【東京都】“濫用薬”ネット販売でルール遵守の形骸化例を確認/監視事業で

【東京都】“濫用薬”ネット販売でルール遵守の形骸化例を確認/監視事業で

【2025.01.28配信】東京都薬事審議会が1月28日に開かれ、薬事監視指導に関連する事業内容について報告があった。


“濫用薬”販売で購入できる内容がデフォルトに/購入者が情報の選択必要なく

 東京都薬務課では、過量服薬(いわゆるオーバードーズ)の社会問題化を受け、薬事監視指導を強化している。

 濫用等のおそれのある医薬品については、インターネット試買監視事業を実施。
 サイト上で同時に複数個購入できそうなサイトで、実際に試買したところ、4サイト中4サイト全てで濫用薬が同時に複数個購入することができた。
 同一サイトで連続する日程で同一製品を購入しようとしたところ、6サイト中5サイトで実際に購入ができた。
 同一店舗が複数のネットショッピングモールで出店している場合、異なるサイトで同一製品を同日に購入できたのは14サイト中9サイトあった。

 さらに、法施行規則で求められている確認事項に関して、あらかじめ購入できる内容の記載がデフォルトになっており、購入者が選択する必要なく購入できる表示になっているサイトが24サイト中8サイトあった。
 販売ルールの遵守が形骸化している事例が確認された。

 濫用のおそれのある医薬品の販売では購入者が子供(高校生、中学生等)である場合は氏名、年齢、使用状況を確認する必要があるほか、同じ医薬品を他店で買っていないか、すでに所持していないか等を確認することが求められている。購入は、原則1人1包装で、理由や使用状況等を確認して支障がない場合に限り販売が可能となっている。

 確認された事例は販売ルール違反であり、都としては保健所に情報提供し、保健所で改善することを確認済みとなっている。 

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