【厚労省】後発薬の「ロードマップ」策定・公表

【厚労省】後発薬の「ロードマップ」策定・公表

【2024.09.30配信】厚生労働省は9月30日、「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」及び「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」を策定・公表した。


 後発医薬品使用の数値目標については、令和6年3月14日開催の社会保障審議会(医療保険部会)において、令和6年度からの新目標が決定されていた。一方で、後発医薬品産業がいまだ品質や安定供給の観点から脆弱性を抱えていることが明らかとなっている状況でもある。
 厚労省では、こうした状況を踏まえ、このほど、現下の後発医薬品を中心とした医薬品の供給不安に係る課題への対応を基本としつつ、後発医薬品を適切に使用していくための取組を整理するため、2013年(平成25年)に策定した「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を改訂。「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」(ロードマップ)を策定した。
 また、新目標においてバイオ後続品の数値目標が新たに副次目標の1つとして設定されたことを踏まえ、ロードマップの別添として、「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」も策定した。
 なお、数値目標は主目標として「医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上(旧ロードマップから継続)」。副次目標①は「2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上」。副次目標②は「後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上」。

 

新目標の達成に向けた取組施策/金額ベースでの薬効分類別等の後発医薬品置換率情報の提供など

 ロードマップでは、新目標の達成に向けた取組施策として、以下の「使用環境の整備に係る取組」を掲げる。
・的を絞った使用促進を可能とするため、数量ベースに加え、金額ベースでの薬効分類別等の後発医薬品置換率情報の提供【令和6年度開始】
・都道府県協議会を中心として、金額ベースでの薬効分類別等の後発医薬品置換率も参考に、後発医薬品の使用促進を実施【令和6年度開始】
・都道府県医療費適正化計画への、後発医薬品の数量・金額シェア、普及啓発等の施策に関する目標や取組の設定等による、後発医薬品の使用促進【引き続き実施】
・差額通知事業の推進による、患者のメリットの周知【引き続き実施】 等

 「医療保険制度上の事項に係る取組」は以下の通り。
・長期収載品について、保険給付の在り方を見直し、選定療養の仕組みを導入【令和6年10月から開始】
・後発医薬品の供給状況や医療機関や薬局における使用状況等も踏まえ、診療報酬における後発医薬品の使用に係る評価について引き続き中央社会保険医療協議会等で検討【引き続き実施】 等

「安定供給・国民の信頼確保に向けた取組」/供給不安報告の令和6年度からの実施など記載

 一方、「安定供給・国民の信頼確保に向けた取組」も掲げた。

 「品質確保に係る取組」は以下の通り。
・医薬品医療機器総合機構と都道府県による、リスクの高い医薬品製造所に対する、合同による、無通告立入検査の実施【令和5年度開始】
・全ての後発医薬品企業による、製造販売承認書と製造実態に係る自主点検の実施【令和6年度実施】
・日本ジェネリック製薬協会を中心とした、外部研修や人事評価等による、クオリティカルチャー醸成に向けた、企業の人材育成【令和6年度開始】 等

 「安定供給に係る取組」は以下の通り。
・供給不足が生じるおそれがある場合(供給不安報告)又は生じた場合(供給状況報告)に、企業が厚労省へ報告する制度を整備【令和6年度開始】
・後発医薬品企業による、安定供給に係る情報の公表【令和6年度開始】
・自社の供給リスクを継続的に把握・分析することを可能とする、医薬品企業向けのマニュアルの作成【令和6年度実施】
・市場参入時に安定供給確保を求め、医薬品の需給状況の把握・調整を行うほか、供給不安発生時には供給不安解消策を講じる「安定供給確保に係るマネジメントシステム」の法的枠組の検討【令和6年度結論】
・日本ジェネリック製薬協会は、安定供給責任者会議を開催し、安定供給に係る各企業の好事例や競争政策上の観点に留意しつつ供給不安解消に向けた企業間での情報共有等を促す【令和6年度開始】 等

「後発医薬品産業の在るべき姿」は別途策定予定

 各取組に加え、取組の実施状況や数値目標の達成状況は定期的にフォローアップするとともに、令和8年度末を目途に状況を点検し必要に応じ目標の在り方を検討する。
 「後発医薬品産業の在るべき姿」を実現するための対策に係る取組については、引き続き検討が必要であることから、別途、本ロードマップの別添として策定予定とした。

2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上

 他方、「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」では、主目標は「医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上(旧ロードマップから継続)」、副次目標①は、2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上。副次目標②は、後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上。

 各種取り組み施策の中では、保険者インセンティブ制度において、保険者によるバイオ後続品の普及啓発に係る指標の追加を検討(令和7年度結論)なども掲げた。

この記事のライター

関連するキーワード


後発医薬品

関連する投稿


【選定療養の影響調査】ヒルドイドの調剤額が4割超減/インテージリアルワールド社

【選定療養の影響調査】ヒルドイドの調剤額が4割超減/インテージリアルワールド社

【2024.11.15配信】株式会社インテージリアルワールドはこのほど、長期品の選定療養導入による後発医薬品への切替の影響を調査した。その結果、選定療養対象薬剤の推計調剤金額トップ10の薬剤のうち、ヒルドイド、プログラフ、グリベック、シムビコート、ネキシウム、アジルバなど、6製品において調剤金額が前月比で3割以上減少していた。ヒルドイドでは4割超減少している。同社データベース Cross Fact の2024年10 月データを基に、院外調剤市場における医療用医薬品の動きを見たもの。


