【国家戦略特区】調剤の外部委託でWG、関係省庁等からのヒアリング実施/WG後は「区域会議」→「諮問会議」の流れ

【国家戦略特区】調剤の外部委託でWG、関係省庁等からのヒアリング実施/WG後は「区域会議」→「諮問会議」の流れ

【2023.10.12配信】10月12日、内閣府地方創生国家戦略特区ワーキンググループは関係省庁等からのヒアリングを実施した。この中で調剤業務の一部外部委託に関して議題となった。


コンソーシアム狭間氏、厚労省GLについて「コンソーシアムの代替案で実施可能か調整が必要」

 調剤業務の一部外部委託に関しては、今年9月に正式に大阪府・大阪市・薬局DX推進コンソーシアムの3者から共同で提案があったもの。
 提案がされたものについては関係省庁との意見調整を行った上で、論点が明らかになった上で「国家戦略特区ワーキンググループ」(WG)が開かれることになる。同日はこのWGが開かれた格好。
 WGではコンソーシアムの狭間研至氏が資料を提出。対人業務の充実に向けた対物業務の効率化の観点で調剤業務の一部外部委託を検討する意向を示したほか、実証事業に向けた課題として、「厚労省研究班ガイドライン(暫定版)との整合性」を挙げ、「今後本コンソーシアムの代替案で実施可能か調整が必要」とした。
 

大阪府・大阪市、想定される効果「薬剤師の専門性を発揮する業務の充実」

 また、大阪府と大阪市も資料を提出し、「事業を実施した場合に想定される効果」などとし、調剤後のフォーローアップ、残薬解消、ポリファーマシー対策などの薬剤師の専門性を発揮する業務の充実を挙げた。そのほか、在宅医療を含む地域包括ケアシステムへの貢献、他職種連携の推進、セルフメディケーションの支援等、健康サポート業務への取組みの向上も掲げた。

 厚労省もこれまでの「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」の検討の結果のとりまとめ内容や、厚生労働科学研究においてまとめたガイドライン(暫定版)の内容、それを踏まえた調剤業務の一部外部委託の検証等を実施する見込みであることなどを説明した。

 特区WGのあとの予定としては、事案ごとにタイムスケジュールは臨機応変となるが、一般的には特区WGで議論を深めた上でまずは特区としての特例措置を整理し、その特例措置を“使う”という認定のため「国家戦略特別区域会議」を開く。その上で、最終的には岸田首相を議長とする「国家戦略特別区域諮問会議」で首相によって認定されることになる。

この記事のライター

関連するキーワード


調剤の外部委託 特区

関連する投稿


【“絆”特区】区域方針まとまる/福島・長崎県では医療用薬のドローン配送も視野

【“絆”特区】区域方針まとまる/福島・長崎県では医療用薬のドローン配送も視野

【2024.08.26配信】内閣府は8月26日、「第64回国家戦略特別区域諮問会議」を開き、“絆”特区の区域方針をまとめた。


【内閣府地方創生推進】電子処方箋未導入薬局にも処方認める実証開始/茅野市対象

【内閣府地方創生推進】電子処方箋未導入薬局にも処方認める実証開始/茅野市対象

【2024.06.27配信】内閣府地方創生推進事務局は6月26日、制度改革に関する調査事業で6事業を採択したと公表した。


【厚労省】調剤業務の一部外部委託でQ&A発出

【厚労省】調剤業務の一部外部委託でQ&A発出

【2024.05.10配信】厚生労働省は5月9日、「国家戦略特別区域調剤業務一部委託事業の実施要領に関する質疑応答集(Q&A)」を発出した。


【内閣府】調剤業務の一部外部委託の特区創設を公表

【内閣府】調剤業務の一部外部委託の特区創設を公表

【2024.05.10配信】内閣府地方創生推進事務局は5月9日、「国家戦略特別区域調剤業務一部委託事業」を創設したと公表した。


【厚労省】調剤外部委託の特区実施要領を通知/特区事業開始の素地整う

【厚労省】調剤外部委託の特区実施要領を通知/特区事業開始の素地整う

【2024.05.09配信】厚生労働省は5月9日、「国家戦略特別区域調剤業務一部委託事業の実施要領」を発出した。これにより大阪での特区事業実施の素地が整うことになる。


最新の投稿


【ジェネリック学会OTC分科会】生活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書公表

【ジェネリック学会OTC分科会】生活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書公表

【2025.10.13配信】日本ジェネリック・バイオシミラー学会のOTC医薬品分科会(分科会⾧・武藤正樹氏)はこのほど、活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書を公表した。10月11日に盛岡市で開催された「日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 第19回学術総会」「OTC医薬品分科会」のシンポジウムの場で示したもの。シンポジウムは日本OTC医薬品協会当の共催。


【日本薬剤師会】地域連携薬局「基本的な考え方」で質疑/奈良県薬・後岡会長

【日本薬剤師会】地域連携薬局「基本的な考え方」で質疑/奈良県薬・後岡会長

【2025.10.11配信】日本薬剤師会は10月11日、都道府県会長協議会を開催。質疑の中で地域連携薬局の「基本的考え方」について質問が出た。奈良県薬剤師会会長の後岡伸爾氏が質問した。


【日本薬剤師会】高市新総裁誕生にコメント/岩月会長

【日本薬剤師会】高市新総裁誕生にコメント/岩月会長

【2025.10.08配信】日本薬剤師会は10月8日に会見を開いた。この中で自民党新総裁に高市早苗氏が就任したことについてコメントした。


【日薬】医薬品情報共有「N-Bridge」運用開始/薬剤師会に対しては従来のFAXコーナーから切り替え

【日薬】医薬品情報共有「N-Bridge」運用開始/薬剤師会に対しては従来のFAXコーナーから切り替え

【2025.10.08配信】日本薬剤師会は10月8日に定例会見を開き、医薬品情報共有機能を含めた薬局DX基盤サービス「N-Bridge」の運用を開始すると説明した。薬局に対しては、電子お薬手帳・処方箋受付・医薬品情報共有・医薬品発注等の機能を統合したシステムを提供する。電子お薬手帳システム等を続合し、各都道府県・地域・支部 薬剤師会に対して従来のFAXコーナーから切り替えを行う見込み。


【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【2025.09.30配信】このほど、抗血小板剤「エフィエント錠3.75㎎」のPTPシートに印字されたGS1コード(調剤包装単位コード)に誤りがあったとして、製造販売元の第一三共より報告がされている。それを受け、日本薬剤師会でも注意喚起の文書を発出した。