【東京都薬務課】薬物乱用「都民大会」開催/市販薬OD問題を高校生とともに考える

【東京都薬務課】薬物乱用「都民大会」開催/市販薬OD問題を高校生とともに考える

【2024.10.30配信】東京都薬務課は10月30日に定例会見を開き、11月17日(日)に「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動都民大会」を開催することを説明した。今年は違法薬物だけでなく、市販薬の過量服用、いわゆるオーバードーズの社会問題化を受け、特定非営利活動法人八王子ダルク代表理事(施設長)の加藤隆氏の講演も実施。「薬物乱用防止高校生会議」の成果発表や、講師と高校生による「大切な自分を守るための薬物乱用防止授業」を通じて、青少年及びその保護者世代に薬物乱用防止を強く訴えたいとしている。参加は記事内のフォームより申し込みできる。


 東京都薬務課は会見で、都民大会について、違法薬物の問題に加えて社会問題化している市販薬の過量服用、いわゆるオーバードーズ(OD)の問題を高校生と一緒に考えられないかとの視点から企画したと説明した。防止授業のテーマにも掲げたように、「大切な自分を守るためにともに考えるきっかけにしてほしい」(薬務課)とする。

 東京都は、薬物乱用の根絶を図るために全国一斉に実施している麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動(10月1日から11月30日まで)の一環として、「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動都民大会」を開催する。

 近年、SNS等において「大麻に有害性はない」などの誤った情報が広まっており、若年層の間で大麻乱用が拡大していることなどを都は憂慮。また、10代・20代の間では、心の悩みや生きづらさなどを背景として市販薬を過剰摂取する、いわゆるオーバードーズが増えていることも大きな問題と捉えている。
 都は、麻薬、覚醒剤、大麻などの違法薬物に手を出さないためには、「正しい知識」と「断る勇気」を持つことが大切であり、心の悩みなどは専門機関への早期相談が重要としている。

 今回開催する都民大会では、薬物乱用防止高校生会議の成果発表や、講師と高校生による「大切な自分を守るための薬物乱用防止授業」を通じて、青少年及びその保護者世代に薬物乱用防止を強く訴える。

 開催概要は以下の通り。

1 開催日時
令和6年11月17日(日曜日)午後1時00分から午後3時20分まで
※薬物乱用防止企画展示(パネル展示等)は、午後0時30分から午後4時00分まで

2 開催場所
東京都庁第一本庁舎5階 大会議場(東京都新宿区西新宿2-8-1)

3 応募方法
受付は先着順とし、定員になり次第、締め切る。
募集人数:260名(入場無料)

募集期間:令和6年10月9日(水曜日)午後2時00分から11月12日(火曜日)正午まで

応募方法:申込みフォーム(外部サイトへリンク)からお申し込み
https://logoform.jp/form/tmgform/748234

応募先:東京都保健医療局健康安全部薬務課麻薬対策担当

4 実施内容(予定)
◎式典 13時00分~13時15分     
(1)主催者・来賓紹介
(2)東京都保健医療局長挨拶
(3)厚生労働大臣メッセージ紹介
◎表彰式 13時15分~13時45分      
(1)薬物乱用防止に功績のあった者に対する表彰式
(2)薬物乱用防止ポスター・標語東京都選考入賞者表彰式
(3)薬物乱用防止活動率先校表彰式
◎13時45分~14時00分 休憩
◎14時00分~14時20分 薬物乱用防止高校生会議活動成果発表
◎14時20分~15時00分 薬物乱用防止教室特別版 大切な自分を守るために
◎15時00分~15時20分 大会宣言(薬物乱用防止高校生会議参加生徒による宣言)

 なお、薬物乱用防止教室特別版講師となる加藤隆氏(特定非営利活動法人八王子ダルク 代表理事、施設長)の紹介は以下の通り。
 自身もダルクにてプログラムを受け回復した薬物依存症当事者である。現在はダルクにて薬物依存症者からの相談や回復プログラムを実施している。また、国立精神・神経医療研究センターに研究員として所属する傍ら、 東京都立多摩総合精神保健福祉センターの非常勤相談員や、刑務所、少年院の薬物依存離脱指導員としても活動している。

 
 また、「薬物乱用防止高校生会議」は、東京都保健医療局が平成11年度から始めた取り組み。薬物乱用防止について、高校生自らが講義や施設見学等を通じて学習を深め、その成果を同世代に向けたメッセージにまとめ、広く発信していくという事業となっている。

