【内閣府地方創生推進】電子処方箋未導入薬局にも処方認める実証開始/茅野市対象

【内閣府地方創生推進】電子処方箋未導入薬局にも処方認める実証開始/茅野市対象

【2024.06.27配信】内閣府地方創生推進事務局は6月26日、制度改革に関する調査事業で6事業を採択したと公表した。


2025年度には実証結果を踏まえた規制改革提案や茅野市でのサービス実装目指す

 内閣府地方創生推進事務局は「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業(スーパーシティ・デジタル田園健康特区対象)」を開始すると公表した。
 スーパーシティ(茨城県つくば市、大阪府・大阪市)とデジタル田園健康特区(石川県加賀市・長野県茅野市・岡山県吉備中央町)を対象とするもの。公募を本年4月 22 日から5月 24 日までの期間で実施していた。

 その結果、6事業を選定した。

 このうちの1つが「薬局の電子処方箋の導入可否に依らない薬剤配送サービスの実装に向けた調査」。デジタル田園健康特区の長野県茅野市が対象。
 事業実施体制はおかぴファーマシーシステム株式会社を代表者とし、 組合立諏訪中央病院、株式会社ソフトウェア・サービスが構成員。自治体は茅野市が参加する。

 茅野市は中山間地域にあり、自宅周辺に薬局がない地域等では高齢者を中心として薬局の移動負担が大きく、薬剤配送のニーズが高い。電子処方箋の導入により、その利便性が高まることが期待されるが、未だ導入率が低いことを踏まえ、事業では、電子処方箋を導入困難な薬局が、電子処方箋を導入している薬局との連携により、少ない負担で薬剤を処方し配送するサービスの実装を目指すという。

 規制・制度改革の提案規制・制度改革の提案は、電子処方箋を導入していない薬局であっても、電子処方箋を導入している薬局に必要な業務を適切に委託する場合は、処方内容(控え)による薬剤の処方を認める、等。
 「電子処方箋業務の委託」では、 電子処方箋非対応薬局から対応薬局に委託する業務を遂行するためのシステムを構築し、少ない負担で配送薬剤を処方可能とすることを想定。電子処方箋非対応薬局から対応薬局に委託する業務を遂行するためのシステムを構築し、少ない負担で配送薬剤を処方可能とすることを見込む。

 今後、1年間にわたって実証実験を通して、実装可能性の可否の検討や課題の抽出などを行うことになる。

 調査・実証内容は、電子処方箋を導入していない薬局が、薬の処方を安全に行うために必要な業務内容、連携薬局との契約の在り方、事業スキーム等に関する調査を行う。また、電子処方箋の普及に向けて、現状の把握・整理の上、医療機関・薬局・患者の三者が少ない負担で電子処方箋を利用可能とするためのシステム要件等を検討する。

 2024年度に実証実験を行い、2025年度には実証結果を踏まえた規制改革提案や茅野市でのサービス実装などを目指す。 
 

この記事のライター

関連するキーワード


地方創生推進 特区

関連する投稿


【“絆”特区】区域方針まとまる/福島・長崎県では医療用薬のドローン配送も視野

【“絆”特区】区域方針まとまる/福島・長崎県では医療用薬のドローン配送も視野

【2024.08.26配信】内閣府は8月26日、「第64回国家戦略特別区域諮問会議」を開き、“絆”特区の区域方針をまとめた。


【厚労省】調剤業務の一部外部委託でQ&A発出

【厚労省】調剤業務の一部外部委託でQ&A発出

【2024.05.10配信】厚生労働省は5月9日、「国家戦略特別区域調剤業務一部委託事業の実施要領に関する質疑応答集(Q&A)」を発出した。


【内閣府】調剤業務の一部外部委託の特区創設を公表

【内閣府】調剤業務の一部外部委託の特区創設を公表

【2024.05.10配信】内閣府地方創生推進事務局は5月9日、「国家戦略特別区域調剤業務一部委託事業」を創設したと公表した。


【厚労省】調剤外部委託の特区実施要領を通知/特区事業開始の素地整う

【厚労省】調剤外部委託の特区実施要領を通知/特区事業開始の素地整う

【2024.05.09配信】厚生労働省は5月9日、「国家戦略特別区域調剤業務一部委託事業の実施要領」を発出した。これにより大阪での特区事業実施の素地が整うことになる。


【国家戦略特区】調剤の外部委託でWG、関係省庁等からのヒアリング実施/WG後は「区域会議」→「諮問会議」の流れ

【国家戦略特区】調剤の外部委託でWG、関係省庁等からのヒアリング実施/WG後は「区域会議」→「諮問会議」の流れ

【2023.10.12配信】10月12日、内閣府地方創生国家戦略特区ワーキンググループは関係省庁等からのヒアリングを実施した。この中で調剤業務の一部外部委託に関して議題となった。


最新の投稿


【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で

【2025.05.01配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ(第5回)」が5月1日、開催された。その中で令和7年3月14日に開催された「第2回健康・医療・介護 WG」に関する委員・専門委員からの追加質疑・意見に対する厚生労働省の回答を公表した。


【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意

【2025.04.30配信】東京都薬務課は4月30日に定例会見を開き、都が毎年行っている健康食品試買調査の結果を説明した。124製品中、98製品、79%に不適正な表示、広告が発見されたという。医薬品的な効能効果の標榜を禁止している薬機法違反も多いが、景品表示法、食品表示法、特定商取引法などの違反も見られる、都では複数の法律で規制されている健康食品を取り扱う事業者に向けて講習会を開いており、講習会参加なども生かして法令遵守に取り組んでほしいとしている。


【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について

【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について

【2025.04.28配信】厚生労働省は4月25日、診療報酬改定についての「疑義解釈(その24)」を発出した。「医療DX推進体制整備加算」の施設基準の1つであるマイナ保険証利用率について回答。4月については在宅患者を分母から引いて構わないとしている。現在は通常の外来患者がマイナ保険証を利用した場合のみが反映されているため。5月以降については、居宅同意取得型のオンライン資格確認によるマイナ保険証利用件数が社会保険診療報酬支払基金から通 知するマイナ保険証利用率集計に含まれる予定。


【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼

【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼

【2025.04.26配信】日本薬剤師会は電子おくすり手帳簡易ビューワーアプリ「e薬 SCAN」について、他職種への周知依頼を都道府県薬剤師会宛てに発出した。


【財政審】 後発薬調剤体制加算等、政策目標の達成状況を踏まえ「必要に応じ報酬体系の再編を」

【財政審】 後発薬調剤体制加算等、政策目標の達成状況を踏まえ「必要に応じ報酬体系の再編を」

【2025.04.23配信】財務省は4月23日に財政制度等審議会「財政制度分科会」を開催した。


ランキング


>>総合人気ランキング