通称“韓国トウキ”で肝機能の値が高値を示す等の症状報告が端緒に
今回の会見で説明された医薬品含有製品の発見は2製品。いずれも同日、厚労省からも注意喚起されている。
1つ目は「ゼネラルバランス デカシン」。2月5日に都が情報発信。
都内で販売されていた製品を摂取後に、因果関係の断定には至らなかったものの、肝機能の値が高値を示す等の症状が発生したとの情報を入手したことを端緒として、都において調査を行ったところ、当該品に医薬品成分である「オニノダケの根」を含有している事実が判明した。
「オニノダケ」は「韓国トウキ」とも呼ばれるが、日本のトウキとは含有成分などに違いがあり、「オニノダケ」含有製品は日本ではあまり流通していないという。同品も韓国から輸入されていたもの。「オニノダケ」は医薬品ではないが、その「根」は医薬品区分。
端緒となった肝機能の値の高値に関する情報は、使用者が持病により医療機関等で受診・検査等を行っている際に明らかになったものとみられる。
SNSを介して、外国籍の人が同じ国の人のコミュニティの中で売買したものとみられるものも
2つ目は「TOKI スリミング」。
都内において製品を摂取後に、因果関係の断定には至らなかったものの、腹痛、発熱等の症状が発生したとの情報を入手したことを端緒として、都において調査を行ったところ、2月6日に当該品の表示に医薬品成分である「シッサス・クアドラングラリス」を含有している旨の記載があることが判明し注意喚起。その後、2月14日に医薬品成分である「シブトラミン」の検出が確認された。
製品の流通経路等については、現在調査中。SNSを介して、外国籍の人が同じ国の人のコミュニティの中で売買したものとみられ、調査が難しい面もあるようだ。
健康食品の健康被害防止策には薬剤師会との連携も掲げられている
今回は、医薬品含有製品の発見ではあったが、「いわゆる健康食品」においても、健康被害防止が求められていることは周知の通りだ。
薬局・薬剤師においても従来より健康食品の使用実態を聞き取っているところではあるが、摂取による健康被害が疑われる場合は、保健所に報告が必要だ。入手経路が多様化している点も注意が必要だろう。
いわゆる「健康食品」の健康被害防止対応については令和6年8月に厚労省から通知も出ている。通知ではこれまでの保健所への報告に加えて、医師会、薬剤師会、栄養士会との連携も掲げられている。地域の医師会、薬剤師会、栄養士会を通じて、個々の医師、薬剤師、管理栄養士等が保健所に情報提供を行うこと等に関する周知・協力要請をすることなどが記載されている。
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc8702&dataType=1&pageNo=1
都でも円滑な情報収集や解析へ向けて、医薬品と食品の管掌部署の連携を図っているという。