【医薬品の安定供給へ】後発薬業界ができること/東和薬品が講演

【医薬品の安定供給へ】後発薬業界ができること/東和薬品が講演

【2024.05.28配信】5月25日に名古屋で開かれた「日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 学術大会」で、東和薬品執行役員の田中俊幸氏が「ジェネリック医薬品産業のあるべき姿の構築に向けて」と題して講演した。


【先発薬と後発薬の薬価が同等になると?】先発薬の処方量最大1.9倍/民間調査

【先発薬と後発薬の薬価が同等になると?】先発薬の処方量最大1.9倍/民間調査

【2023.10.19配信】日本システム技術株式会社は、独自に保有しているレセプトデータを中心としたメディカルビッグデータ「REZULT」を基に、薬価改定による先発品医薬品の薬価が後発品と同額となったときの影響について独自調査を実施した。その結果、先発薬の処方量は最大1.9倍で、後発薬の処方量も下がらなかった。


【医薬品供給状況】7月調査、通常出荷は78%/前月から大きな変化なし

【医薬品供給状況】7月調査、通常出荷は78%/前月から大きな変化なし

【2023.08.22配信】厚生労働省は8月22日までに、医薬品供給状況にかかる調査の2023年7月分調査結果をホームページに掲載した。それによると、「限定出荷」 と 「供給停止」 の品目は全体の22%。通常出荷は78%だった。前月から大きな変化はなかった。


【厚労省検討会】後発医薬品企業の体制評価で余剰生産能力などの項目案提示/厚労補助金調査事業報告

【厚労省検討会】後発医薬品企業の体制評価で余剰生産能力などの項目案提示/厚労補助金調査事業報告

【2023.08.21配信】厚生労働省は8月21日、「第2回 後発医薬品の安定供給等の実現に向けた 産業構造のあり方に関する検討会」を開催。検討会は非公開だが、資料を開示している。その中で、厚労補助金調査事業の結果として、研究代表者・成川衛氏(北里大学薬学部)の研究資料を提示。後発医薬品の安定供給に係る企業体制の評価について、自社製品の出荷停止事例のほか、他社出荷停止製品に対する増産対応事例などの項目を示した。


最新の投稿


【日本総研レポート】「社会保険料負担軽減の焦点は医療保険制度改革」/成瀬道紀氏

【日本総研レポート】「社会保険料負担軽減の焦点は医療保険制度改革」/成瀬道紀氏

【2026.08.18配信】日本総研は8月12日、経済・政策レポート「社会保険料負担軽減の焦点は医療保険制度改革」を公表した。執筆は成瀬道紀氏。レポートでは骨太の方針に現役世代の社会保険料率引き下げが明記されたこと触れ、医療保険料率をどこまで引き下げられるかが焦点となると指摘。医療費への税投入増加を展望しにくい財政環境だとし、OTC類似薬など患者自己負担の増加の政策がとられているものの大きな財政効果は見込みにくいとし、医療の必要性に応じた給付のメリハリや供給側における効率的な医療サービス提供を促す改革が求められるとしている。


【地域連携薬局】「地域が持つべき体制への協力」/厚労省 前・薬局地域機能推進企画官の大井恒宏氏に聞く

【地域連携薬局】「地域が持つべき体制への協力」/厚労省 前・薬局地域機能推進企画官の大井恒宏氏に聞く

【2026.08.18配信】厚労省は6月30日、認定薬局の新基準に関する省令を公布した。その内容や趣旨について厚労省 医薬局総務課 前・薬局地域機能推進企画官の大井恒宏氏が本紙の取材に応えた。 <有料版「ドラビズ for Pharmacy」7/17・22号より一部抜粋>


【千葉豪雨】5薬局に被害、うち2軒は営業不可/厚労省発表

【千葉豪雨】5薬局に被害、うち2軒は営業不可/厚労省発表

【2026.08.15配信】厚生労働省は、令和8年8月千葉豪雨の被害状況について公表した。薬局に関しては、千葉県健康福祉部薬務課より8月14日17時時点での被害状況について報告があり、5薬局に被害、うち2軒は営業不可となっている。


【スギ薬局】認知症の“未病”の見える化事業/神奈川県等と基本合意

【スギ薬局】認知症の“未病”の見える化事業/神奈川県等と基本合意

【2026.08.12配信】スギホールディングス連結子会社の株式会社スギ薬局(本社:愛知県大府市、代表取締役社長:杉浦 克典氏)は8月12日、ノックオンザドア株式会社とともに、神奈川県と「認知症未病改善データプラットフォーム等に関する基本合意」を締結した。


【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激

【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激

【2026.08.06配信】日本保険薬局協会は8月6日に定例会見を開き、「令和8年度調剤報酬改定に係る保険薬局への影響」の調査結果を公表した。在宅分野では、在宅薬学総合体制加算2の算定率が22.1%から3.3%へ大きく低下した。


ランキング


>>総合人気ランキング