マツキヨとココカラの統合効果、「3年目で数百億円」/ココカラファイン塚本社長語る

マツキヨとココカラの統合効果、「3年目で数百億円」/ココカラファイン塚本社長語る

【2020.11.25配信】ココカラファインは、2021年3月期 第2四半期決算説明会の動画を公開し、その中で塚本厚志社長は、マツモトキヨシホールディングスとの業務資本提携によるシナジー効果を「統合3年目で数百億円を見込む」と語り、統合の効果を強調した。


今後は両社で顧客販促と物流コスト削減

 資本業務提携によるシナジー効果の早期実現を目指し、すでに医薬品を含むNB(ナショナルブランド)のMD(商品政策)統一、PB(プライベートブランド)の相互供給、共同開発を進めているとした。先行発売等の共同企画も積極的に実施している。
 
 物販を行うほぼ全店舗となる1200店舗でMDの統一を行っており、全店の棚割り変更も行っているとした。

 シナジー効果は下期で40億円、年間で80億円規模を計画しているとした。
 PBについては相当数の導入が進んでいるとし、9月末に1200SKUであったPBは、3月末には1600SKUに増加する見込みという。売上高に占めるPB比率も現状の7.8%から、10%まで伸長する見込みという。

 上期ではMD統一へ向けて、棚割りの統一化を行った結果、廃棄する商品も出たため、特別損失43億円を計上した。これに関し、「年間80億円規模のシナジー効果を継続的に得るために一過性の損失を計上したもの」と説明した。

 「経営統合後、3年目をメドに両社合算で数百億円のシナジー効果が出現する計画を立てている」(ココカラファイン塚本社長)。

 商品政策に加え、今後は、顧客販促や1店舗当たりの物流コストの削減、決済手法の統一を手掛けていくとした。
 
 調剤事業においても、マツモトキヨシHDと医薬品、医療機器の共同調達によりシナジー効果を得ていく方針。

フタツカHD子会社化で「調剤とドラッグが連携」

 また、11月12日に全株式を取得し、子会社化したフタツカホールディングスに関しては、関西エリアのドミナントが深耕すると説明。
 フタツカホールディングスの売上規模は119億円で、店舗数は70店舗、うち69店舗が調剤薬局だ。
 ココカラファインは、こうしたフタツカHDの調剤薬局とドラッグストアが連携することなどを通して、「患者さまや生活者の予防、未病、治療のサポートをより一層、進められる地域ヘルスケアネットワークの構築が実現される」との考え。

調剤薬局出店は計画増、ドラッグ店の出店は計画下方修正

 通期出店計画については、フタツカHDの子会社化により調剤薬局が期初計画を上回る一方、ドラッグストアの期初出店は計画を下回る見込み。
 調剤薬局は期初は17店舗の出店を計画していたが、91店舗の出店計画に大幅に見直し。ドラッグストアに関しては期初計画では65店舗の出店を計画していたが、修正計画では51店舗の出店とし、14店舗減少する想定となっている。
 退店を含め、期末店舗数は1456店舗を計画する。

 同社は調剤事業に関して、敷地内薬局をはじめとしたより専門性の高い薬局づくりを展開していく方針。今後、4拠点で敷地内薬局開局の予定があるとした。
 さらに地域密着型薬局として健康サポート薬局も推進し、2022 年には 100 店舗の拠点数を計画するとした。
 調剤事業規模は来期にはおおよそ800億円になる見込みという。

*****
 フタツカHDの買収や出店計画から、調剤事業をココカラファインが、物販事業をマツモトキヨシHDが主導するような、相乗効果を高める役割分担の姿もみえてきた。

【第2四半期】ココカラファイン、売上高-7.8%、営業利益-19.9%

https://www.dgs-on-line.com/articles/506

【2020.11.12配信】ココカラファインは2021年3月期 第2四半期決算を公表した。それによると、前年同期比は売上高-7.8%、営業利益-19.9%などとなっている。

この記事のライター

関連する投稿


【ツルハHD】調剤の売上構成比11.3%に/調剤粗利率は▲1.0ポイント減/2023年5月期第2四半期決算

【ツルハHD】調剤の売上構成比11.3%に/調剤粗利率は▲1.0ポイント減/2023年5月期第2四半期決算

【2022.12.20配信】ツルハホールディングスは12月20日、2023年5月期第2四半期の連結業績(2022年5月16日~2022年11月15日)について説明会を行った。調剤事業は開局により処方箋枚数が増加し、順調に伸長。調剤売上は対前年同期比108.9%の546億6100万円だった。対売上の構成比は11.3%となった。一方、薬価・調剤報酬改定により調剤事業の粗利率は低下。前年同期の粗利率39.6%から1.0ポイント減となる38.6%となった。


