5月22日の会見には担当役員である副会長の渡邊大記氏が会見に出席。「要指導・一般用医薬品等販売の総合手引き」を公表したことを説明した。
同手引きは、これまでも日薬が発出していたいくつかの文書について、改正薬機法を受け内容を見直し・整理したことに加え、複数の文書を統合した。
すでに発出していた法令遵守の販売方法を実践するための“手順書”のモデルに加え、「販売時以外に求められる対応」なども含まれている。
第1章では改正の内容を解説。第2章では法改正の趣旨を踏まえて薬剤師が行うべき(又は望ましい)と考えられる販売、情報提供についてまとめている。
例えば要指導医薬品では「誰が販売したか」を明らかにし、「販売者責任」を明確にすることが重要だと指摘している。「販売者責任」とは同手引きの造語であるが、販売した者が負うべき責任と役割の重さを喚起する目的で用いているとされる。
販売後にも適切な対応が求められるとしており、連絡先を伝えることも推奨されている。
「標準的な販売手順」では情報収集から状況の評価(トリアージ)、養生法を含めた生活への指導、販売可否や継続可否の判断、受診勧奨、販売後のモニタリング、相談対応などのフロー図も示している。
お薬手帳への販売記録の記載、対面話法例示集を参考に、質問方法の組み合わせや選択についてあらかじめ習熟しておく必要があるともしている。症候把握のための質問方法の例も提示している。
受診勧奨では「患者案内状」の例も添付している。
厚労省は改正薬機法に絡み、4月30日付け「一般用医薬品等の適正使用のための情報提供等及び依存の疑いのある事例の副作用等報告の実施について」の通知を発出。指定濫用防止医薬品が規定されたことを含め、改めて一般用医薬品等の服用をやめようとしてもやめることができない事例等を医薬関係者が把握した場合で、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認める時に、副作用報告を求めている。
今回、日薬が公表した「総合手引き」でも、有害事象の報告は薬剤師の重要な役割であることを「強く認識する必要がある」としている。
求められる「事後対応」では、販売後であっても副作用発現などのモニタリングや販売した医薬品が相互作用をもたらす薬剤が、将来その使用者に処方されないかどうかの監視を挙げている。
医薬品の濫用についても記載。改正薬機法で指定濫用防止医薬品が規定されたことを挙げ、背景に過剰使用や、いわゆるオーバードーズという社会問題があるとし、社会生活における孤独感や生きづらさからの逃避の手段ともなっていることから、薬剤師はこの現状を理解し、他職種につなぐゲートキーパーになることが求められているともしている。
第3章「販売時以外に求められる対応」では安全性評価に資する情報の収集についても記載。より薬剤師の専門的な判断と指導の必要な医薬品が承認・販売されていることから、これまで以上に薬剤師には職能を果たすために安全性に関する情報を積極的に収集するとともに指導にいかすための手順を業務の中に確立しておくことが望まれるとしている。
薬剤師職能をいかした相談応需としては、PMDAに承認情報が開示されているため活用できるほか、対応のために類似する医療用医薬品の情報や学術書籍等を活用することも必要とした。
調剤の薬歴やお薬手帳へ記載しその後の円滑な対応に努めることも記載している。
改正薬機法では指定濫用防止医薬品の規定だけでなく、薬剤師の関与を義務とする要指導医薬品にとどめおくことができる特定要指導医薬品が規定された。
加えて、政策に目を向ければOTC類似医薬品の一部保険適用除外制度の詳細も議論されている中、薬剤師とOTC医薬品の関わりには変化も生じている。
今回の「同号手引き」の刊行の辞で日薬会長の岩月進氏は、「会員各位におかれては、これまで以上に要指導医薬品や一般用医薬品販売に積極的な取り組みを進め、それらの活動を通じ、地域住民ひいては国民の健康な生活を確保するための一助として本手引きをご活用いただければ幸いである」とメッセージを発信している。
また、会見の場では、「こうしたものをまとめて出すことによって、OTC薬販売のマネジメントに関して(薬剤師の)意識を新たにしていただいたり、若い薬剤師であれば、こういうものを読んでOTC薬を一生懸命やってみようとか、そういう機会にもなればないいなと思っている」(岩月会長)と話した。