【東京都薬務課】改正薬機法成立にコメント/“濫用薬”規制強化等の変更に準備

【東京都薬務課】改正薬機法成立にコメント/“濫用薬”規制強化等の変更に準備

【2025.05.28配信】東京都薬務課は5月28日に定例会見を開き、改正薬機法が成立したことについてコメントした。


 東京都薬務課の中島真弓課長は、改正薬機法成立へのコメントを求められると、「自治体業務が影響する内容が入っている。円滑に施行できるように準備していきたい。詳細はこれから詰めることになるが、厚労省ともコミュニケーションをしっかりとって進めていきたい」と話した。

 特に関連の深い変更点を問われると、中島課長は「変更点のどれが重たい、軽いということはないが、薬局の販売関連でいえば、濫用の恐れのある医薬品の規制の強化がある」と指摘。 薬務課としては、まずは施行にあたっては薬局などの販売事業者に正しい販売方法を理解してもらうための取り組みを展開していく方向。

 都ではこれまでもネット事業者における濫用の恐れのある医薬品販売において、最初から販売が可能となる対象者となることが想定される選択肢にチェックがついている、いわゆる「デフォルト表示」の指摘に関しては、ネット事業者にすでに変更を求めてきたことも明かし、主要企業においては適正化が図られているとの感触も示した。

 医薬品の販売制度変更にあたっては、事業者から変更内容の周知が足りないとの指摘が出ることもあるが、都としては関連団体との密な情報共有をこれまでも進めてきており、今後も何かわかりづらいとの指摘があれば対応を検討していきたいとした。これまでも団体の講習会やイベント等を活用した制度変更周知を行ってきたという。

 加えて、薬局関連では認定薬局への対応を挙げた。中島課長は「都民の方に活用いただけるように周知をしていきたい」とした。現在も認定薬局に関しては都民向けのリーフレットを作成しており、関連団体イベントでも活用なども展開してきた。

 認定薬局に関しては、過去に認定薬局のスタート時にも、都としての受付窓口や事前相談受付開始時期などの周知にも努めてきたとし、今回も申請事業者が窓口で混乱しないよう進めたい考え。
 中島課長は「法律に円滑に対応するためには都の業務だけでなく、事業者に正しく制度を理解してもらい運用してもらうことが重要だ」と話した。

 特定調剤業務の外部委託が可能になることについては、「目的は対人業務の充実であり、具体的にどう変わっていったかということに関心はある」(中島課長)と述べた。

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