整理案の「I 現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進」に関しては、前回の提示で「Ⅰ-1 医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組」、「(1) 看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種について、賃上げを実施していくため、新たな評価を行う。」までの記載となっており、「その他の措置については調整中」としていた。
それ以降の記載について、前回議論を踏まえ、以下のように追記した。
(2) 入院基本料等について、以下の見直しを行う。
① 退院後の生活を見据え、入院患者の栄養管理体制の充実を図る観点から、栄養管理体制の基準を明確化する。
② 人生の最終段階における適切な意思決定支援を推進する観点から、当該支援に係る指針の作成を要件とする。
③ 医療機関における身体的拘束を最小化する取組を強化するため、医療機関において組織的に身体的拘束を最小化する体制の整備を求める。
④ ①~③のほか、40 歳未満の勤務医師、事務職員等の賃上げを実施すること等の観点から、入院基本料等の評価を見直す。
(3) 外来診療において標準的な感染防止対策を日常的に講じることが必要となっていること、職員の賃上げを実施すること等の観点から、初再診料等の評価を見直す。
(4) 歯科診療にかかる評価について、標準的な感染防止対策を日常的に講じることが必要となっていること、医療機関の職員や歯科技工所で従事する者の賃上げを実施すること等の観点から、初再診料や歯冠修復及び欠損補綴物の製作に係る項目について評価を見直す。
(5) 地域の医薬品供給拠点としての役割を担い、地域医療に貢献する薬局の整備を進めていくこと、職員の賃上げを実施すること等の観点から、夜間・休日対応を含めた、薬局における体制に係る調剤基本料等の評価を見直す。
その他の項目でも医科・歯科での修文はあったが、薬局関連での修文はない。その他、多少の表記ゆれの訂正があった。
中医協委員は、整理案に対して特段の意見を示すことはなく、今後の短冊(個別改定項目)の議論の中で意見をしていく方針を示した。今後、中医協では短冊の議論に移る。

【中医協】改定議論整理案で追記/薬局に関しては「夜間・ 休日対応を含めた体制に係る調剤基本料等の評価を見直す」
【2024.01.12配信】厚生労働省は1月12日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)の追記部分を議論した。賃上げ対応について前回の議論の内容を追加したもの。
関連する投稿
【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査
【2025.07.10配信】厚生労働省は7月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)の調査票案」を提示した。次期調剤報酬改定議論の基礎資料となるもの。
【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出
【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、物価上昇および賃上げ分を含めたプラス改定を求めている。
【日本保険薬局協会】敷地内薬局基本料の変更求める/厚労相に要望書提出
【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、いわゆる敷地内薬局を対象とした基本料である「特別調剤基本料A」に設けられている「7種類以上の内服薬を調剤した場合には薬剤料が90/100 に減算」となる報酬体系を撤廃することを求めている。
【中医協】日薬・森氏、後発薬加算「カットオフ値」の急減店舗の発生を問題視、対応求める
【2025.04.23配信】厚生労働省は4月23日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、後発医薬品調剤体制加算の要件である「カットオフ値」が急減している店舗があることを説明し、問題視。対応を求めた。
【後発薬調剤割合】「90%以上」の薬局が66.1%に/前年33.3%から倍増/中医協・診療報酬改定結果検証部会
【2025.04.09配信】厚生労働省は4月9日、中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和6年度調査)の報告書案」について説明した。このうち、後発医薬品調剤割合について、「90%以上」の薬局が前年の調査から倍増していることがわかった。令和5年度調査では33.3%だったものが、今回の令和6年調査では66.1%となった
最新の投稿
【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査
【2025.07.10配信】厚生労働省は7月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)の調査票案」を提示した。次期調剤報酬改定議論の基礎資料となるもの。
【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ
【2025.07.02配信】奈良県議会は7月2日、奈良県議会本会議において「薬価制度の抜本的改正を求める意見書」を会派全会一致で採決した。
【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。
【2025.06.29配信】日本薬剤師会は6月28・29日に第106回定時総会を開き、その中で岩月進氏が会長演述を行った。
【2025.06.26配信】株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋氏)の連結子会社である医療AIカンパニー、株式会社MG-DX(本社:東京都渋谷区、代表取締役:堂前紀郎、以下「当社」)は、薬局特化型の接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」において、OTC医薬品の遠隔販売に特化した新たなシナリオを構築したと公表した。