【改正薬機法_認定薬局】“上乗せ”機能に基準明確化の意見/厚労省検討会

【改正薬機法_認定薬局】“上乗せ”機能に基準明確化の意見/厚労省検討会

【2025.05.19配信】厚生労働省は5月19日、「第14回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」を開催し、改正薬機法で新設される「健康増進支援薬局」など、認定薬局の基準について議論した。構成員からはこれまでの基準には基本的な薬局機能まで含まれているため、今後の基準においては“上乗せ”の機能を基準にしていくべきなどの意見が出た。


COML山口氏、健康増進支援薬局基準について「在宅ということを外せば手挙げ増えるのでは」

 これまで届出とされてきた「健康サポート薬局」について、改正薬機法では「健康増進支援薬局」との名称で、都道府県知事の認定による「認定薬局」とすることとなった。他方、現在もすでに認定薬局としては「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」がある。
 
 それぞれの位置付けがわかりづらいなどの意見もこれまで示されてきたことから、基準をより明確化する方向で議論されている。
 例えば、在宅医療への機能は、健康サポート薬局にも、地域連携薬局にも基準として設けられている。

 認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、健康サポート薬局制度創設から10年が経つものの認知度が低いことを指摘し、基準について「非常に明確にしていかないと違いが分かりにくいのではないか」と指摘した。その上で、健康増進支援薬局では在宅実績要件は不要ではないかとの考えを示した。「基準を見てますと(地域連携薬局と健康サポート薬局の)両方とも在宅(の実績要件)が入っている。在宅ということを外せば、健康増進支援薬局として認定してほしいとそこに頑張ってやるんだと手を挙げるところが増えるのではないか」(山口氏)とした。他方、地域連携薬局の在宅要件は拡充を求めた。「同時に地域連携薬局は在宅に力を入れているところだというふうに私は受け止めているが、平均月2回以上というのはもうちょっと実質的にやっているところというふうにしないと」とした。

日薬橋場氏、健康サポート薬局の現行基準について「薬局の基本的な機能についても基準化されてしまっている」

 日本薬剤師会常務理事の橋場元氏は、上乗せの基準に限定していくべきとの趣旨の発言をした。健康増進支援薬局も地域連携薬局も薬局としての基本的な機能は前提であるとした上で、「基本的な機能の担保を求める観点と、認定薬局に求める観点が混在してしまうと、本来の趣旨がわかりにくくなるということもあろうかと思う。その点は工夫が必要」と述べ、「例えば現行の健康サポート薬局は薬局の基本的な機能についても基準化されてしまっており、地域連携薬局は(基本機能は)前提となっているということで基準となっていない。(今後の)基準を策定する際にはまず地域においてどうしても必要である機能を整理し全ての薬局が有すると考えた上で、それぞれの認定薬局は地域で求める内容の上乗せをする部分について基準化していくべきだと思う」とした。「それぞれの基準はメリハリはあって良いのではないか」とした。

この記事のライター

関連する投稿


【厚労省】改正薬機法「指定濫用防止医薬品」の一定数量以上の販売規制、18歳未満に

【厚労省】改正薬機法「指定濫用防止医薬品」の一定数量以上の販売規制、18歳未満に

【2025.07.23配信】厚生労働省は7月23日、厚生科学審議会「医薬品医療機器制度部会」を開き、改正薬機法で定める「指定濫用防止医薬品」の販売方法について議論した。施行日に関する政令は閣議決定され、令和8年5月1日となった。


【東京都薬務課】改正薬機法成立にコメント/“濫用薬”規制強化等の変更に準備

【東京都薬務課】改正薬機法成立にコメント/“濫用薬”規制強化等の変更に準備

【2025.05.28配信】東京都薬務課は5月28日に定例会見を開き、改正薬機法が成立したことについてコメントした。


【日本薬剤師会】改正薬機法成立を受けてコメント発表

【日本薬剤師会】改正薬機法成立を受けてコメント発表

【2025.05.14配信】日本薬剤師会は5月14日、改正薬機法が成立したことを受けてコメントを発表した。


【改正薬機法】参院本会議で可決、成立

【改正薬機法】参院本会議で可決、成立

【2025.05.14配信】今国会で審議されていた改正薬機法案が衆議院に続き、5月14日に参議院本会議で可決、成立した。


【専門医療機関連携薬局】「HIV」「小児(疾病)」追加を検討へ/厚労省検討会

【専門医療機関連携薬局】「HIV」「小児(疾病)」追加を検討へ/厚労省検討会

【2024.12.16配信】厚生労働省は、認定薬局の1つである「専門医療機関連携薬局」について、現行の「がん」に加え、「HIV」、「小児(疾病)」について検討することとし、関係者へのヒアリングを実施していく方針を示した。「第11回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で示したもの。


最新の投稿


【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【2025.09.30配信】このほど、抗血小板剤「エフィエント錠3.75㎎」のPTPシートに印字されたGS1コード(調剤包装単位コード)に誤りがあったとして、製造販売元の第一三共より報告がされている。それを受け、日本薬剤師会でも注意喚起の文書を発出した。


【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【2025.09.30配信】医薬品の流通を担う社会インフラ企業であるアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福神雄介氏)は、2025年10月12日(日)~13日(月・祝)に国立京都国際会館にて開催される「第58回日本薬剤師会学術大会」に出展する。「かかりつけ薬剤師の新たな挑戦!健康・生活を支える商品と信頼」をテーマに、医療現場の業務効率化と患者様の満足度向上に貢献するソリューションを紹介する予定。


【日本薬剤師連盟】神谷まさゆき氏を組織内統一候補に選任

【日本薬剤師連盟】神谷まさゆき氏を組織内統一候補に選任

【2025.09.26配信】日本薬剤師連盟は9月25日に開催した臨時評議員会で、組織内統一候補に神谷まさゆき参議院議員を選任した。神谷氏が自身のSNSで報告した。


【健保連】OTC薬に代替可能な薬や簡易な検査「保険給付から除外」を/『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』

【健保連】OTC薬に代替可能な薬や簡易な検査「保険給付から除外」を/『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』

【2025.09.25配信】健康保険組合連合会は9月25日、新たな提言『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』を公表した。OTC医薬品に代替可能な医療用医薬品や簡易な検査などについて、保険給付から除外あるいは給付割合の見直しを図ることなどを提言している。同種同効の医薬品のうち、正当な理由なく、より高額な医薬品を選択する場合に自己負担を増加させる選定療養の活用も提案している。


【日薬】緊急避妊薬のスイッチ化でパブコメ提出/「賛成」

【日薬】緊急避妊薬のスイッチ化でパブコメ提出/「賛成」

【2025.09.25配信】日本薬剤師会は9月25日、定例会見を開き、緊急避妊薬のスイッチOTC化に関して、パブコメを提出したことを説明した。


ランキング


>>総合人気ランキング