【薬王堂HD】2022年2月期決算/売上+8.8%、営業利益−18.8%/358店舗中、調剤併設4店舗、調剤専門薬局2店舗も「調剤は堅調に推移」

【薬王堂HD】2022年2月期決算/売上+8.8%、営業利益−18.8%/358店舗中、調剤併設4店舗、調剤専門薬局2店舗も「調剤は堅調に推移」

【2022.04.06配信】薬王堂ホールディングスは4月5日、2022年2月期の連結業績(2021年3月1日~2022年2月28日)を公表した。それによると、前期比は売上+8.8%、営業利益−18.8%などだった。同社は358店舗中、調剤併設4店舗、調剤専門薬局2店舗だが、調剤に関して「堅調に推移」したとしている。


【クスリのアオキHD】第3四半期末までに100薬局開設/併設店は460店となり併設率58.1%に/22年5月期第3四半期決算

【クスリのアオキHD】第3四半期末までに100薬局開設/併設店は460店となり併設率58.1%に/22年5月期第3四半期決算

【2022.03.30配信】クスリのアオキホールディングスは3月30日、2022年5月期第3四半期の連結業績(2021年5月21日~2022年2月20日)を公表した。それによると、2022年5月期第3四半期末までにドラッグストア併設調剤薬局を100薬局、新規に開設。ドラッグストア792店舗のうち、調剤薬局併設は460店舗となった。併設率は約6割になる。


【スギHD】生協向けも手掛けるeコマース事業者スクロール社と業務提携/在宅支援強化へ

【スギHD】生協向けも手掛けるeコマース事業者スクロール社と業務提携/在宅支援強化へ

【2022.02.21配信】スギホールディングスは、国内でe-コマース事業等を展開する株式会社スクロール(所在地:静岡県浜松市中区佐藤二丁目 24 番1号、代表取締役社長 鶴見 知久氏)と業務提携することで合意したと発表した。来店が困難となっている高齢者への在宅物販拡充を目指しているとみられる。


【第3四半期決算】サンドラッグ、売上+2.3%、営業利益−8.5%

【第3四半期決算】サンドラッグ、売上+2.3%、営業利益−8.5%

【2022.02.15配信】サンドラッグ は2月14日、2022年3月期 第3四半期決算業績を公表した。それによると、売上高は4916億5900万円(前年同期比2.3%増)、営業利益274億4100万円(同8.5%減)、経常利益279億5300万円(同8.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益190億400万円(同8.3%減)だった。


最新の投稿


【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【2025.05.01配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ(第5回)」が5月1日、開催された。その中で令和7年3月14日に開催された「第2回健康・医療・介護 WG」に関する委員・専門委員からの追加質疑・意見に対する厚生労働省の回答を公表した。


【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【2025.04.30配信】東京都薬務課は4月30日に定例会見を開き、都が毎年行っている健康食品試買調査の結果を説明した。124製品中、98製品、79%に不適正な表示、広告が発見されたという。医薬品的な効能効果の標榜を禁止している薬機法違反も多いが、景品表示法、食品表示法、特定商取引法などの違反も見られる、都では複数の法律で規制されている健康食品を取り扱う事業者に向けて講習会を開いており、講習会参加なども生かして法令遵守に取り組んでほしいとしている。


【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について

【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について

【2025.04.28配信】厚生労働省は4月25日、診療報酬改定についての「疑義解釈(その24)」を発出した。「医療DX推進体制整備加算」の施設基準の1つであるマイナ保険証利用率について回答。4月については在宅患者を分母から引いて構わないとしている。現在は通常の外来患者がマイナ保険証を利用した場合のみが反映されているため。5月以降については、居宅同意取得型のオンライン資格確認によるマイナ保険証利用件数が社会保険診療報酬支払基金から通 知するマイナ保険証利用率集計に含まれる予定。


【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼

【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼

【2025.04.26配信】日本薬剤師会は電子おくすり手帳簡易ビューワーアプリ「e薬 SCAN」について、他職種への周知依頼を都道府県薬剤師会宛てに発出した。


【財政審】 後発薬調剤体制加算等、政策目標の達成状況を踏まえ「必要に応じ報酬体系の再編を」

【財政審】 後発薬調剤体制加算等、政策目標の達成状況を踏まえ「必要に応じ報酬体系の再編を」

【2025.04.23配信】財務省は4月23日に財政制度等審議会「財政制度分科会」を開催した。


ランキング


>>総合人気ランキング