)。
プロピベリン塩酸塩の医療用薬の効能又は効果は、下記疾患又は状態における頻尿、尿失禁神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁。
オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩の医療用薬の効能又は効果は、上気道の諸疾患の充血・うっ血(耳鼻科用)/じん麻疹、血管運動性浮腫、枯草熱、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、薬疹)、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽。
現在までに今年度で薬食審一般薬部会で審議、要指導薬に指定されたのはベルフェミン1成分のみ。今回の3成分審議は、検討会の方針転換によって要指導・一般用医薬品の審議が活発化に舵を切ったとも受け取れる。
【注目の薬食審一般薬部会3月3日に開催】イトプリド塩酸塩、プロピベリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩の3つのOTCを審議
厚生労働省は、3月3日に「薬事・食品衛生審議会 要指導・一般用医薬品部会」(薬食審一般薬部会)を開催することを告知した。企業の知的財産等が開示され、特定の者に不当な利益もしくは不利益を与えるおそれがあるため非公開の開催。イラクナ(有効成分:イトプリド塩酸塩)、バップフォーレディ、ユリレス(有効成分:プロピベリン塩酸塩)、ナシビンメディ(有効成分:オキシメタゾリン塩酸塩/クロルフェニラミンマレイン酸塩)の3つが審議される。
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