この記事のライター

関連する投稿


【厚労省_令和6年度医薬品販売制度実態把握調査】“濫用薬”販売方法で改善みられる

【厚労省_令和6年度医薬品販売制度実態把握調査】“濫用薬”販売方法で改善みられる

【2025.08.26配信】厚生労働省は8月22日、「令和6年度医薬品販売制度実態把握調査」の結果を公表した。同調査は、薬局・店舗販売業の許可を得た店舗が医薬品の販売に際し、店舗やインターネットで消費者に適切に説明を行っているかどうか等について調べたもの。令和6年度の調査は、前年度に引き続き一般用医薬品のインターネットでの販売状況や要指導医薬品の店舗での販売状況を含めた調査を実施した。


【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【2025.04.30配信】東京都薬務課は4月30日に定例会見を開き、都が毎年行っている健康食品試買調査の結果を説明した。124製品中、98製品、79%に不適正な表示、広告が発見されたという。医薬品的な効能効果の標榜を禁止している薬機法違反も多いが、景品表示法、食品表示法、特定商取引法などの違反も見られる、都では複数の法律で規制されている健康食品を取り扱う事業者に向けて講習会を開いており、講習会参加なども生かして法令遵守に取り組んでほしいとしている。


【“濫用薬”】デキストロメトルファン、「直ちに指定を」/嶋根研究班

【“濫用薬”】デキストロメトルファン、「直ちに指定を」/嶋根研究班

【2025.04.15配信】国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所は、「濫用等のおそれのある医薬品の成分指定に係る研究(2024年)」の報告書をホームページに掲載した。


【市販薬の乱用】中学生にも/過去1年間の経験率は1.8%、55人に1人/嶋根研究班

【市販薬の乱用】中学生にも/過去1年間の経験率は1.8%、55人に1人/嶋根研究班

【2025.04.15配信】国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所は、「飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査(2024年)」の報告書をホームページに掲載した。


【東京都薬務課】医薬品含有製品情報/SNS経由の入手も

【東京都薬務課】医薬品含有製品情報/SNS経由の入手も

【2025.02.26配信】東京都薬務課は2月26日、定例会見を開き、医薬品成分を含有した製品の発見について報告した。


最新の投稿


【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本保険薬局協会は9月11日、定例会見を開いた。この中で9月10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会の「調剤について」の議論の中で病院薬剤師の不足に関して多くの意見が出たことについてコメントした。


【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本薬剤師会は9月11日に定例会見を開いた。その中で岩月進会長は、10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会で、「調剤」の議題の中で「病院薬剤師」について多くの意見が挙がったことについてコメントした。


【日本薬剤師会】薬剤師PR資材を制作/「親子で知る薬剤師のお仕事」

【日本薬剤師会】薬剤師PR資材を制作/「親子で知る薬剤師のお仕事」

【2025.09.11配信】日本薬剤師会は9月11日に定例会見を開き、その中で薬剤師PR資材「親子で知る薬剤師のお仕事」を制作したと説明した。リーフレットのほか、短編動画も制作した。


AIエージェント活用したレセコン・薬歴開発へ/三菱電機デジタルイノベーション

AIエージェント活用したレセコン・薬歴開発へ/三菱電機デジタルイノベーション

【2025.09.10配信】三菱電機デジタルイノベーション株式会社(東京都千代田区、代表取締役 取締役社長:武田 聡氏)は、「AI エージェントが生みだす新たな薬局体験」をコンセプトとし、レセプトコンピュータ(以下「レセコン」)と電子薬歴を融合した「保険薬局向けオールインワンプラットフォーム」の開発に着手したと公表した。本サービスのプロトタイプを、2025年10月12日から開催される「第58回 日本薬剤師会学術大会」に参考出展する予定。


【厚労省】緊急避妊薬のスイッチOTC薬を承認へ/改正薬機法初の「特定要指導医薬品」に指定

【厚労省】緊急避妊薬のスイッチOTC薬を承認へ/改正薬機法初の「特定要指導医薬品」に指定

【2025.08.29配信】厚生労働省は8月29日、薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」を開催。緊急避妊薬「レボノルゲストレル」(一般名、あすか製薬)のスイッチOTC化を了承した。改正薬機法で規定する「特定要指導医薬品」として初めて指定した。


ランキング


>>総合人気ランキング